気温摂氏22.9/29.9度。快晴。
家人とヨークタウンで買ひ物。水戸市南郊外で「吉沢工業団地」跡。日本ビクターの水戸工場とかあつてカセットテープとか製造してゐた記憶。そこにヨークベニマル*1を中心にした商業施設が出来てユニクロや無印、カインズでほとんど全ての買ひ物が済んでしまふ。これぢゃ市街の商店街など不振なのは当然。自動車で来て一週間分の買ひ物を済ます、なんて素っ気ない生活。お昼にはまだ時間があつたがヨークタウンから自動車なら近い「ふる川」へ。水府の人気ラーメン店の一つであつさりとしたスープに硬めの麺。朝９時から午後２時までの営業で今日は11時20分くらゐですでに数名待ち客あり。11時半を過ぎると繁忙で外まで行列となつてゐた。午後遅く超級銭湯へ。梅雨明けからメインのお風呂いくつかが「不感温湯」になつてゐる。猛暑で身体に優しい、熱い温度を感じさせない程度の、体温よりほんの少し高い36.5～37.5度設定なのださう。これが夏の行水でもないし中途半端にぬるいだけ。暑くても多少熱いお湯にさっと浸かつて汗を流すやうな爽快感がない。あの「不感温湯」設定は実は燃料費高騰への対応なのだらう。
高田文夫先生がラジオ（ニッポン放送のビバリー）で訃報の扱ひはすつかり小さくなつてしまつたが、と三木のり一氏の急逝（６日）を語つてゐた。享年七十一。前晩まで元気で打合せかねた宴会に出てゐたさう。高田先生曰く本当に仕事しない趣味人で、ときどき気が向くと舞台に上がつたりしてはゐたが、いつも懇意にしてくれる女性がゐたり、でのんびりと風流に、粋人として生きてきたといふ。その「仕事しない人」が高田先生にこれだけは残しておきたい、と言つたのが、父・三木のり平の半世紀であり、のり一自身が幼い頃から楽屋、舞台袖で見てきた戦後の東京の喜劇の歴史語りだつたといふ。それが2020年に上梓されたのが『何はなくとも三木のり平』（青土社）で三木のり一以外誰も語り残すことのできなかつた貴重な記録。
この一冊を世に残しただけで「三木のり一ありき」なのだから実に大したもの。
比例区でN党の得票数が社民とほゞ同数なのは今更驚かないが維新のそれが立憲上回つたとは。
選挙も終はり「安倍元首相暗殺」も「テロ」ではないことがやつと共通認識になつてきたか。
民主主義の崩壊許さぬ（朝日新聞社説９日）
選挙は、民主国家の基礎中の基礎である。そこでは思想信条の自由、言論・表現の自由、投票の自由が、厳格に守られなければならない。その選挙を暴力で破壊する。自由を封殺する。動機が何であれ、戦後日本の民主政治へのゆがんだ挑戦であり、決して許すことはできない。その罪の危険さ、深刻さを直視しなければならない。
自由を守る、選択の時（朝日新聞社説10日）
政治家が遊説中に凶弾に襲われるという異例の暴挙である。民主主義へのあからさまな挑戦であるがゆえに、社会を貫いた衝撃は並外れている。
それが今日の社説では、こゝまでトーンダウンはしたことは、した。
安倍氏を狙った容疑者は「政治信条に対する恨みではない」と供述しているという。事件の背景は今後、徹底的に解明されねばならないが、憲政史上最長の首相在任期間を持ち、自民党内最大派閥の長として今も大きな影響力を持つ安倍氏が、選挙戦のさなかに凶弾に倒れたこと自体、自由な言論や政治活動を萎縮させ、社会不安を広げかねない。
萎縮のは何よりもメディアの報道だらうに。それにしても「報道の自由」ランキング71位といふ名誉ある位置をまざまざと見せつけられた今回の元首相暗殺事件報道。
安倍元首相の銃撃は選挙に影響があったでしょうかという質問に「あまりなかったと思います」とお答えしました。あの事件はこれから後の日本の政治にどんな影響を与えるでしょうかという質問には、メディアが自民党と統一教会の関係について報道しないなら影響はないでしょうとお答えしました。（内田樹）
テレビはかつては壺や合同結婚式など散々流していたが、今や「カルトじゃない」というような擁護をしていて、政党・政治家に食い込んだ成果がしっかり出ている様子。（安田純平）
そんななか大手メディアの中では毎日新聞がほんの少しだけど開明的。
安倍元首相銃撃 旧統一教会「母の破綻が動機なら重く受け止める」毎日新聞
この団体の代表が記者会見に応じなかつたら今もまだ「特定の宗教団体」だつたのかしら。アタシらが学生の頃は新左翼系は別な次元にいつてしまつてゐてキャンパスではまだ民青と原理がそれぞれサークル活動など通して頑張つてゐたが原理系の学生諸君はその後、何ういふ人生を送つたのかしら。
