富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦五月十三日

気温摂氏18.3/24.0度。曇のち夕方は晴。
茨城県近代美術館で若冲など細見コレクションの展覧が明日まで。雨も降りさうにないので家人と散歩しながら千波湖畔の美術館へ。辻惟夫先生の『奇想の系譜』を読んだあとだつたので……といふか若冲の作品を見る前提でそれを読んでゐたので江戸期のこの絵画の面白さをずいぶんと落ち着いてみることができた。


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細見コレクションから若冲がメインなのだが浮田一蕙〈やすらい祭〉や華嶽(下図)などこれでもかといふほど躍動的な描写は見てゐて飽きず。この絵の面白さをいくらでも語ることはできようが「これだけ精緻で見事なデッサン力があるのだから日本美術はすごい、日本美術のレベルは高い」といふやうな日本礼讃のコメントもネットで見かけて「それかよ」感あり。

小澤華嶽 ちょうちょう踊り図屏風

市役所近くの〈餃子の福来〉でお昼。久々。土曜日も近くの飲食店はかなり閉めてゐるなか福来は繁盛で結構なこと。

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公共図書館がふざけてゐるやうだが公共施設は熱中症対策とかもあつて猛暑のなか市民に避難場所提供もあるのだといふ。さらにこの図書館はロビーに星乃珈琲もあるので、その客寄せもあるのだらう。三島由紀夫賞になつた岡田利規ブロッコリー・レボリューション』は「新潮」2月号に掲載で、それを借受けやうと昨日ネットで予約したときは「貸出可」だつたが連絡も来ないし出向いてみたわけだが開架の雑誌書架で当該号がなくカウンターで尋ねてもシニアの嘱託さんは「誰か館内で読んでんじゃないですか?」と素っ気ない。昨日は貸出し可で予約して翌日もまだ開架にあつたらおかしな話だが要領得ず念のため若いスタッフに尋ねたら「あ、ネットで予約ですね?これはおそらくですが昨日ネットで予約いたゞいた時は貸出し可でも職員が実際に書架から取り出すには時間がどうしてもかゝりますから人気ある雑誌だと、その間にどなたか直接お借りになつてしまふケースも稀にですがあって……」と説明しながら「あ、予約順1ですね、どなたかお借りになつてゐて次の番です」と。(年寄りは「暖かい東風が吹いてきたから天気はこれから……」みたいな経験知はあるかもしれないが)やはり若い人の方がかうしたときは頼もしい。

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