富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

談志『現代落語論』三一書房(昭和40)


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もはや法治などない香港では英国籍の司法大官が追はれ高裁で保釈認可となつたジミー黎智英は最終裁で保釈不可に。司法が権力忖度するのだから法治などない。


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毎日のやうに立ち寄る陋宅ご近所の市立図書館で書架にあつた小玉武洋酒天国とその時代』をぱらりと頁捲つたら酩酊についての一文あり「また健某ったら」と思つたら、これが『死霊』の埴谷雄高なのには驚いた。晩年の埴谷先生が吉祥寺の自宅から着流しで出てきて散歩しながら声高に語る姿にも驚いたが、こんな洒脱な随筆を『洋酒天国』に書いてゐたとは。

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白菜は黒豆のあと口直し

談志師匠の落語は苦手だが三一書房の『現代落語論 』は10年に一度くらゐ読み直してみたくなる。破天荒なやうで真面目な人である。本当に噺家に向いてゐたのか?と思ふ。中学からどっぷりと落語にハマり寄席通ひで高校中退して小さんの弟子に。朝太(志ん朝)に真打出世抜かれたのは何とも辛かつた小ゑん(談志)だが当時(昭和38年頃)二つ目でもう独演会はまず〈三人旅〉を小1時間たつぷりとやつて洋服に着替へ漫談。中入り後は半時間ほど雑談で客をいぢりそのあと本題噺だといふ。これは聞いただけで食指が動く。漫談では森繁への賛美。あんな落語が下手な三平の化け具合に舌を巻く小心さ。何だかんだいつて落語について意見が合ふのはやはりライバルの志ん朝だつた。

現代落語論 (三一新書 507)