富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

香港の自由 (社説)「愛国」装う弾圧やめよ:朝日新聞

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香港で12月に予定されてゐる立法会選挙に民主党が参選するか何うか考え倦ねてゐるのだといふ。反政府派排除が前提の立法会で立候補望めばまず資格審査があり当選しても議員宣誓あり何らかの過去に遡るいひがかりつけいくらでも議員資格失効の判定手段あり。かりに議席を守つても圧倒的少数で何ら議決に影響もなく少しでも反政府的発言も許されず。今とりうる選択としたら民主党が変節して政府寄りの中道路線となり、それでは中共に逆らわず存在だけが維持される中国国内の中共と統一戦線を維持する「民主党派」の一つのやうになること。それなら、もう結党以来の民主党の存在意義も何もない。

(明報の1面下段)香港の選挙登記者数は昨年比僅か400人増で18歳から20歳の「首投族」(選挙権得て初めて投票する若年層)が22%と大幅減少で高齢者は増加。香港は選挙権を得る年齢になつて選挙人登記することで選挙で投票できるやうになる。選挙への関心低く登記率は成人の1/3程度といはれてきたが昨今の政治関心高まりで選挙登記者数上昇で殊に首投族の若年層の登記が目立つてゐたのだが香港政府による理想的な選挙制度改革によつて「投票しても票をドブに捨てるだけ」のやうな状況。高齢者の登記増は政治的関心の高まりがあらうはずもなく民建聯とかの議員の唆かしで「ぜひ投票を」に煽てられたか「こゝにサインして」だらう。なにせ選挙となると老人院からマイクロバスで投票所に連行されるのだから。

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国安法施行でもう十分な気がするのだが、それでもまだ基本法23条での治安条例制定が必要ださう。保安局長曰く国安法では罪状にできない犯行を23条立法で補完するのだといふ。具体的には間諜罪や政府機密漏洩。政府の小役人のお粗末な失態をリークすることも間接的に反政府運動への加担ならアウト。或る組織が抗議活動のヘルメットを提供してもダメ←これを保安局長が例に挙げたとき、武闘派が装着してゐたヘルメットは香港警察のものより高機能で、それを提供できる組織を「国家レベル」と形容。「香港民主化運動は米国の後ろ盾ありき」と市役所の保安局長レベルでよくも言及と思ふが考へてみたら、この保安局長自身、米国政府のブラックリストに名前があつた*1のでした。23条立法してアトは社団条例改正をすれば政府に好ましくない団体は組織されただけで法律違反で潰すことができるわけで平和で安定した香港社会の完成も目前なのである。

(社説)香港の自由 「愛国」装う弾圧やめよ:朝日新聞

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▼この週末、清水義範の作品を続けざまに読んでゐた。『国語入試問題必勝法』は表題作は読んでゐたが「猿蟹合戦とは何か」など未読の短編をいくつか。「猿蟹合戦とは」は丸谷才一風の文学論なのだが丸谷先生自身が清水の一連のパスティーシュ作品を喜んでも自分を扱はれた内容には感心してゐなかつたさうで確かに丸谷先生なら「自分ならもつと面白い『猿蟹合戦とは何か』を書ける」くらゐの自負だつたのだらう。講談社文庫『大人のための文章教室』は真面目に書いてゐて面白くないし文章読本など読んで文章が上手くなるはずもない(本多勝一日本語の作文技術』だけは読んでおくと良い)。『夫婦で行く東南アジアの国々』(集英社文庫)もツアーで行つた先の訪問先の細々とした説明ばかりで飽きる。何うせなら紀貫之芭蕉金子光晴とか沢木耕太郎山下洋輔でやつてほしいくらゐ。

*1:林郑市長もさうだが米国に入境したら身柄拘束され米国内の資産は凍結、米国系のクレジットカードも使えない。