富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

晋三のツケ


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内地との愛玩動物密輸で雇つた船の間違ひで犬猫が海に投げ捨てられる(大公報)。蘋果日報の一面広告は新界の深井住民によるものでよくわからない。

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もう思ひ出すだけでも悪臭で鼻をつまみたくなるが晋三政権。

「改憲機運」自ら潰した安倍政権 傲慢が招いた世論の反発:朝日新聞

法制局長官人事だけでなく安倍政権は2014年5月に新設した内閣人事局を通じて官僚機構を掌握。官僚が政治家に従属する構図を固めていった。また国会で多数を占める与党の力で野党や世論の反対が強い法律を強引に成立させていく。こうした手法は「決める政治」を印象づけたが、このことは社会の分断を招き後に自らの首を絞めることになる。
首相に近いベテラン議員は森友・加計学園問題桜を見る会など首相個人にまつわる不祥事への対応で首相が疲労の色を深めていったとして「あれがなければ総裁4選だってできた。憲法改正もできていた」と悔やむ。
政権前半期には異論がある政策にも取り組む姿勢がリーダーシップとして評価される余地もあった。だが後半期は強さがおごりやゆるみを生んだことは否めない。森友・加計学園問題で強い批判を受けたにもかかわらず桜を見る会でも同じような問題がなお繰り返された。期待は不信へと変わっていった。

森友・加計と御苑がなければ4選で改憲もできてゐたとするとゾッとするばかり。そこに疫禍が不幸中の幸はひ。晋三の大嫌ひな朝日新聞で常に政権に近い位置にゐる曾我豪の総括。

曽我豪「逆をゆけ、新しい担い手への教訓」朝日新聞

憲法改正の優先順位は下げ経済対策を優先し株価や雇用の数値で実利を示す。国家安全保障局など官邸主導のシステムを整える。政権を強くするのは人事でなく選挙であり1度目に出来なかった衆院解散が大事だ。政権を安定させて最後に改憲を狙う……。狙い通り政権は「1強」となったが安倍氏は「強い首相」ではなかった。保守の原理を押し通すより具体策を通せる好機を探る機会主義者だった。
アベノミクスで稼いだ政治資産を安保・憲法で使う」と言った。特定秘密保護法や安保法制は支持率急落を見越し別々に処理した。その合間は株価と支持率を堅調にすることに専念、数字を見極めて解散を断行し体制を安堵させた。
首相は最終判定者であろうとした。選択肢を可能な限り広げ閣僚らに論争させて世論の反応を見極め最後一気に判定を下した。消費増税などの政策も解散などの政局も、その緩急が意思決定の特徴であり求心力保持の源だった。
だがそれら首相の強みはみなコロナ禍を前に無力ないしは逆効果だった。
行き過ぎた官邸主導は反対意見や懸念を吸収出来ない硬直状況を生み一度決めた政策は修正が利かない。逆にこれまでなら10万円給付や9月入学は「採らなかった選択肢の一つ」で済んだかもしれない。だが先行き不安の解消を渇望する側にすれば首相の断念の判定は失望と混乱の印象しか残さず民意は離れた。
首相が民主党政権を「悪夢」と論難する時、政策決定の迅速さと危機対応の確かさが自信の裏付けだったはずだ。だがそれは逆に不信を生む芽へと変わり、いつしか政権は姿形はそのままに「古い革袋」と化していたのだった。

やはりアベノミクスは張子の虎。アベノミクス 「道半ば」で行き詰まり:朝日新聞社説 

政権発足直後こそ一定の成果を上げたが中盤以降は政策の看板の掛け替えが続き2年前に景気後退が始まったころから「アベノミクス」自体が後景に退いた。
さらにコロナ禍による打撃を克服する展望を見いだせていないのが現状だ。長期政権にもかかわらず、なぜ「道半ば」を繰り返すだけに終わったのか。丁寧に総括しなければ後継政権も漂流を続けるだろう。
安倍政権はまず大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を掲げた。金融政策手法の「異次元」さこそ際だったが、この「3本の矢」自体は不況期の標準的な政策メニューといえる。世界経済の復調という追い風もあり円高の行き過ぎが修正されて企業業績が回復。雇用も好転し物価もいったんは上昇基調に乗ったかに見えた。
だが、ならしてみれば成果は限られる。19年度までの経済成長率は年度平均で実質1%、名目1.6%程度。目標とした実質2%、名目3%の半分に過ぎない。異次元緩和の「出口」でのコストが増す一方、物価上昇率目標の2%には程遠い。
15年の「新3本の矢」で掲げた名目GDP600兆円、出生率1.8、介護離職ゼロの目標に至っては、出生率が15年から下がり続けているように実現への道は霧の中だ。
確かに企業収益の好調と就業者数の拡大が最近まで続いたことは評価すべきだ。だが力強い賃上げと消費の増加には結びつかず経済の持続的な拡大には至らなかった。財界を支持基盤の柱とする政権の限界であり「働き手の生活を豊かにする」という視点が薄かったといわざるをえない。

