陰暦二月十三日。気温摂氏6.1/18.3度。早朝に通り雨のち曇。タイで中学卒業から日本語も全くできないまゝ日本の高専に入学して今は4年生といふ所謂「リケジョ」と話す機会あり日本語も達者ならあまりの才媛ぶりに感心。日本は先端技術が発達してゐて高度な技術で産業も潤つて……といはれ現実は何うなのか、台湾や新加坡ばかりかサイエンスハイスクールが全国に12校あり秀才がエンジニアリングに進むタイにも追ひつき追ひ越される日がくるのではないかとまでつい想像してしまふ。
- ロシア帝国、ドイツ帝国、オーストリア・ハンガリー二重帝国、オスマン帝国という四つの帝国が消えた第一次世界大戦から約100年。米国がアフガン、イラクの失敗で後退したようにロシアを含め「大国の横暴」の終焉に近づいている。
- ロシア経済を見ると、輸出の85%が資源や食料といった1次産品が占めています。なかでも最大の比重は原油と天然ガス。つまり実質20年超に及ぶプーチン政権の下で産業力が一向に伸びていない。2021年の世界の国内総生産(GDP)に占めるロシアの割合は1.7%に過ぎません。それが今年は1%を割るでしょう。経済的な基盤の脆弱さがあるにもかかわらず、今回の経済制裁により、通貨ルーブルは急落して国債の格付けも投機的水準まで下がり、世界経済から締め出されてしまった。世界の相互依存はますます強まっていくのに、ロシアはもはや海外からの投資を呼び込めませんから、この先の展望がなくなってしまいました。「自分の足をピストルで撃つ」というたとえがありますが、まさにそれが的確な表現だと思います。
- プーチン氏を増長させた責任の一端は、日本にあります。14年2月、ロシア・ソチで開催されたオリンピック開会式では、欧米の主要国の首脳がロシアの人権侵害への抗議で欠席する中、出席した先進国の首脳は安倍晋三元首相だけでした。それは北方領土交渉への思惑があったからです。しかし、その直後にロシアはクリミア半島を併合しました。安倍元首相は中国と韓国との関係を不安定化させる一方で、不思議とロシアにだけは異様な配慮をしていました。16年には地元である山口県にプーチン氏を呼び、北方領土のうち色丹島と歯舞群島の「2島先行返還」で突き進んだ。ところが、20年にはロシアが憲法を改正して領土の割譲禁止が決められ、それさえも挫折しました。共同経済活動という名の下、多額の資金を引っぱり出され、プーチン氏に抱いていた期待感が、いかにむなしいものであったか実証されてしまいました。
The trouble over Ukraine actually started at nato’s Bucharest summit in April 2008, when George W. Bush’s administration pushed the alliance to announce that Ukraine and Georgia “will become members”.
▼国立劇場の筋書は読んでゐて面白い。昨日の〈盛綱陣屋〉の芸談より。「この狂言に軍兵以外で出るのは初めて」と古郡新左衛門役の橘三郎(78)が「半世紀ほど前の名題試験のときの課題が盛綱陣屋の信楽太郎役でお辞儀をして顔を上げたら居並ぶ大幹部は大成駒、紀尾井町、橘屋で見栄をするところで紀尾井町も一緒にグルリと頭を動かしてゐらした」「義太夫さんもちゃんと入ってカッコいいお役でね、試験とはいへ嬉しかつた」。時政役の亀蔵(お父っつぁんが市ちゃん)は5歳の頃に寿海Ⅲの盛綱!で小三郎を二度。和田兵衛役の又五郎(歌昇Ⅲ)も時蔵Ⅲの孫だから小学生のときに南座顔見世で寿海Ⅲの盛綱で小四郎を演つて二度目の時の盛綱は中村屋の叔父さん(勘三郎XVIIは実の大叔父)で二人の注進役が猿之助Ⅱ(現・猿翁)と富十郎Ⅴだつたといふのだから恐れ入るばかり*1。

