東京五輪で日本選手がこれだけ期待以上の活躍すると「東京オリンピック中止してたら」が「中止しなくて良かった」になるのだらう。だが感染者数もうなぎ上り。東京都で新たに過去最多3000人超感染 では「政府が電通に感染者数の中抜きを依頼」もおかしくない。
昭和以来初？で青春18きっぷ購入。この切符の価格、本当に十代のときにまだ夜行の普通列車もあつて使ひ勝手がよく10,000円で５日間だつたが、それが昭和61年に11,000円に値上げされて以来、消費税増税で税込み価格が上がつただけで本体価格は当時のまゝといふのがすごい。今では2,410円/日なんて70㎞先の往復で水戸から仙台の片道が4,510円だと思ふと青春18きっぷはかなりお得。
昭和以来初？でお昼に上野の翁庵でねぎせいろそば。もうこれは美味しいとか美味しくないぢゃなくて翁庵のねぎせいろなのだらう。
東京駅八重洲地下街にあつた台湾から日本のワクチン提供に対する「ありがとう」の円柱ポスターが目をひく。「今までも、これからも台湾と一緒に」で、これを見た中国が怒る。だが中共は中共が怒れば怒るほど他の反発が高まるわけで全く解決策もない。自豪とはさういふものか。丸ビル地階のSHIROに寄る。かうしたコスメのお店だと男性客が入ると以前なら凡そ女性へのプレゼントの来店とされたものだが今ではフツーに「男性の方でもこのあたりとか人気ですね」となる。
千駄ヶ谷。国立競技場周辺は、って東京体育館のところから厳重な警備。ネズミ一匹近寄れず。こんな場所にのこのこ出かけていつたのは近くの同じ国立でも国立能楽堂に参つたからで東京2020オリンピック・パラリンピック能楽祭なるものが昨日から開催されてゐて、今日はその２日目。
東京五輪に合はせてなら東京五輪に集まつたガイジンたちに見てゐただくべきもので先の昭和39年の東京五輪では歌舞伎座で通常の公演のあと21：40からの開催であつた。
「文化」の五輪 東京からTOKYOへ（２）- 芸術も種目 歌舞伎がKABUKIになった夜（坂田藤十郎） - 産経新聞
それが今回は海外からの来航が規制され関係者ばかりで開催期間中で日がな能参観なんてノーである。客席はいつものやうに狂言好きの年配客と稀に奇特なお若い方。これならオリパラ能と冠つても冠らなくとも同じ。そもそもオリパラに合はせ何故の能狂言公演なのか。これについては畏友・村上湛君が『能楽タイムズ』６月号に厳しい指摘をされてゐる。
悪疫猖獗もものかはと言わんばかり、国際オリンピック委員会の無道横暴である。五輪には「芸術展示」を伴う例だから「国家指定藝能」たる能・狂言が協力する理屈は理解できるが、お祭りはただ囃すばかりが能ならず。舞台人・表現者としてNOの声が挙がらないのは情けない。
古人の気骨「反核の能」など、いま実行したらどれほど見当違いの罵詈雑言を浴びることか……と。
狂言は山本東次郎（シテ）で〈武悪〉は山本家で則重と凛太郎がアドだが主人と太郎冠者に対してトリックスターとしての武悪が、この配役では立派すぎるかも。〈屋島〉は謡曲のテクストをあらかじめ読んでゐたが、あの曲がどう長尺になるのかと思へば屋島の浦人役のアイ（野村万蔵）が奈須与市の段を物語る……本当に能はまだまだ素人で。この万蔵の浦人は熱演ではあるが「実は義経の霊」とはちと違ふ感あり。観世清和（シテ）も拝顔（といつても面をつけてゐるが）は初めてなくらゐ。この声音の念の籠りやう。能はほんとうにまだ素人なのだが囃子方にとても関心が向いたのは昨年の秋の銕仙会からで、この会の囃子方がじつに充実してゐるからかも。今日もその銕仙会からの亀井忠雄（太鼓）と大倉源次郎（小鼓）。つい気がつくと舞台で亀井師をずつと見てゐたりする（細かいことはいはないが舞ひに集中できないときなのだが）。
東都での出歩きは最小限に済ますべく国電で新橋に向かひ銀座８の渡邊版画に一つ所用済ませて帰るつもりが京浜東北線の鶯谷駅での稀ではない身投げで京浜東北線ばかりか山手線まで不通。秋葉原から日比谷線で迂回して銀座。渡邊版画で用事済ますと銀座７に小股の切れ上がつた和装のバーのマダムがご出勤で緊急事態宣言かと疑ふ。青春18きっぷあるので地下鉄に乗りたくないが山手線もまだ不通で丸の内線で東京。東京中央郵便局で渡邊版画の来年版の巴水カレンダーを澳門のＨ夫妻に送る。早晩の中央郵便局は40人の客が待ちで開いてゐるカウンターは３つのみ。郵便局隣のビルの地下にある「トナリ」でタンメン啜り常磐線でチューハイ飲みながら帰宅。
