富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

無機質な狂気


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香港で司法が行政に干渉と大公報。全民検診で国産🇨🇳の防護服が医療用ではないと蘋果日報
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台風10号接近で九州は記録的暴風が予測される。台風は九州西を北上するやうだが関東まで雨の影響ありとか。今日も晴れてゐたが夕方、驟雨。これが夜まで残り大雨に。 そんななか渋谷クアトロ(まだあつたのか!)から〈無機質な狂気〉第11話といふライブがぴあでネットストリーミングあり戸川純頭脳警察だといふのだから見ないわけにはいかない。

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〈汝、我が民に非ズ〉といふバンド、これは誰かと思つたら町田町蔵町田康)ではないか。和服で羽織姿、歌詞カード見ながらも絵になる。

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そして戸川純登場。一瞬、戸川昌子草間彌生かと思つたがかなりの肥満が今の戸川純さま。立つてをれず椅子に座り往年の可愛らしい声がオクターブ下のドスのきいた声。進化といふか脱皮を続ける……これでまた何年かすると激痩せしてゐてもおかしくないのが戸川純。何度か立ち上がると、それだけで感動してしまふ。

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そして〈頭脳警察〉である。パンタのイメージは最近まであつたがパーカッションでトシさまが格好良すぎる。二人とも古希で頭脳警察は結成50年の由。70年安保から。思想も夢も何も変はつてゐないのがステキ。

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頭脳警察の今の若いメンバーで黒猫チェルシー(休止中)の澤竜次君が1曲だけ「僭越ながら」と歌つたのがBEYONDの〈海闊天空〉を日本語歌詞で歌ふ。「香港の雨傘運動でも歌い継がれる大切な歌」と澤君。「歌ったのは俺たちぢゃなくて澤だから香港警察に捕まるのは」とパンタ。

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アンコールは〈コミック雑誌なんか要らない〉であつた。

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ちょうど戸川純のライブの頃に外で「どかーん」といふ音がして雷かと思つたら疫禍で広まつたサプライズ花火で安倍政権終焉祝賀かと思へば次は管某である。

朝日新聞(書評) 澤田隆治『永田キング』

澤田先生齢八十七にして矍鑠としたもの。戦前から戦後にかけての身体機能使つた漫才の永田キングを調べ上梓とは。澤田さん、格好いい。この撮影(横関一浩)もいい。

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 朝日新聞(書評)樋口耕太郎『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』 

ここに指摘される〈沖縄〉の風土もいろ/\考へさせられるところあり。

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書評でもう一つ。ダニエル・L・エヴェレット 『言語の起源』について武田砂鉄氏の評から。

時を重ねる中で言語が複雑化していったのではなく、もともと複雑な社会から言語が発生してきた。幹から枝分かれしていったのではなく、そもそも幹なんてものはあったのだろうかと疑う。

デビッド=グレーバー教授逝去。還暦を前に。反グローバリゼーション、資本主義批判、アナーキズムによる国家主義からの脱却……。青いといへば青い思想家だつたが資本主義制度や国家による福祉制度などの分析は注目すべき点あり。疫禍対策で国家の役割が重視されるなかで、これを何う感じてゐたかしら。

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