今日の大公報が叱つてみせるのは香港の薬局が処方薬であるZopiclone（ゾピクロン）や咳止薬を処方箋なしで愛好家に販売の事実。大陸客の撃滅で商業地区に数多ある薬局は営業困難に陥りかうした「密売」家業といふが処方箋なしで処方薬をそっと販売は昔からあつたことで今更騒ぐことにあらず。昨年831の旺角騒乱で警察に逮捕された７名の被告に地裁が無罪判決。黒衣だからといつて騒乱に参与したとは断定できず警察の強行な行動に警察恐れ逃げただけと判官。常識的な判決だが、この判官も「民方」と睨まれることになるのだらう。
水戸芸術館で水戸室内管弦楽団（MCO）の定演（第106屆）。本来５月に小澤征爾指揮でピアノがマルタ＝アルゲリッチでシューマンのピアノ協奏曲イ短調が予定されてゐたが疫禍で中止となり実に９ヶ月ぶりのMCOの定演。前半は宮田大のチェロ独奏でMax BruchのKol Nidrei（コルニドライ）作品47と貝多芬の弦楽四重奏11番〈セリオーソ〉をマーラーの弦楽合奏編曲で。中入り。この演奏会の前半の終はり頃に秋の天皇賞。G1史上初の８勝に挑む牝馬・アーモンドアイ応援。その上で松戸Ｉ君と菊花賞でコントレイル優勝に陰暦九月九日で重陽節の９番のアリストテレス２着逃したのだから今日は陰暦九月十六日かしら？と呟いてゐたらアーモンドアイが９枠で６枠にフィエールマンで１枠が穴馬だらうがブラストワンピースで「これは面白い馬券」。で演奏会の中入りに須磨帆で見てみるとアーモンドアイが見事に優勝で２着にフィエールマン入つたではないか。
先週の菊花賞に続いての的中。中入り後はストラヴィンスキの〈ミューズを率ゐるアポロ〉といふ地味ながら実によい番組。猶太の宗教曲が原曲のコルニドライから貝多芬のセリオーソ、そしてストラヴィンスキの〈ミューズを率ゐる〉ですから多分に疫禍を意識した選曲なんでせう。芸術館の運営予算に無駄とケチつける向きもあるが、これだけの演奏家を集めた室内楽団を維持してゐるのは水府の誇りだらう。
芸術館の西側の通りにあるケーキ店〈マダムディレイ〉はシュークリーム（今日はもう売り切れ）とシフォンケーキ（焼き立てあり）が人気ださうだが今日はプリンとクリームブリュレを。芸術館で会つて空也のもなかをくれた母にも、これを差し上げる。
ふだんバレエを見ないアタシでも、こんな巴里オペラ座のバレエならうつとりしてしまふ。８年前の舞台で〈ミュースを率ゐるアポロ〉がこれ。湛君に百年前の巴里でバレエリュスご覧になりたかつたでせう？と呟いたら「ご覧どころかプロデュースしたかつた」といはれてしまひました。
