富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

人新世の「資本論」


f:id:fookpaktsuen:20210225074358j:image

f:id:fookpaktsuen:20210225074354j:image

香港市役所は夏をメドに市民1人あたりHK$5,000を5回に分け「派糖」の由。今回は現金でhなく電子マネーで消費は香港内に限られ公共交通機関の運賃等は適用外。実名登記でゼニながら色がついてゐる。

f:id:fookpaktsuen:20210225212458j:image

スガが大臣務め影響力のある総務省でスガの倅が東北新社総務省幹部接待。東北新社がスガのダメ息子取り込んだ目的は明らかだが、こんな事態に電通は何をしてゐるのだらうか。

斉藤幸平『人新世の「資本論」』集英社新書 読了。話題の本で「ピケティを超えた」とか21世紀の資本論だとかいはれるが一読したかぎりでは、それほど六ッかしいこと書かれてゐるわけでなく平易。マルクス資本論など読んでゐなくても大丈夫。

産業革命以降の資本主義社会が人類を絶対的不幸をもたらすばかりか地球破壊するだけのエネルギーをもつほどになつてしまひ我々は「脱成長」の経済社会を創造しなければいえないといふもの。後期のマルクスはすでにそこまで思想的発展してゐたといふこと。

f:id:fookpaktsuen:20210225212436j:image

ところで「人新世」といふ言葉が耳に馴染みがない。「ひとしんせい」は英語の Anthropocene の和訳語ださうで「人類が地球の地質や生態系に重大な影響を与える発端を起点として」提案された「想定上の地質時代」のことださう。-cene は地質年代で「世」の接尾語で Anthoropo- がついてゐるので「人の」だが「人新世」といふ言葉は何だか坐りが悪くないか。中国では素直に「人類世」と読んでゐる。するとこの書名は「人類の時代の資本論」って元々、マルクス資本論ぢたい人類の知の思想であり人類以前にそんなものないのだから何だか意味がわからないが、要するに人類の経済成長と産業化が地球を破壊するほどの大きな力をもつてしまつた現代のこの時代を人間がまだ自然と共存してゐた時代に対して「人新世」と理解すれば良いだらう。だが、やはり「E電」くらい「定着しさうにない」新語だ、きっと。

人新世の「資本論」 (集英社新書)