大公報が一面と最終面見開きで中国「雑交水稲の父」袁隆平逝去と大々的に報じる。寡聞にして知らずだつたが中国で「雑交」つまりハイブリッドの稲作の研究で成果を上げ中国の米生産の発展に大きく寄与したのだといふ。
日経にも記事あり。10数億の人口有する中国にあつて「人民を飢えさせない」食糧増産は最重要課題。これが鄧小平路線では「豊かになる」となり「経済的に反映するのだから」で中共の強権的指導が肯定されるわけだが江沢民→胡錦涛で、その豊かさが常態化して習近平では強国の強権が確固たるものに。この中国の「水稲之父」逝去で「飢えないこと」の意義の再教育といふところか。
香港といふと夏は猛暑と思はれる。実際に日較差が小さく夜も熱帯夜で一日ぼんやりと暑いのだが沿海だからか中国内地の武漢とか重慶とか三大火炉と呼ばれるやうな酷暑もなく最高気温も摂氏三十数度が普通だつた。それがついに今年は５月の最高気温が観測史上最高で今日は摂氏36.1度を記録。蘋果日報は冷房もない刑務所で民主派市民が多数拘束され命にかゝはると待遇改善、保釈求める署名が９萬集まつた、と。入獄経験のある陳健民氏は猛暑で呼吸困難のリスクを語る。陳健民といふと日本では四川料理で料理の鉄人だが香港では民主化運動で穏健派の思想的リーダーの一人だつたが逆権運動のなかで普選実施しない場合の「占中」抗議など運動に盛り込んだことで「過激派」のレッテル貼られる。東方日報は香港が国際都市といふわりには市中の市場など劣悪環境を嘆く。あれはあれで良いと思ふのだが。市場や野菜や肉扱ふ個人商店が淘汰された後の都市ほどつまらないものはない。
最近、自家用車があるので出かけるのは便利だが出先で酒が飲めない。蟒蛇ではないのでいつも酒、酒とは思はないし緊急事態宣言で「酒類提供中止」でも良いのだが蕎麦やだけは酒で気の利いた下物があつて、それで心もちも落ち着いてさっと蕎麦を啜るのが良い。家人と蕎麦やで一杯がやりたいからと散歩して谷中の保和苑で紫陽花はさすがに未だ開花せぬのを確かめ「みかわ」で一盞。「みかわ」は水府市街の北側の崖下にある。「崖下」といふと見下した感じだが正確には那珂川の広い河岸段丘で、その南側が、この崖で「みかわ」はその手前にある。この崖は良質の湧き水があちこちにあつて最も古来から有名なのは曝井（さらしい）で『常陸風土記』にも記載あり。
郡より東北のかた、粟河を挟みて駅家を置く。其より南にあたりて、泉、坂の中に出づ。多に流れて尤清く、曝井と請ふ。泉に縁りて居める村落の婦女、夏の月に会集ひて、布を浣ひ、曝し乾せり。
三栗（みつくり）の中に向へる曝井の絶えず通はむ彼所（そこ）に妻もが 『万葉集』
殊に祇園寺から水戸八幡宮にかけての崖下は今でも湧き水が豊富で涼風も心地よくアタシでも心洗はれ清らかな気持ちになる。どちらの好事家の方の造作か湧き水の溜まりを整備して谷間に鹿威しを置いてみせた。この音が谷に響き聞いてゐても飽きない。
帰宅したら、もうオークスまですぐ。何といつても白馬のソダシ（梵語で「純粋、輝き」の意）がデビューから連勝で桜花賞もとり今日のオークスで牝馬戦二冠に期待がかゝる。
オークスに梅雨のあとさきそだしかな
2400ｍの距離がソダシには長すぎないか。昨年のデアリングタクトはその疑問を払拭したがデアリングタクトのやうな馬が毎年ゐたらそれはそれで面白くない。ソダシは外す……でどの馬が勝者に？２番人気がアカイトリノムスメ、３番人気にユーバーレーベンで、この２頭にクールキャット（武豊）を入れて三連複である。
ソダシは末脚を全く活かせずデムーロ騎乗のユーバーレーベンが優勝。
オークスに梅雨のあとさきそだしかな白雲隠すユーハーレーベン
２着にアカイトリが入つたが３着に16番人気のハギノピリナなる馬が。当然ノーマークだつたがさすが16番人気だけあつて複勝が2,820円、ワイドで25千円、三連複109千円に3連単532千円とオークスで過去最高の配当に。
