富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

マンボウ

茨城県が今月6日から19日を期限とする県独自の緊急事態宣言を一昨日発出して、また国に対して緊急事態宣言の対象地域にするよう要請、国は茨城県を含め今月8日から31日までを蔓延防止等重点措置対象地域に指定。何だか宣言を出すことが最大の結論になつて、その詔が発出に疫病退散の願をかけるやうな、そんな感じ。護摩焚きだとか空襲の時に空爆回避で神社で太鼓を打ち鳴らしたとか、それに近いやう。だが護摩焚きは霊験あらたかを信じる人が何らかの「勇気をもらふ」ことで何かしらプラスの作用もあるのだらうが緊急事態宣言で勇気をもらひ友人らの飲食は困る。いずれにせよ何か宣言が発出されたところで事態が改善するとは思へない。県独自の宣言と蔓延防止重点との違ひは飲食店で酒類提供の可否くらゐしかよくわからない(後者は不可)。

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猛暑のなか鷹匠町の眼科へ。ワクチン接種1回目(6月29日)のあとのことだつたが右目に霰粒腫(ものもらひ)があり、この眼科での治療と薬でかなり快方にむかひ治癒もそろ/\だつたところワクチン接種2回目(7月27日)のあと霰粒腫はまた化膿がひどくなり再診に。抗生物質での効果なし。で本日は再々診で霰粒腫のしこり(脂肪のかたまり)を切開することに。点眼と注射の麻酔をしたが麻酔が全く効かず、かなりの痛みをこらえての切開となり先生もあと少しきれいに除去したいのだが、と。これがワクチンの副作用と安易に騒がないが抗生物質も麻酔も正常に効かないのはおかしな話で気になるところ。 


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この日立のかみね動物園の夏恒例の夜のかみね動物園(2年ぶり)。アタシにとつてはこの夏の唯一の行楽のやうなもので来る13日(金)の夜を予約してゐたのに、これも休園に。 

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短歌研究2021年8月号を読む。

短歌研究2021年8月号

この号は水原紫苑さんの責任編集で「女性が作る短歌研究」。畏友村上湛君が紫苑さん、馬場あき子先生と「歌と芸」と題して鼎談が面白い。芸道としての短歌。湛君が「偉大なる素人性」つまり「好きな気持ちさえあればそれで良い」。これが短歌の芸とどうつながるのか。釈迢空は「鳥船」同人の門下生をその心で指導したというではありませんか。つまり「好きでたまらない心=数寄心」を尊んだ。必ずしも巧い必要などない、と。そうした素人性、数寄心という点について……と湛君がお二人に振つたあたりから鼎談が俄然面白くなる。そしてジェンダーとしての女性の、の話が最後、平成での貧困でジェンダーの問題を超えた深刻な社会構造の問題で終はるところがじつに印象的。普段、短歌雑誌なんて読んだこともなかつたが、このジェンダーの号で読んで面白かつた。性的思考、性的自認なら自己の内面の事柄として理解できるが社会的–性のジェンダーは社会といふ下界が個人に分担を強ひる性別で下界が被せてくるジェンダーと自分が望むジェンダーには常にズレがあるのでLGBTといふ呼称を厭ふ、と黒瀬珂瀾樋口一葉の「私」から晶子、石牟礼道子へ(田中優子)。前衛短歌批判と大学闘争(吉川宏志)。

ヒャダイン「厳しいことばかりの世の中、五輪は鎮痛剤」朝日新聞

政府のコロナ対策も五輪の運営も、感情を逆なですることばかりで、ことごとく失敗してきた。一方で、感情があるから、多くの人は選手の姿に心を動かされ、いまは気持ちがないでいるのでしょう。
でも、いまのこの状況は強めの鎮痛剤を飲んでいるようなものです。しかも、飲むたびに効きが悪くなるタイプの。五輪が終われば、もう楽しいニュースが増えることはしばらくないでしょう。
感染者数は増え、ワクチンは行き渡らない。政府は相変わらず矛盾ばかり。行動制限はさらに強まるかもしれない。ニュースキャスターのしんどい表情ばかり見ることになる。
いまは「開催されてよかったな」と思っている人も、そのうち「なんで五輪なんか開催したんだ」と声をあげ始める、「手のひら返し」が再び起きるかもしれません。それも仕方ないことです。
一方で、今大会は選手に対するヘイト発言が過去に例を見ないほど多いことも気になります。決して許されないことです。背景も様々でしょうが、コロナ禍で積もり積もった嫌悪の感情がブーストされている部分もあると思います。
五輪が終わって「鎮痛剤」が切れ、感染状況が厳しくなれば、より攻撃性の強い、とげとげしいコメントがSNSにあふれるでしょう。関わらずに傍観しているだけでも、自分の中のコアの部分は細かい傷でいっぱいになります。
だから、いまは閉会式まで夢中になって五輪を楽しみ、選手たちのポジティブな姿勢から明るい気持ちになる。その後はピタッと情報をシャットアウトするのはいかがでしょうか。SNSもテレビなどのマスメディアからも距離を置く。厳しいことばかりの世の中で心の健康を守るため、それをおすすめします。

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