富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

マイナポイント


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林鄭市長「香港に全面的な自治ない」 行政権の優先強調:朝日新聞

林鄭氏は会見で香港で認められているのは「全面的な自治ではない」と強調。香港の行政、立法、司法権は中国政府から与えられ、それぞれが協力しバランスを取り合う関係にあると述べた。その上で中国政府の権限のもと、「独特な政治的地位」にある行政長官の権限が立法権司法権に優先されるとの考えを示した。

かういふ現実なのだから現実を弁へればいいのだ、と林鄭市長の開き直り。もはやこの人に「本当は職を辞して市民に詫びたい」といふ昨年夏の矜持は見当たらない。 それにしても蘋果日報の「香港三権分立」捩つた「香港三権分工」は立の字を林鄭が蹴飛ばして「工」はお上手。大公報は香港の全民検疫をヨイショ。
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香港の法治崩壊が嘆かれるなか何といふ皮肉か「香港・国際法律枢紐」(Hong Kong, Internatioanl Legal Hub)といふ記念切手の発行(9月17日)。記念切手で嘘はいけない。真実に基づくなら「国安法成立」の記念切手でも出すべき。それにしても上述の林鄭の「三権分工」(三権が協力しあふ……アホか)のイラストがあまりに見事なので、それで記念切手を作製してみたのだが、かういふことすることぢたい国安法に触れて外国人でもお縄か。

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マイナンバーカード普及がため発想も乏しい晋三内閣府が始めた、これが晋三置き土産のマイナポイント。これも電通絡みか何うか知らぬがマイナンバーだからといつて「マイナカード」といふ名前からしてダメ、ダメ、ダメ。「マイナーカード」と聞こゆるとまづ誰か感じないかしら。どんなバカばかり晋三の取り巻きなのか。マイナンバー取得して電子マネーとか紐つけすれば2万円までの消費に25%=5千円還元といふ。善良な国民のアタシはマイナンバー所有してゐるので、この紐付け試みたのだが、かういふことには慣れてゐるアタシでもマイナポイントの、これはやゝこしさの極み。10万円の特定給付金での失敗から何も学んでをらず。晋三政府に学習機能ないことの証し。
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いち/\マイナポイントのアプリを須磨帆に下戴して、そこから。通常のかうした紐付けなら番号を入力すれば良いのだがマイナポイントはマイナンバーカードを実際に須磨帆に接触させて、そこから番号読み取り(接写に非ず)これで「予約」完了。あくまで予約である。そこから「申込み」となるのだが申込みがなぜ別のプロセスになるかといふと、この申込みはPayPayとかSuicaとかWaonとか、それぞれの電子マネー系との紐付けのため、そこに跳ぶのである。まぁ紐付けはできたが、たかだか5千円を政府に恵んでもらふのに、この手間。しかも須磨帆なり電子マネーに慣れてゐても面倒な作業。老人など何うすれば良いのか、といふわけで市役所や郵便局にPCや須磨帆に非連結の非IT国民のための連結地点設けてゐるのだが、その費用も「たかだか5千円の支給」と思ふと明らかにコストかけすぎ。電通(もしこれにも絡んでゐるのなら)思考回路は大丈夫か。それならマイナンバーカード所有の善良な国民に一律5千円支給しちまへば良いのでは?と思ふのだがアベノミクスに失敗の晋三政権末期で、この程度でも経済刺激が欲しいのだらう。だが国民の1割で5千円ぢゃ500億円。そのために電通に幾ら払つたのか、その端末設置の費用は?と考へるとたゞ呆れるばかり。

安倍昭恵夫人はどんな「不始末」を繰り返してきたか(現代ビジネス)

これは2017年4月に『週刊現代』の記事復刻。当時も呆れて言葉なかつたが、それから昭恵夫人蟄居となつたのは周知のとおり。畏友М嬢曰く昭恵夫人は「善意の暴走族」と。言ひ得て妙。

菅伸子:菅元首相夫人)首相夫人は首相という「権力者」の一番近くにいる「私人」。この「公」と「私」のあいまいさが首相夫人の難しいところです。昭恵さんは、そのはざまにはまってしまい夫や自分の立場を利用しようとする人を知らずに近づけてしまったのかもしれません。そうして「良かれ」と思って自分を頼ってきた人に応じていただけなんだろうと思います。天真爛漫すぎた。そう言うのは簡単です。ですが私が残念でならないのは安倍事務所をはじめ近くにいる人や経緯を知っていた人が誰も彼女の「善意」や官僚たちの「忖度」の連鎖を止められなかったことです。なぜ止められなかったのか。ここにもまた安倍1強体制の弊害がでてしまったのかもしれません。

中島岳志東京工業大学教授)スピリチュアルな世界観は自然回帰へとつながっていき無農薬の「昭恵農場」や、国産食材だけを使う居酒屋を開きます。次第に「本質的な日本」や「日本の伝統」の世界に入っていきました。こうした流れは実は戦前から繰り返されてきたものです。近代の行き詰まりを批判し農業を基盤とする社会へ伝統回帰しようとする「農本主義」の運動は国家主義と結びついていきました。(略)ナチュラルな思想が、ナショナルな思想に回帰していくのです。私も有機農業などには共感しますし日本の伝統の中にも重要な英知があると思います。しかし、その世界観が「ニッポンすごい」系のナショナリズムや排他的な愛国心へと接続することには論理の飛躍があります。昭恵さんの考えは彼女一人の突拍子もないものではなく一つの社会現象です。そして、それは私たちの身近なところに存在している。安倍内閣が終わっても昭恵さん現象は終わりません。スピリチュアリティーとナショナリズムが融合する現象には、今後も注視する必要があります。

曼谷ほてい屋28年の歴史に幕:朝日新聞

もう20年くらゐ前のことである。マレーを旅行してゐて三島由紀夫『豊穣の海』がなぜか第3巻あつたのだが旅の途中で読み終へてしまつて、その『暁の寺』の舞台であった曼谷に着いた。第4巻『天人五哀』まで旅行中に何うしても読みたく曼谷に紀伊国屋があるので出かけたら伊勢丹のなかにあつた。この百貨店のある商業施設のあまりの規模に驚くばかり。香港ではすでに日系百貨店は斜陽も斜陽で次々と閉業してゐたので曼谷の、このデパートの輝きは羨ましいほどだつた。それでもやはり消費は変はりデパートといふ形態は存続の困難。もはやシンガポール高島屋くらゐか、残るのは。曼谷といへば「かつての」中心地ラーマ4世通り・ラーチャダムリに大丸があつて、こゝを語つたら好事家相手にキリがないところ。

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デパートといへば福島の中合も閉店。小学生のとき、このデパートの豪華さには驚いた。まるで東京の三越みたいな大理石の階段とか福島がかつてどれだけ栄えてゐたか。

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これで福島も徳島や大沼本店がなくなつた山形のやうに百貨店ゼロ県か、と思つたら郡山に「うすい百貨店」あり。茨城も水戸京成百貨店のみ。山梨の岡島、島根の一畑、佐賀の玉屋に熊本の鶴屋、宮崎と鹿児島の山形屋などなど1つ1つ消えてゆく。