富柏村香港日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴る日剩でござゐます

播磨屋の七段目


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九龍佐敦で実行された強制封鎖に大公報は春節前に全市民対象の検疫をと叫ぶ。封鎖地区の拡大企図もあるやなしや。


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東京都が出勤削減とテレワーク導入求めてもニュー新橋ビルは世の中忙しくてもヒマでも関係ないテレワークやリモートなんてハイテクからは縁遠さうなオジサンたちが徘徊で結構な密。烏森神社参詣。寒いときは虎ノ門の砂場で温かい蛤蕎麦だねぇと久が原T君と先日呟いてゐたら大阪屋砂場は虎ノ門の再開発で木造の立派な建物こそ残るが道路拡張で曳家実行ださう。それで仮店舗が内幸町から虎ノ門の手前に。浅利を肴に昼酒と蛤蕎麦。


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とてもよい陽気で内幸町から日比谷を歩く。日比谷花壇を眺めT君と思ひ起こすのは我童さん。帝国ホテル抜けて御幸通から線路潜つて銀座へ。昼下がりの喫茶ウエストがかなり空いてゐるとはご時世。かつては路面にあつた東哉が寿司九兵衛の隣のビルに入つてゐた。


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四丁目の交差点の横断歩道、和光の前の地面に白色の花束がいくつも据ゑられ何か交通事故で犠牲者でも?と思つたらこちら。

銀座で托鉢 震災犠牲者を弔い続けた僧侶 新型コロナで突然の死<あの日から・東日本大震災10年>東京新聞

確かに何度もお見掛けした托鉢のお坊さま。合掌。


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歌舞伎座。第二部 <夕霧名残の正月>は藤十郎追悼で鴈治郎(伊左衛門)と扇雀(夕霧)。緊急事態宣言で播磨屋休演もあつたからか余計に客入りは芳しからず。忠臣蔵の七段目は十七日から休演の播磨屋がめでたくも本日より復帰。遊女おかるに雀右衛門。橘三郎(九太夫)と梅玉(平右衛門)。大星役の播磨屋は病ひ明けで手術もしてをり、さすがにセリフに力も入らないが播磨屋の「やはり舞台は良いなぁ」といふ表情の尊顔かうして拝めるだけでも幸ひ。葵太夫さんの義太夫がそれをカバーするやうにハリがある。おかる役で京屋の声のまぁ大きいこと。おかるの置かれた境遇、勘平の死への悲しみを思へば一寸違ふ気がしないでもなし。播磨屋休演の間、代役で大星勤めた梅玉さん本役の平右衛門で溌剌。播磨屋の平右衛門はニンで、それが懐かしい。もう播磨屋の平右衛門は無いであらう、記憶の彼方に。久ヶ原T君に聞いてはゐたが今日の演目での七段目は大星の二度目の出、釣灯籠からで、それにしても幕開けでいきなり晩内と九太夫が大星の錆刀に「さて錆たりな赤鰯、ハハハハハ…」と揶揄いふやゆからで勧進帳の筋なんてしつかり覚へてゐたつもりが、ふと慌てゝ六段目からの流れを脳内で復習。この段はやはり由良之助の茶屋での遊蕩から蛸の場、力弥が密書届けてくれないとノリが悪い。

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芝居なんてフィクションで見てゐればよいのにアタシの悪いところは芝居の展開にリアリズムを考へてしまふところで七段目は殊に「おかる」があの高さから手鏡で何うやつて由良之助への御前からの文を読んで見せるのか。読めるはずもないだろ、で芝居の世界から乖離してしまふ自分が厭らしい。だが、あのおかるの手鏡を使つた所作も先代の京屋だと本当に手紙が見えてしまふくらゐにエビぞつてみせたのが懐かしい。もう四半世紀前?の冬に歌舞伎座で昼夜通しで忠臣蔵があつた。塩冶が梅幸で師直が羽左衛門だつたのだから。


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夕方の銀座を有楽町まで歩き国電で東京駅。電車の時間まではせがわ酒店で酒を一盞。時節柄空いてゐるが少しの酒の注文もQRコードで須磨帆からで店員との接触も限りなくゼロに。別に店員に酔つて話かけるやうな野暮なことはしないアタシだが無機的であんまり。帰宅して今日、久ヶ原T君からいたゞいた伴手禮を開けてみれば京都は柳櫻圓のお抹茶で紙のお包みの叮嚀だけでもため息をつくほどありがたい。京都は寺町通で御池から御所まで北にゆつくりと古書肆や道具屋など覗きながら歩いてみたいところ。