陰暦十二月朔日。気温摂氏▲2.7/9.4度。快晴。水戸を08時13分発のいつもの上野行き普通列車に乗る。あ、この下りの特急が先週の日曜日（26日）に友部～内原間で自動車に突っ込まれた特急ときわ51号か、これがひたち野うしく駅で人身事故のときわ53号と、つい見てしまふ。取手駅から利根川を渡り千葉県に入るところで雪の富士山拝む。この画像より肉眼ではもつと大きい。取手宿で富士山が山裾から、と驚いたが武蔵野は原野で、この方角からだと丹澤の山並みも邪魔しないやう。
日本橋高島屋。今日から朝日新聞主催の〈現代書道二十人展〉で会場間際でかなりの混雑。水府から吉澤鐵之といふ書道家の出展あり。高島屋に浅草梅園の出店あり好物の豆かんをいたゞく。
銀座に行く途中〈そばよし〉の京橋店でお昼にしようと思つたら正月休み。このあたりドトールコーヒーから吉野家まで全滅。日本橋から京橋にかけて中央通りは箱根駅伝の復路10区でコース整理のスタッフが準備始めたところ。ランチは結局、並木通りのランチメニューとあるイタリアンで軽くお昼を済ませやうと入つたらサラダと小ぶりのパスタで1,600円。
トラヤ帽子店。『銀座百点』12月号にトラヤの広告で見たカシミヤのニットキャップを購入。アタシは短髪で冬場は自宅にゐても頭が寒くて、これは良い。田中小実昌。お店の方は若い方に代替はり？してゐて面識もなかつたが話してゐて「古参のお客か」と思はれたやうで丁重にあしらはれるのも銀座ならでは。本当はもつと帽子をかぶりたいのだけれどマスクをするやうになつて帽子とマスクじゃ煩いので帽子をかぶらなくなつてしまつたのが残念。
銀座四丁目交差点の和光角のショーウィンドウで9075の意味は何ぞや？と思つたら本館竣工＝時計台出来て90年で服部時計店の小売部門から「和光」創立75年の由。誰もそこまでピンと来ない。この建物のPX接収解除は昭和27年で今年で70年。だが昭和27年がもう70年前なのかと思ふとあばからべっそん。
観世能楽堂。旧銀座松坂屋がギンザシックスで地下には大きなエノテカ酒屋あり期待の外国人客はゐないが景気よき邦客でかなりの賑はひ。グラスでも数千円のワイン飲む客少なからず、こゝだけバブルの如し。その更に地下に能楽堂あり。観世会の一月定期能。ご宗家の〈翁〉。今日のお席は脇正面で、この不思議な〈翁〉の舞ひは正面からもう一度きちんと見てみたい。翁のあとの三番叟から鈴の段の舞（本日は三宅右矩）を見てゐて当時のこれは今でいへばEXILEであつてEXILEのメンバーがこれを舞つても身体表現として面白いのでは？なんて思ふ。狂言〈塗附〉のあと梅若実師の独吟〈竹生島〉聴き入る。村上湛君が好きだといふ〈草紙洗小町〉は成程これは面白い。脇正面といつても一列目で一松角から２つ目の席だつたので小町の動きは面白く拝見できた。祝言〈岩船〉まで途中、仕舞が７つ入つての４時間半。この充実に比べると何うしても三部制の歌舞伎から足が遠のいてしまふ。三が日も今日まで。
帰宅しておせちの残りと雑煮を食す。おせちは子どもの頃から苦手で、殊に紅白なますと昆布巻きがダメなのだが「おせちにはそれぞれの具材に何やら意味があるのだから少しでも食べないといけない」なんていはれると……。それが小学生のころの一時期、家で歳末まで家業も忙しく、おせちの用意などできないとなつたときに銀座アスターの中華おせちセットが現れて当時、１万円超えに驚いたものだが、これが美味しくてエビチリとかクラゲだとか当時はまだ珍しい具材と調理が美味しくてお正月の楽しみになつた。今では家人がアタシの苦手な紅白なますも昆布巻きもなくおせちを用意してくれて出来合ひのものも少なくないが伊達巻も美味しく黒豆は築地の山本商店のもので、これも美味しくいたゞくことができた。赤身のマグロはおせちによいアクセントになつた。
香港の網上メディア〈眾新聞〉が突然の組織解散と停刊を決定。それを嬉し可笑しと報じる大公報。この〈眾新聞〉は５年前にベテランのジャーナリストにより組織され香港電台やケーブルテレビの中国組など早期退職（事実上の解雇）の記者らも加はつてゐたが蘋果日報、立場新聞への弾圧で記者の安全保障できずと。もうこれで香港の反政府系メディアは一掃され香港は政治的安定の安全な環境に。
先日、立場新聞高層の一人として身柄拘束され保釈されたデニスがネット配信ライブ開催。尊子の漫画（明報）は「新年快楽」が「新聞快落」と報道の自由迫害を揶揄。
