富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

日立


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香港安定させた中共🇨🇳はやつと落ち着いて台湾に干渉か。台湾併合までは現状としては無理としても台独派の粛清は願ふところ。香港市役所は特定の対象に対して強制検疫開始の由。

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アトキンス少年をモチーフにした海老原靖〈The Wall〉は2018年の作で、その年に新宿の画廊 kennakahashi であつた個展で画廊主が展示以外にも「こんなのがあるのです」と見せてくれて、その場で入手を決めた。香港に持ち帰らず友人に預けたまゝだつた。部屋の隅の陰翳にそっと据ゑておきたい。


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陋寓入口の元医院の飼ひ犬は通行人によく吠えるのだがやつと慣れてくれた。晋三の置き土産でGoToEatは反響よくグレーな不正も含め利用者多し。立ち寄つたコンビニではチケットロール紙不足で発券能はず。朝食をとつたのに芸術館横のマダムディレイで珈琲とシュークリーム。朝の光が心地よい。芸術館傍の銀杏が色づき見事。散髪。理髪店は年末は29日から正月三が日まで休みださう。私が小学生のころ床屋、美容室など大晦日も遅くまでどれほど忙しかつたかと当時を懐かしむ。

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常磐線で日立に降れば勝田駅で操車線に国鉄カラーの特急車両がゐて何かと思へば〈フレッシュひたち〉であつたE653系。昨年から常磐線に戻り臨時列車として運行されてゐるのだといふ。エル特急ひたちに子どものころ馴染んだ世代には本当に懐かしい国鉄カラー。
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日立駅は駅舎が東に張り出して太平洋一望。妹島和世の設計。一切の装飾を嫌つたミニマムな構造。新駅舎の開業は2011年4月で311の大震災の直後。あの天災のあとの生活のあり方を啓示するかのやうな設計。


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坂倉建築研究所設計による日立シビックセンター。駅前の広場の向かふに聳える手塚治虫の未来都市にでもありさうな奇想天外な建築。このなかに市民センターや図書館、コンサートホールや科学館にプラネタリウムと、とにかく市民を楽しませる施設を見事に配合。 


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一つ路地を入ると昭和の住宅がまだ何軒な残つてをり廃墟にならず手入れして住人あり。その背景にシビックセンターの球形が面白いアンバランス。 


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少し遅い昼食にと〈サングリア〉といふレストランに入る。南欧のイメージを大切にしてゐるやうだが店内に飾られた絵画もどこか南欧のやうな印象だと眺めたら黒沢三郎画伯の一連の作品があちこちに並んでゐる。地元を代表する昭和の近代画家。小学生のころに水戸のデパートであつた個展を思ひ出す。この画伯の肖像こそまさに絵画の人物そのもの。
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シビックセンターに戻り(本当は春に開催予定だつたさうな)第18回になるひたち国際文化まつりといふ催事で茨城大学人文社会科学部の横溝環准教授による多文化共生に関する講演を拝聴。

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日立は人口17万人で外国人市民は2千人と人口比1%余で全国平均(2%)の半分。横溝先生がもう7年以上フィールドにしてゐる大洗町は外国人住民は819人と少ないが人口比で5%ととても高い。水産や農業の技能実習生に加へ観光地で宿泊施設にも外国人スタッフ少なからず。そこで横溝先生は茨城大学の学生と外国人住民のための日本語教室を継続。日本人の一般的な外国への関心は「3F」つまりFood、FashionとFestivalでヒトに入らない。また外国人に好意的、親切でも外国人は「慣れない日本暮らし」で「わからないだらう、困つてゐるだらう」といふ先入観。一緒に何かやつていこう、その基本は普通の市井の生活なのだが、さうした意識をニュートラルにすることの大切さ。コロナ禍については、その日本語サークルも公共施設使つた集団学習が中断でリモートとなつたのだがリモートにもリモートの良さもあるがマイナス面もあり。これまで地域性重視でやつてきた活動が地域性が希薄に。ネットでこの活動ばボーダレスで拡大もするが大洗といふ地域の必然性がなくなる。今日は茨城大学工学部(大学は水戸に本部もあるが工学部は日立製作所もある日立に)の博士課程に今年4月から加はつたシリアからの留学生もこのイベントにジョイン。彼曰く日本での生活で地域の日本人のサポートは絶対に必要。だがお世話する→お世話になるだけではなくお互ひ何か必要とするニーズのサポートを相互的にやつてゆきたい、と。その通りであらう。それにしても今日もこのイベントへの参加者は後期高齢者が主。時間も生活に余裕もあつてこその活動なのであらう。勉強意欲も高い。だが若い世代にその関心がないのか余裕もないのか、これは六ッかしいところ。
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日立は元々日立製作所工業都市で商業はあまり盛んでなく日立の住民も買ひ物は水戸まで来てゐたといふ話も聞いたことあつたが日立駅前の商業エリアの閑散はかなり。日立も郊外消費で駅前に残るイトーヨーカ堂だけが辛うじて営業を続けている。隣のひたち多賀の方が駅前にまだ商店街らしきものあり。日立の駅周辺からだと日立セメントのサビついた施設が遠くからもよく見える。すでにセメント「生産」は停止してゐるはず。日立と名前につくため日立グループかと思はれるが日立グループ企業にあらず地場企業。それでもセメント生産では生産量で全国十位入り。


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日立の鉱山で技術職にあつた小平浪平日立製作所を設立して、その企業城下町として繁栄した日立。昭和30年の急激な人口増加は周辺町村の合併によるものだが昭和30〜40年代の人口増加はまさに経済成長での日立の工業生産拠点としての拡充によるもの。この当時は県庁所在地の水戸を抜き茨城県で最も人口の多い都市。ふと気になつて調べたらやはり興味深いのは人口の男女比で(戦時中、徴兵で男女比がほゞ等しくなつてゐるが)戦前も戦後(昭和30年以降)も男性人口が多いのは戦前は鉱山、戦後は日立の製造拠点で男性の流入が多かつたからなのだらう。昭和60年をピークに人口減少が続き(平成17年の一時的人口増は隣の十王町合併によるもの)今では県内の市町村人口ではつくば市に抜かれ今後も人口減少続くのは明らか。

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日立市人口推移と男女別人口推移

今日の競馬はエリザベス女王杯。昨年の香港国際でヴァース2着のラッキーライラックが1番人気、それに香港マイル4着のノームコアで、この2頭にソフトフルートを合はせたがノームコアがスタートから必要以上にハナをとつてしまひラッキーライラックデムーロ騎手で昨年に続き連覇。ソフトフルートは6着。このレースは外したが福島記念(G3)で応援したバイオスパークが重賞初勝利。2番人気で単勝690円はありがたい。

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