富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

「雨よ降れ」と雨乞ひのごときアベノミクス


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香港政府が進める防疫は大公報的には潤澤な資金でワクチン購入となり蘋果日報的には検疫の強制も政治的。世界中で防疫が国家権力により実に政治的に用ゐられてゐるが香港の林郑市長などそれの最たるもの。

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酒のやまやに行くとノンアルコール飲料売り場がずいぶんと充実してゐるが先日は月桂冠のノンアルに驚いたが今日見たノンアルのワインは1,000円もした。酔ふこともないワインに1,000円も出す気が知れない。

今朝の朝日新聞の連載(人生の贈りもの)プロダクツデザイナーのお松永真➓で読んだのだが最近アタシがすつかりお好みの宝酒造缶チューハイも松永氏のデザイン。本命は別モノだつたさうだが1984年でこのセンスは画期的。

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今、コンビニで酎ハイだとサントリーストロングゼロが人気。アルコール度数が9%と比較的高く3.0%の果実汁はダブルレモンと銘打ちしつかりした果実味を宣伝。それに対してタカラのcanチューハイの果実汁は3.3%、アルコール度数は8%で何より樽貯蔵の11種の熟成酒が売りで、だから値段も高い。まさに缶チューハイのなかのプレミアムといふことになる。

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デジタルのカレンダー、覚えにくいイベントの整理に便利。旧暦、二十四節気、競馬……そして何よりもゴミ出し!隔週で第5週は✖️とか、やゝこしすぎ。これを数碼暦に入れておけば、ついうつかり失念もない。  

原真人「禁断のアベノミクス 負の遺産残した雨乞い」朝日新聞

結局、アベノミクスとは雨乞いのようなものではなかったか。首相はアベノミクスというおまじないで「雨よ降れ」と天に向かって祈り続けた。幸い雨は降った。みな驚いて「効果があった」と喜んでいるが、そこに論理的な根拠はない。
おそらくアベノミクスが好況をつくったのではない。世界経済と日本経済が好況期を迎え人口構造が雇用を好転させ始めたまさにそのタイミングで、たまたまアベノミクスが始まった。要はツイていたのだ。
問題は、この禁断の政策が残した負の遺産である。政府の借金はもはや一朝一夕には解消できないほど膨らみあがっている。その半分近くは日銀が輪転機をぐるぐる回してお札を刷ってしのいでいる。
アベノミクスがもたらしたのは規律なき財政と金融政策、それに機能不全の市場メカニズムだ。政治家や官僚、経営者、投資家、多くの国民もそこで維持されているぬるま湯状態に甘えている。問題先送りが永遠に続けられると思いこもうとしている。
きょう次の首相に就任するのが確実な菅義偉官房長官はその危うさに言及することなく、安倍路線を「継承する」という。
1.25億人の国民をどこに連れていこうというのだろうか。

喉の溜飲下がるが若き見事な論評。朝日で本紙ではなく『論座』とはいへ朝日の編集委員である氏が

安倍政権がきょう幕を閉じる。一貫してアベノミクスを批判してきた者として、これほど長きにわたってこの政策がもてはやされてきたことは驚きであり大変残念な気持ちだ。多くの人はすぐに危うさに気づき市場はノーを突きつけるにちがいないと考えていた。現実はそうではなかった。

と晋三だけではなく結果的に晋三支へた国民に苦言するほど。この原氏は晋三が政権返り咲き決めた2012年12月の総選挙の直後に本紙(朝刊1面)で「アベノミクス 高成長の幻を追うな」と題した論考を書いて批判のだといふ。それは当時の晋三が「総選挙に向けた全国遊説で、とんでもない構想を説いて回っていた」から。
輪転機をぐるぐる回して日本銀行に無制限にお札を刷ってもらう」
建設国債を大量に発行し、日銀に全部買ってもらう」
それを晋三はバカだから本当に政権発足後にほぼ言葉どおりのことを実行。原氏が、その晋三の暴挙(当時はまだ構想)を「アベノミクス」と呼んだのは「日銀に国債を買い支えさせる財政ファイナンスや大量のお金を世にばらまくヘリコプターマネー政策のいかがわしさを表現したかったから」。1980年代にレーガンの「ちぐはぐな経済政策」を皮肉をこめてレーガノミクスと呼んだことを踏襲したもの。それが

まさか首相がその後みずから好んで「アベノミクス」を使うようになるとは予想もしていなかった。

そりゃさうだらう。揶揄まで裏返して本気にできるバカさ加減。2013年9月の訪米での講演では“Buy my Abenomics” と宣伝文句にまでしてしまつてゐたとは。