富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

さうだ京都へ行かう②

昨晩二更に微睡んでゐたら沖縄知事選でデニー知事再選とニュース速報だつた記憶は少しある。今朝起きたら今日は新聞休刊日だが号外が出てゐてデニー知事再選は正夢だつた。与党系候補(佐喜真某)と接戦かと思つたが与党系はデニーに二連敗で維新の何某との票を足してもデニーに及ばず。今回も沖縄で宗主国たる日本の〈体制〉の敗北。何をか言はん哉。岸田の支持率は朝日でも下落で41%と過半数割れ不支持が47%と逆転。宏池会のプリンスも何かを問はれば「検討、検討」と何もできず。スガの方がよほど実務実行型。
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陰暦八月十七日。気温23.4/34.5度。快晴。肌を灼る灼熱の太陽。北大路経由で大徳寺。バスを降りるとバス停の前にスーパーコーヒー本店あり。ブレンドの珈琲豆を100gだけ購入。北大路通りの向かひは松屋藤兵衛。味噌松風を贖ふ。ご亭主お人柄で「お寺さんにお入りになれば少しは涼しいかも知れまへんなぁ」と。大徳寺一久で大徳寺納豆購めれば女将に「遠くから?」といはれ水府と答へると「あら納豆のご縁で」と。「今度来られたらゆっくりと精進料理でお昼でも」といはれ、お店にお孫さんの写真あり「継いでくれるか、くれないか、まぁどないなるか」。


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こゝまで来て蛮族は大徳寺参拝せず市営バスで堀川通りへ。今日は地下鉄とバスの1日パス(1,100円)購入したので暑いなか歩かなくて良い。商店街も少し新しい店舗入れて再開発気分。下立売通り。お昼近くなり通りがかりで〈カフェタイガー〉といふ店に入る。朝は自家製パンのトーストから始まるやうだが昼は汁なしタイガー麺とかナポリタンとか趣味的な食肆で何かしらあり。汁なしタイガー麺はよくわからないが台湾みたいな感じで侮れない美味さ。ピーター=バラカンとか忠さんの世界。勘解由小路町の山田松香木店。こちらも定点観測で焼香など少し贖ふ。山田松のすぐ先の出水通の角はちりめん山椒の〈こと路〉でこちらも必ず寄るお店。烏丸通りは地下鉄も丸太町と今出川の丁度間でバスも1時間に1本で猛暑のなか烏丸通を上り〈とらや〉一条店へ。こちらは初めて。とらや茶寮で涼を得る。家人がこの茶寮の建物に「どこかで見たやうな雰囲気」といふので調べたら設計は内藤廣で東京と安曇野のひちろ美術館や4月に高知で訪れた高知県立植物園の牧野富太郎記念館がこの方の設計で納得。暑くなければ御所を歩いて抜けるところだが茹だるやうで今出川から丸太町まで一駅だけでも地下鉄に乗り烏丸通から寺町通まで日陰をお忍びのやうに歩く。


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一保堂で焙じ茶。村上開新堂で焼き菓子、向かひの象彦でお茶菓子用の銘々皿を購める。柳櫻園でお抹茶。木町通りのこの界隈は普段つかひで良いものがあれこれ手に入る。古書肆を一軒/\眺めて歩く機会がまだない。錦市場の〈有次〉まで下つたが欲しいものの値段の0が一つ多すぎて断念。烏丸四条から地下鉄で一駅でホテルに戻る。


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夕方また北大路経由で今度は大徳寺先の船岡。わざ/\船岡温泉まで出向く。欄干の透かし彫りだとか欅の格天井の牛若丸と天狗の彫り物だとか脱衣所から風呂に向かふパッセージの目も眩むやうなマジョリカタイルであるとか一つ一つは大したもので何せ建物全体が登録有形文化財なのだが風呂場で見ると、そのへんの老朽化した取り壊し寸前の銭湯なのが立派。ボイラーの交換で煙突も解体で来週からだか1ヶ月休業の由。有形文化財であるから解体などするはずもない。近くのやはり見事な建築の銭湯は建物は残つたが風呂や廃業でカフェになつてゐた。ところで船岡温泉の正面横の別棟の建物の2階側面に「特殊船岡温泉」といふ文字の装飾あり。それを見て一瞬ニヤリとさせられたが、これは「個室付き特殊浴場」に非ず昭和7年に船岡温泉の先々代(伍一郎氏)が「京都市内になかった「温泉」の名称を得たい」と料金公定の銭湯のなかで日本で最初の電気風呂を設へ公定料金の制限ない「特殊温泉」の許可を国から得た名残りなのださう。

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西陣の裏道を歩き市営バスで(もう1日パスは十分に元がとれてゐるのだが)今出川通りを河原町まで行き(月はまだ上がらず)再びバスで河原町を三条まで下り三条通りを西に歩む。結局ホテル近くまで戻つてしまひ家人が日曜晩に友人と入つたらなか/\良かつたといふ文椿ビルのイタリアンバールで軽く夕食でホテルに戻る。

京都で怖いものは自転車。かの白川院でも「鴨川、自転車、山法師」と嘆いたやうに自転車の走りは意のまゝにならず。なぜ急ぐのか。京都の人はさうせっかちなのかしら。

京都が平坦だから自転車が漕ぎやすい。

折角早く走れる乗り物なのだから早く走らないと意味がないといふ合理的判断。

他人(歩行者)のことなど気にもならない自分勝手。