富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦九月九日 重陽

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重陽といへば菊花。馴染みの花やでまだつぼみの姫ひまはりを買ひ入れたらご亭主がこちらももつて行つて下さいと開ききつた同花をわけてくれてそれがもう一週間になるが重陽の今日まできれいに咲いてゐてくれた。香港ではこの重陽になるとやつと暑さも失せてきて高いところに上るのも心地よいのだが今では日本でもまだ汗をかくほど。今日は雨で気温もやつと摂氏20度下回つたが明日からまた少し暑いといふ予報。いつたい何なのだらう、この気象の変化。もはや異常気象とはいはない。これからこんなのがずつと続くのであらう。華氏100度*1が平年気温になる時代がSFでなく現実にやつてきさう。

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台湾の蔡英文総統が雙十節にあたり「両岸は互いに隷属するものではない」と主張したことに中共はこれを両国論だと反発。だが台湾に一国両制を持ちかけるにしても「実態としては」独立した国家なのだから(英国統治から中国に主権が渡つた香港とはそれが違ふ)無闇矢たらの反発は台湾の世論を硬直化させるだけだらう。中共が強国であるのは事実だが70年以上も一党独裁の強権主義でやつてくると関係論でのセンスに欠けてしまつた。

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衆院解散。新しい資本主義は言葉遊びの実体の欠如。「未来選択選挙」なんて近い将来を選択しない選挙なんてあるのか?と思つたが同じことは荻上チキ君もいつてゐて彼はさらに「過去断絶選挙もあるのでは」と。御意。民主党から政権失つた選挙がそれ。国民は「民主党は懲り/\」で自民党と晋三を選んだ(選んでしまつた)。麻生政権での民主党への政権交代も「過去の断絶」のやうだつたが、あれは政権交代といふ珍しいことへの好奇心。自民党を本当に断絶したことなど日本は一度もない。自民のダメさが日本のダメさ、日本のダメさが自民のダメさ。

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さて我が茨城1区は現職が自民党の田所君。県西の下館の出で高校は真岡鐵道で県境を越へ真岡農業高校を出たが建設業で21歳だかで建設会社立ち上げ地元の青年会議所で頭角現し県議に(県議になつて法律知識のなさ痛感して大学で法学を専攻)。そこまでは順調だが地元には自民党で赤城家の牙城、小選挙区で田所君の出番もないと思はれたが赤城の絆創膏坊や失脚で後を襲ひ3期目。絶滅危惧種の石破派に属す。それを脅かすのは無所属の福島君。民主党出身で赤城絆創膏破つて当選の実績ありモリカケでは国会で追求も見事だつたが立憲の党運営に反発して小池の希望の党の詐欺に引っかかつて浪人の身。無所属で現職に挑むと数年前に宣言して比例代表での復活なしでまさに背水の陣。立憲と共産も対抗馬を擁立せず(なにせ今は立憲の中村喜四郎君が同じ茨城で無所属の福島君の男気を応援してゐる)この二人の一騎打ち。今日発売の週刊文春では現職の田所君「やや優勢」で福島君「やや劣勢」といふ分析。非自公にとつて政権交代のやうな追ひ風もない中で茨城の保守王国だと思へば福島君善戦であらう。田所君はかりに地方区で負けても自民の比例復活あり。水戸で見てゐる感じでは田所君は自民現職とはいへ地盤が下館(筑西市)なので他所の人感があり地元の福島君の方が事前運動は目立つ感じではある。

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福島君、手書きで支持者に意思表明は良いが悪筆は致し方ないにせよ名古屋の河村ぢゃないんだから手紙はもつと丁寧に書かないといけない。さうするだけで、それを人柄と見て一票を投じる有権者もゐるだらう。
さて不思議なのは茨城1区である。茨城県中選挙区のときは水戸を中心とした県央から霞ヶ浦の東と南が1区、日立を中心とした県北が2区で土浦から筑波、県西が3区と明確。それが忌まわしき小選挙区。非常に歪な茨城1区が生まれた

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水戸と県西の下館や筑波山の西の下妻など強いていへば旧常陸国ではあるが生活圏は全く違ふ。選挙となると立候補者は地盤も違ふ上に選挙活動ではかなりの移動が強いられる。この小選挙区になつたあとに市町村の合併相次ぎ小選挙区の区線を越へた市町村統合があつたが選挙区毎の有権者数の大幅な変動防ぐために選挙区はそのまゝで1区だけでも水戸市常陸大宮市笠間市下妻市が2つの選挙区に分断された。市は投票所の設置や人員配置で面倒なことになり、立候補者も水戸で選挙運動してゐても水戸の商圏、生活圏人口は50万人超だが(市内の内原地区を含め)半数が2区と4区の違ふ選挙区の有権者。何とも実生活の状況と関係のない選挙区となつた。日本中でも歪さではかなり突出した状況ではなからうか。この歪さが茨城県民の性格を歪ませてゐるのか、性格の歪みが選挙区をかうしたのか。

Uberは香港で自動車は何度か利用してゐたが外食はこの上なく便利なのでUber Eatsは利用したこともなかつた。何ヶ月前だつたか水府でもUber Eatsの背嚢を背負つて自転車に乗る青年を見かけ「あの背嚢が人気でネット上で売買されて普段使ひにされてゐるのは本当なんだ」と思つたら実はUber Eatsがこの地方都市でも始まつてゐた由。そのUber Eatsで3,500円だかのクーポンがアプリ上に出てきて放つてをいたが明日が期限とわかり慌てゝ寿司を注文してみた。

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水戸駅の駅ビルにある寿司屋からの出前で2,500円くらゐかしら、それがUber Eatsで届けてもらつて4割増か。アプリで届け人の動きが地図上でわかるのだが市内でもかなり遠くから出かけてきて(そこは配達区域外なので配達の帰りではない)水戸駅から陋宅まで届けてくれて、まだ早晩だつたからそれから夜の配達がいくつか続けば良いが大変な仕事。時間も正確で真面目さうな気持ちの良い青年だつたので多少チップはずみ労を労ふ。

*1:華氏100度と聞くと暑さうだが摂氏38度は夏に珍しくもなく、それが平年の気温になるのは非現実的とはいつてゐられない。