富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

日本思想大系57『水戸學』岩波書店

陰暦八月初五。気温摂氏21.6/32.8度。曇。

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岩波書店の日本思想大系57『水戸學』を図書館から借書で読んだが正志斎『新論』と藤田幽谷の文書のみでもう少し読みたいと思ひブックオフだかでネットで漁つたら1,200円で(昭和48年の定価1,800円)コンディションも「可」といふ出品あり(高額だと6千円の良品あり)読むだけなので1,200円で良いと思つて注文。今日届いたものは売上カードもそのまゝで読んだ形跡なしの良本。岩波の本で本文製版と印刷が精興社、製本が三水會は今になつてはまことに贅澤。悪からうはずもない。これに付録の月報は山川菊榮*1が当時の水戸学をボロクソに罵る。水戸学を多少なりとも爪の垢でも煎じて、と思つた読者がゐるはずなのに菊榮のこんな罵詈雑言を月報の巻頭にしてゐるとは。当世では全く考へられぬ仕業である。当時、思想がどれだけ自由だつたか。

岸田首相、旧統一教会と「関係断つ」: 日本経済新聞

「国民から懸念や疑念をいただいている。党総裁として率直におわびを申し上げる」と「ワクチンを4回接種していたから軽症で済んだ」首相(岸田)。「いただく」は「もらう」の謙譲語。「もらう」③自分が望まないものを与えられる(広辞苑)。晋三死去に遭遇して国民にとつて「熱さが喉元を過ぎる前に」と晋三国葬閣議でさつさと決め内閣改造で安定を図るはずが自民党に甘い民草もさすがに国葬即決に疑問を感じて内閣改造統一教会マターで火に油を注ぎ内閣支持率急落で慌てゝの記者会見と陳謝。だが記者会見で突然の新語「国葬儀」を「国儀葬」と言ひ間違へ晋三政権を「憲法史上最長の」って何のこっちゃ?と思へば「憲政史上」の言ひ間違へ。荻上チキのラヂオで「隔離明けで多少疲れが」と迄フォローされてゐたが何とも。岸田ぢゃダメなのだが、つまり「もう宏池会が機能しない」となるとホントもう「自民党ぢゃヤヴァい」となる。だが立憲も泉ぢゃダメだし維新も危ないしホント未来がない。

衆院法制局vs内閣法制局 国葬が問う「国のかたち」 | 毎日新聞

首相(岸田)が突然、国葬国葬儀と言ひかへは何故か。

国葬令(大正15年公布)第1条と第2条で天皇と皇族の葬儀は国葬とすると定め第3条で「国家ニ偉勲アル者」も「特旨ニ依リ国葬ヲ賜フコトアルヘシ」とする。「特旨」とは天皇の特別な考えのこと。政治家や軍人の国葬を行うかどうかの判断を巡り「国の意思」を体現する主権者が天皇。昭和 22年に日本国憲法施行され国葬令は失効。現憲法下で国民が主権者であることは明白にもかかわらず今回の国葬は内閣の一存で決められてしまった。国葬が「国の意思」によって行われるものだとすれば、内閣(行政府)が主権者ということになってしまう。

衆院法制局は「国の意思」が時の内閣によって恣意的に運用されない歯止めとして国葬についても「意思決定過程に国会(与党及び野党)が関与することが求められる」とした。しかし内閣法制局は「国の意思」を論点に加えると「国会の関与がないまま閣議決定で実施を決めた」となると政府に分が悪くなるため「国葬」と今回実施する「国葬儀」は別のものとして「首相側から相談を受けたのは「国葬儀」の法的問題についてである」とした。何とも役人脳といふのは大したもの。それを記者会見で「国儀葬」と言ひ間違へである。

*1:父は松江藩士の森田龍之助、母は水戸藩士で弘道館教授頭取代理・彰考館権総裁を務めた儒学者・史学者の青山延寿の娘・千世。弘道館の初代教授頭取を務めた儒学者・青山延于は母方の曾祖父。大叔父(大叔母の夫)に水戸藩士吉成勇太郎。