陰暦二月十八日。気温2.0/14.9度。晴。いつも旅行でも一人気まゝに歩くので昨日のやうな団体行動は珍しく(といつても決められた列車に乗り目的地で一人で徘徊してゐただけなのだが)少し疲れた。
昨日の鉄博(拾遺)。御料車。客車寝台車とマルスと並びアタシの好物は御料車。鉄博では2010年10月〜翌1月まで鉄博開館3周年特別展「御料車〜知られざる美術品〜」あり。この参観逸したことまことに残念と久ヶ原T君とも話に出る。昨日もじつくりと、といつても歴代の御料車は他の展示車両と異なり温度湿度が一定に保たれたガラス張りの展示室の中でガラス越しに御料車拝見となる。その中で足が止まつたのは七号御料車。大正3年に天皇と貞明さん乗用として建造。この御料車には御料車に初めて剣璽奉安室が設へられた。三種神器のうち剣璽を据ゑる神聖なる場所なのだが、なんと剣璽奉安室は廊下から化粧室に入り、その左にあつて右は御厠とは。車両内の設計上のこととはいへ剣璽奉安室を廊下から直接、或は侍従の控へる候所から入るやうにできたのだが。洗面所でお清めしてから剣璽を手にするためなのかしら。この御料車は大正さんが翌年、京都で御大礼あり長旅用に餐車(9号御料車、鉄博に展示あり)と、そして剣璽は御料車に奉安室を設へたが神鏡は?といふことで何と別に賢所乗御車まで製造。八咫鏡は天皇の御料車に積載することすら憚れる恐れ多きものといふことで御料車と別に、この乗御車が建造された由。
この世界でも珍しい特別車両は、昭和22年の皇室典範改正で平成以降の即位式は東都で行はれるやうになり神鏡移送不要で、つまりこの賢所乗御車も需要なし。ならば展示?など恐れ多いことで今でも大井の御料車庫に保管されてゐるのだとか……と何だか原武史先生のやうな関心。
原武史(歴史のダイヤグラム)幻の車両、運行は2度だけ :朝日新聞
原先生はやはりこの賢所乗御車について書いてゐた。
香港市役所が今月中に全市民に対して「抗疫物資」配給の由。中身はといへば簡易検査キット、マスクと漢方処方の風邪薬に医療ガイドださう。これで感染が防げれば感染など拡大してゐないのだが。香港市役所といふのは優秀な公務員体系でこれまでも見事な行政を誇つてきたはずだがやはりアンソン陳方安生の引退後から優秀な者ほど香港市役所から離職目立ち、いつの間にか本当に残腐たる組織と化してしまつたのだらう。一昨年の逆権運動後の粛清は大きかつた。知己の香港市役所の公務員たちも完全にやる気など失せてしまつてゐる。
香港の感染第五波で5,437名の死者のうち7割はワクチン接種しておらず接種済みの死者1,486名のうち1,292名(87%)が接種したワクチンが内地の(っていふか香港は中国産ワクチンのみ)科興(シノパック)なのださう(他の2種は「復必泰」と「溝針」でいずれも中国産)。