富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦十月初五


f:id:fookpaktsuen:20201119071539j:image

f:id:fookpaktsuen:20201119071535j:image

売春宿での感染を憂ふ大公報。蘋果日報は昨年度、立法会に〈国歌条例〉審議に抗議で民主派議員が妨害したことで、それぢたいは傷害でもないかぎり立法会の内規でしか処分できないのだが立法会議長が精神的不安を受けたといふ「被害」名目に抗議行動に出てゐた3名の議員につき警察が身柄拘束(事後、釈放)。
f:id:fookpaktsuen:20201120073601j:image

経済活動の平常化で当然感染は拡大で過去最高だが緊急事態宣言はなされない。東京都知事は「5つの小(こ)」とか曖昧な対応でお茶を濁す。本日は小春日和といふには茹だるがごとく気温は摂氏25度に上がる。 11月中旬でこの気温は16年ぶりだとか。こゝ数日の暖かさで秋の虫がまた賑やか。九十九里浜では蛤が大量に打ち上げられたといふ。

f:id:fookpaktsuen:20201120133633j:image

香港から届いた家財道具の片付けがまだ続く。グラスを一箇所にまとめてみると、まるでバーでも開業かと見間違ふほど(言ひ訳だがまだ洗つてゐない)。本当は三宅坂播磨屋の〈俊寛〉と松嶋屋の〈毛谷村〉を見たいのだが。村上湛君も今日の朝日夕刊の劇評で「孤高の芸境にある吉右衛門が近代歌舞伎の極北を示す」「花も味もある仁左衛門の六助が豊麗な名演」と褒める。せめてこれを読んで見たつもりに。

文藝春秋12月号で石原慎太郎の「三島由紀夫の『滑稽な肉体信仰』」を読む。もう少し深く三島の思想性に立ち入つたものかとも期待したが三島の運動神経がいかに鈍く見た目だけのものだつたかとか、それもあつて三島がどれだけおかしくなつていつたか、三島につき康成が何う言つてゐたか佐藤A作が鎌倉の別荘で自分を相手に何を語つたか、といふ話。同じ号で平野啓一郎が「『豊饒の海』とミドルエイジクライシス」といふ文章を載せてゐたが雑誌新潮にも平野の三島論が連載始まつてゐて『豊饒の海』について同じやうな話。パラパラとめくつただけの本号だつたが佐藤優の「権力論―日本学術会議問題の本質」が面白かつた。6名の除外といふ菅政権の“欲動”は実は日共系の民科(民主主義科学者協会法律部会」に関係する3名が標的だつたが共産党狙ひ撃ちは露骨なので、そこに御所でもご進講の加藤陽子キリスト教学の芦名定道と政治思想史の宇野重規といふ三名が「さしたる吟味もなしに加えられてしまった」。塗したやうなもの。だがその塗し方があまりに杜撰で「欲望の暴走」。なぜこのやうな稚拙な介入となつたのか。民科系の学者3名が除外されることが学術会議の事務方から代々木に流れ『赤旗』のスクープに。もしこれが赤旗からマスコミ騒ぎにならなければ6名除外につき学術会議側が官邸と「大人の話し合ひ」で交渉の余地もありまだマシな展開があつたかも、と。御意。これが出てしまつたので官邸は本当のことをいへず無様な答弁に。

f:id:fookpaktsuen:20201120073734j:image

ガースー動静(18日)07:28虎ノ門ホテルオークラ「オーキッド」で秘書官と食事。11:41永田町キャピトルホテル東急「水簾」で柿崎明二首相補佐官と食事。19:29時紀尾井町ホテルニューオータニ「カトーズダイニング&バー」で秘書官と食事。……所詮、詰まらない奴。