昨日深夜のうちに今日の蘋果日報は街頭に運ばれ最後の蘋果日報を求める市民が新聞スタンドに向かひ長蛇の列で蘋果日報を入手してゐた。
深夜0時には蘋果日報のデジタル版、HP、顔本に呟板からYoutubeまで全ての壹媒体のコンテンツが消えてしまひ、もはや更新されないどころか過去の膨大なリソースを見ることも能はず。こゝまで極端に蘋果日報が非存在になるとは。
26年前に蘋果日報を創刊した黎智英はこんな未来を想像してゐたかしら。昨年の7月1日に国安法が施行された当日、香港では蘋果日報を除く全ての新聞、それには中共色から距離を置いてゐたクオリティペーパーの明報や高級経済紙・信報も含まれるのだが、すべての1面トップに国安法成立祝賀の提灯広告が掲載されてゐた。全体主義。蘋果日報だけが悪法批判的な記事で抵抗してゐた。もうこんなこともありえない安定が始まる。
蘋果日報を宿敵としてきた大公報は蘋果日報停刊は4面といふ余裕。それ以外の新聞は日本のも含め1面トップに蘋果日報停刊を報じてゐる。香港から中共に批判的な論調が抹消されるのだから。
大公報だけは余裕で香港を訪問してゐる中国の宇宙科学技術の専門団のことを1面から両面見開きの表裏まで使つて報じてゐる。宇宙といふ未来に向けて香港の若者も中国として人類の大いなる科学発展に寄与していくませう、と。それより中国といふ巨大な国家の行く末の方がずつと心配なのだが。