富柏村香港日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴る日剩でござゐます

銕仙会定演@宝生能楽堂


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香港の教育が反政府的偏向と弾圧対象になつた次は司法で抗議活動に心情的な裁判官罷免を!といふ圧力。


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ふとタンメンが食べたくなるときがある。東京駅一番街八重洲口)にタンメン専門店がなくなつてしまつたと残念がつてゐたら実は〈トナリ〉は丸の内で営業中。丸の内南口から雨空だし地下街でKITTE(旧東京中央郵便局)に入ると〈ラーメン激戦区〉なるエリアがあり、それを無視して通り抜けると東京ビルヂング地下に〈トナリ〉があつて午後2時すぎでランチタイム過ぎても数名の行列。野菜たつぷりで汁少なく野菜を除けると歯応へ良ささうな太麺。やはりタンメンは太麺に限る。 

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何年ぶりかしら、でお茶の水駿河台の坂を下る。駿河台下の交差点で三茶書房に寄る。『銀座百点』の名文選集(昭和60年)があり1,800円で入手。お店の方にご主人は?と尋ねると階上から下りてきてくれる。高校生の頃から出入りしてゐた三茶だつたが昨年の初夏に覘いたらご主人に「帽子がお似合ひですね」と声をかけられ、そこから入江相政侍従長の話となり(こちら)今日もあれこれ話してゐると「お見せしたい本などあるから」と二階の書房にお招きいたゞく。ご主人所有の書籍や史料少なからず(他人が明示憚られるところ)。入江相政日記(第6巻)に確かに相政さんが三茶訪れたりご主人(当時40代)と懇意にされた記述いくつもあり。ご主人にお会いするのは2度目だがなぜか旧知の先輩に蒙を啓かれる感あり。物語尽きず。二二六事件で昭和天皇の判断が少しでも違つてゐれば改革派の青年軍人らが国賊とならなければ、その後の戦争への道が何う変はつてゐたか。また水戸学から幕末の動き、そして昭和に水戸が実に興味深いといはれる。今ではその空気が全くといつてよいほどないのだが。

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ひさびさにすゞらん通りを雨のなか歩く。文房堂、内山書店。包子餃子(スヰートポーヅ)は店を閉めてしまつた。さぼうるで珈琲を飲む。神保町の珈琲店が煙くないのはどこか寂しい。 


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田村や谷口といつた名だたる古書肆でも全集物の、まぁ価格低下甚だしい。加藤周一選集など1冊単価は500円とか。昭和の全集は漱石や三島など豪華装丁本を除けば下手すると出版当時の価格より今の方が安かつたり。いくらでもほしいが下手な独占欲は抑へて。なにせ今は陋寓より歩いて数分で市立図書館あり全集などずらりと並んでゐる。泰川堂書店で東都の区分地図など眺める。岩波の神保町ブックセンターが何だかおしゃれなカフェのある空間になつてゐた。奥にはワークスペースも(こちら)。

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白山通りで後楽園遊園地は雨空でも向かふに見えるのだが都営三田線で水道橋。宝生能楽堂銕仙会の定演(こちら)。大槻文蔵師の〈蟻通〉。ワキが殿田謙吉演じる紀貫之で能には疎いアタシでもワキがこれほど重要で目立つ作品も少ないとわかる。本日はこゝで村上湛君に邂逅。今回帰国して初めてのおめもじ。それでも今日も朝から新八犬伝で玉梓の怨霊で声のお役をされた阿部寿美子さまが卒寿でお元気と湛君からLINEあつてお互い玉梓贔屓ゆゑ、これで盛り上がつてゐたので不思議と久しぶり感がない。
中入り後は野村萬狂言で「雁大名」。湛君のいふ通り「一度は横暴示す大名も最後は失敗或いは善良さ示すのが狂言の定型」なのだが〈雁大名〉では珍しく悪巧みが成功。何とも呆れた大名だがそれだけにせゝこましくなく大らかに演ずることが大切、と。さういふ意味で萬さまは上手だがどうでげす、上手でせうと舞台から聞こえてくるやう。続いて能〈鳥追舟〉でシテ(日暮殿北ノ方)鵜澤久、ワキ(日暮殿)に森常好、重要な役柄のワキツレ(左近尉)大日方寛。日暮殿の倅・花若に幼い谷本康介君が実に立派なもの。能は本当に知らないアタシだが、かういふドラマ性のある物狂能はわかりやすくてたすかる。このところ歌舞伎満喫できず村上湛君といふ友人がゐるのだから能はきちんと見てゆきたいもの。

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湛君と本当なら、これから飲みにでも繰り出したいところだが水道橋驛の改札前で暫し立ち飲み。東京驛に来るとグランスタのはせがわ酒店がグランスタのリニューアルで賑やかな場所に昔より広くなつて営業中。飲んでゐる時間もないが以前の方が一合サイズの各地の銘酒が豊富だつた。東京驛前を午後10時に出る高速バスに乗り帰宅。