富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

筑波あり東歌あり春の月


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公共放送・香港電台(RTHK)への施圧どころか徹底した組織と運営の「健全化」。RTHKは英国のBBCに倣ひ政府の公費負担ながら政府権力から独立したスタンスにあり主張は自由であつた。それが中共には気に食はない。董建華がまずRTHKや香港大学の自由闊達なリベラリズムを厭ひ圧力かけ始めたが、それでも昨年の国安法施行まではRTHKなど過剰とも思へるほどの毒舌で政府罵倒してゐたのだが政府に批判的だつた番組は全て打ち切りで反政府的な職員は更迭といふ脱胎换骨。

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香港人口減少過去最大 コロナ禍・国安法響く:朝日新聞

香港の昨年末時点の人口が前年より0.6%少ない747万人となり1961年に統計を取り始めてから最大の落ち込みとなった。コロナ禍による流入の減少に加え香港国家安全維持法国安法)の施行で外国への移民が増えたことなどが背景にありそうだ。18日発表の政府統計(速報値)によると昨年末の人口は前年から46.5千人減少した。人口が減ったのはアジア経済危機後の景気悪化が続いていた2002年に続き2度目。

0.6%とはいへ人口増が常態の香港にあつては、この減少は驚かされる。しかも住民票といふものがないので昨年4月から来日したまゝのアタシや秋に香港離れた家人はこの減少に含まれてゐないはず。アタシが知るだけでも顔本を見てゐるだけでもかなりの数の知己が香港離れ旅居のまゝで実際の香港の人口減少はもつと大きいと思はれる。

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朝晩は水府でも零度か氷点下まで寒くなるが昼はもうけっこうな陽気。お軸や壁の絵画、短冊なども冬のものだつたので春に。本来は立春でこれをやつてをかなければいけない。銭紹武先生書の孟浩然「春暁」のお軸、額は笠原紫浪の東京八景で上野東照宮の桜、短冊の句は高浪といふ俳号は祖父の俳句仲間か「筑波あり東歌あり春の月」。和室の床の間が引っ越し以来、物置になつてゐたのでかなり整理。それでもまだいくつか物を置きすぎ。だがエルメスのタイプライターは違和感がないのがおかしい。


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Tさんが煮た小豆を母経由で分けてもらつた。あまり甘からず上手な煮方で小豆の風味もじつに良い。和室の片付けを終へお昼に餅を茹で善哉でいたゞく。春の陽気で午後、ヤフオクへの放出品を発送するのにコンビニに出かけ南町1の木村屋本店で購入の生菓子「香梅」。家人に「さういへば<水戸の梅>はお人に送るばかりで何十年も食べてゐない」といはれアタシもさうだつた。さすが木村屋のものは上品な甘さで美味。アタシの好きだつた老舗・井亦(いづまた)のものにとても近い。

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今日の朝日新聞夕刊より。やっぱり戦後の日本建築の最優秀賞かしら。幼いころ父親がNHK放送センターに連れてつてくれて「ひょっこりひょうたん島」とかの展示も楽しかったが放送センターから出て、この体育館を仰いだときはオシッコちびりさうなくらゐ感動したっけ。色あせぬ曲線美:朝日新聞

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(惜別)小松政夫さん コメディアン:朝日新聞

すべてのギャグにモデルが実在し「あんたはエライ!」もそうだった。戦後30年近く南国の密林に潜伏した元日本兵にやっと再会した老母が空港で放った第一声だ。徹底した人間観察眼が時空を超えて語り継がれる笑いを生んだ。昭和のちびっ子たちが茶の間のこたつの上で跳びはね親に怒られたのは、この人のせいだった。「喜劇とは髪を振り乱し大汗かいて最後にホロッと泣かせるもの」。口癖の通りに日本中を沸かせ涙を誘って旅立った。

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