富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

東京五輪まであと30日


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大公報は内地の宇宙航空学の専門家らが来港で香港の若者たちに中国の宇宙開発技術の高揚を説く。つまらない香港民主化などに関心を抱かず未来に希望を持て、か。停刊にカウントダウンの蘋果日報は本土派の区議会議員で香港警察に身柄拘束されてゐた鄒家成の釈放を伝へる。

香港行政長官「蘋果日報」取り締まり批判に反論:AFP

林鄭は躍起になつて蘋果日報取締りは言論・報道の自由への介入ではなく国家転覆といふ違法行為を企図したメディアへの制裁であることを強調。蘋果日報社主のジミー黎智英は米国からの資金援助を受け香港で反政府民主化運動を扇動してゐたとされてゐたが国安法以降いつの間にか罪は香港での言論での国家転覆扇動に置き換へられてしまつた。

警國安處再拘蘋果高層《蘋果》主筆李平被捕 | 立場新聞

今日は香港警察が蘋果日報主筆・李平先生を身柄拘束。親会社は25日(金)の取締役会で存続可否(事実上の停刊)決定としてゐたが本日、前倒しで明日の朝刊編集作業をもつて編集部も仕事を終へるらしくネット版も日を跨がず運行停止と午後9時にメールが届く。

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昨年の7月1日に国安法生効祝賀の広告が香港の新聞1面に広告載せるなか蘋果日報だけが国安法反対の記事を1面トップにして香港で唯一、中共に忖度せぬ姿勢を見せつけてゐた。あれから1年となる7月1日を前に停刊。

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蘋果日報のオンラインでこれまでのさまざまな記事を特集で出してゐる。その一つに蘋果日報で充実してゐた香港競馬面で(競馬面といふより独立した競馬新聞だつたが)往年のバジル=マーカス騎手の特集映像あり。

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この90年代から活躍した南アフリカ出身の騎手の優しい笑顔。柔らかな語り口。あの当時の香港競馬の楽しさ。毎週水曜晩のハッピーバレーの夜競馬の賑はひ。香港の一番良い時代だつたかと思ふと馬佳善騎手の思ひ出で不覚にも思はず涙腺が緩む。今晩で蘋果日報のオンラインは運用停止で、つまり更新はしないがこれまでの記事は読めるものとタカをくくつてゐたら24時で本当に蘋果日報サイトがフェイスブックまで含め全て見られなくなつてしまつた!……台湾の蘋果日報サイトは辛うじて残つてゐるが香港のバックアップは今ところ台湾でされてゐない。

蘋果日報停刊となり香港で「まともな新聞」としての明報の役割はこれまで以上に重視されるが明報で1995年以来(つまり偶然、蘋果日報と同じ年月となるのだが)政治評論を続けてきた蔡子強先生も明報の連載評論(観点)の休筆の由。国安法で穏健派まで不自由になるなか香港でもはや政治評論をやることは危険といふ判断。中共にしてみれば国家安全で言論など制限があつても上海の経済発展を見れば香港だつて経済繁栄が続けば何も問題もないこと、否、むしろ社会の安定こそ経済繁栄の基礎といふ正当性がもてるのだらう。実際に香港の株価も地価も好調。どこまでそれを買ひ支へできるか、なのだが。

▼一昨日(夏至の日だつた)市役所から郵便でワクチン接種の案内が届く。何だか赤紙が来たやう。個人的には今もつて新型コロナに対して週刊SPA!に連載される小林よしのりの指摘に共感するところ大であるくらゐ、このヰルスについて訝しく思ふところ多く、まるで最初から予定されてゐたやうなワクチン接種の必要性にできればワクチンなんて接種したくないと思ふのだが感染しただけでも世間さまに多大なご迷惑をおかけする社会で「ワクチン接種もせずに感染した」となるとコトは重大で世間さまに対して顔向けもできない。さういふ社会にオルテガ的恐怖を感じ入る。

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 「予約は、2回する必要があります」とは紛らはしい表現。「2度目のワクチン接種も(初回のワクチン摂取後に)予約が必要です」だろ。でオンラインで株式会社サイシードの提供するシステム(https://vaccines.sciseed.jp)でワクチン接種予約をしてみたらアタシのかゝりつけ医である代々木系病院も含めどこの指定医も近所の耳鼻科まで爆満のなか県庁と市の大型接種会場には空きがあるやうでピンスポットで来週の1日だけが空いてゐる。それでも早い時間から次々と予定数に達してゐるやうで慌てゝ夜の席を押さえる。何でも大型摂取会場は不人気で空きが出てしまふのでアタシのやうな若年層も前倒しで対象ださう。しかもモデルナ社謹製のださうで今日も「ファイザー社のワクチン摂取ができるところをじっくり探す」といふ御仁がゐた。我々はワクチンどころか、この新型コロナのことも何も理解してゐないといふのに。


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立花隆さん死去 知の巨人「田中角栄研究」80歳:朝日新聞

父親の橘経雄が戦前、長崎のミッション系の女子高校で国語を教へてゐたので立花隆は長崎生まれだが父母の故郷が水戸で戦後、父親が教師をしてゐた北京から引き上げ水戸に戻り立花隆茨城大学附属小中から水戸一高に進み家族の千葉転居で水戸を離れてゐる(立花隆は都立上野高校へ転学)。右翼思想家の橘孝三郎である橘経雄は戦後創刊された全国出版新聞の編集長で、これが後の週刊読書人となり85歳まで経営に携はる。当時の戦後の茨大附属は立花隆の先輩に「間違いだらけのクルマ選び」の徳大寺有恒や俳優の梅宮辰夫がゐて後輩には佐川一信・元水戸市長や池辺晋一郎がゐた。

田中角栄ですら立花隆のあの取材内容で首相辞任した時代の健全さよ。リクルートとて同様。それが今じゃ森友なんて屁の河童で晋三も麻生ものさばれるとは。

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荻上チキのTBSラヂオ・セッションに昨日と本日、赤木さんの奥さんが出演して何とも明晰にこの問題を分析して語つてをられた。佐川理財局長からの直接の指示が時系列で意外と遅いこと。いつたい誰がこれを主導してゐたのか。この森友問題が発覚した当初は少なくとも赤木さんも野党の追及に財務省として何をどこまで何う回答するか、開示するかに懸命だつたやう。それが公文書書き換へといふ不誠実で彼の理性がそれを受け入れることはできなかつた。

一読して呆れるばかりの大馬鹿者。カワブチの色紙の「選」は草書体といへばさうだが全体の悪筆からすると、この字だけ崩さずきちんと楷書すべき。

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