(8/31)考 最長政権❷「失速アベノミクス、口にせず幕」朝日新聞

「20年続いたデフレに3本の矢で挑み400万人を超える雇用をつくり出すことができました」辞任表明会見で在任中の実績を問われた首相が触れたのも雇用だった。同時にこの間、非正規社員は正社員の倍近く増え非正規の割合は4割近くになる。実質賃金の伸びもマイナスの年が多かった。政権発足と同じ2012年12月に始まった景気回復は実感が乏しいまま世界経済の失速で18年10月をピークに後退期に入る。政権が誇示した「戦後最長の景気回復」は幻に終わった。

結局のところ全てがまやかし。単なる政権の私物化。それに国民がわかつてゐて騙されるのだから。結局は国民の甘さ。朝日新聞ばかり引用したが、この毎日新聞のねちねちとした記事も面白い。

 (安倍首相への手紙)吉井理記「あなたが残した分断と政策行き詰まりに苦しむのは私たちです」毎日新聞

「ご苦労様」と申し上げたい気持ちはやまやまなのですが本当に苦労をしてきた、あるいはこれから塗炭の苦しみをなめるのは私たち国民ではないかという思いを深くしているからです。

あれは2013年7月4日のこと。政権復帰して、最初の国政選挙になった参院選の初日、JR池袋駅での演説の一節を今も覚えています。「……景気も良くなって給料も上がってビアガーデンでお父さんが飲むビールのジョッキも1杯にするところを、もう1杯飲もうと。お店も喜ぶ。そうやって好循環が生まれていくんです!」

金看板の「アベノミクス」を誇る文脈で語られた何の変哲もない一節です。持病もあってお酒をあまりたしなまないのに縁が薄いはずの「ビアガーデン」とか「ビールのジョッキ」などという言葉で、それこそビアガーデンが集まる池袋の聴衆の心をつかもうとする姿に、ある種の「痛ましさ」を感じたのです。

この時期、10代から悩み続けた病が寛解し体調も良くなったあなたは同郷の親しい政治ジャーナリストに「最近はビールなら1杯ぐらいは飲めるようになったんだよ」とうれしそうに話していたと聞きました。演説を聞きつつビアガーデンでジョッキをぐいぐい空けるお父さんとまでは言わずとも俺も人並みに「ビールを少しは飲めるような体を取り戻したのだ」という喜びをかみしめているのではないかと勝手に思ったりもしたのです。その病気の再発と、あなたがこの7年8カ月、この国と社会にもたらしたものとの評価は別だと思うのです。

私は失望よりも恐怖を感じました。自分に異を唱える人は「左翼」で「恥ずかしい」。この粗雑に過ぎるモノの見方は何だろうと。異を唱える人がいても、なぜ異を唱えているのかには関心を示さず「左翼」「恥ずかしい」と攻撃する。支持者も反対者もすべての国民の利益を代表するという指導者の姿勢とは全く違う「本音」がそこには漏れていたのです。

それから7年。案の定、国会審議では閣僚席に座ったまま自らに異を唱える野党の質問者を攻撃する、といった「事件」が続発しました。思いつくままに挙げると「日教組日教組!」(15年2月19日、衆院予算委)▽「早く質問しろよ」(15年5月28日、衆院平和安全法制特別委で)▽「反論させろよ、いいかげんなことばかり言うんじゃないよ」(17年6月5日、衆院決算行政監視委)▽「共産党!」(19年11月8日、参院予算委で立憲民主党の議員に)▽「意味のない質問だ」(20年2月12日、衆院予算委)――などなど。

品位がない、という次元の話ではない。「左翼」「日教組」「共産党」といった言葉を他人を攻撃する文脈で用いていることが象徴的です。米国では今、トランプ大統領が「国の分断をあおっている」と批判されています。でも、トランプ氏以前に反対者を攻撃し分断をあおってきたのが安倍首相、あなただったのではないですか。

思想家の内田樹さんは安倍政権と過去の自民党政権との違いは意図的に国民を分断することで政権の浮揚力を得ていることであり「今の小選挙区比例代表並立制という選挙制度なら有権者の30%のコアな支持層を固めていれば残り70%の有権者が反対する政策を断行しても政権は維持できることが分かった」と分析していました。私もうなずきます。国家指導者が、国民各層を「敵」「味方」に分断する社会が住みよい社会であるはずがありません。ポスト安倍時代に生きる国民と政治はあなたが掘り下げた分断社会の中で生きていかなければならないのです。

では政策面ではどうか。例えばアベノミクスです。その柱である金融緩和ひとつとっても目標にしていた「デフレ脱却と年率2%の物価上昇」には今なおほど遠く、19年はプラス0.5%でしかありません。異次元とまで称される金融緩和を続けてもなお、私たちの家計の消費(2人以上世帯)は32万5492円(政権交代時の12年12月)から32万1380円(昨年12月)とむしろ減っているのはどういうことなのでしょうか。実質賃金も16年と18年を除いてすべてマイナスなのです。国政選挙でお約束のようにおっしゃる「景気回復の暖かい風」どこに吹いているのでしょうか。あなたのお友達の周囲でしょうか。

自民党村上誠一郎行政改革担当相も嘆いておられました。財政も金融も外交も行き詰まっている。アベノミクスで国の借金は1100兆円。目玉の異次元金融緩和は出口戦略も描けなくなりつつある。次の総裁は安倍政権の問題処理、「火中のクリ」を拾う役だ。一体誰がやるというのか。次の自民党総裁が歩む道は、イバラの道だ、ということです。そして、イバラのトゲに直接、身をさらされるのは私たち国民なのです。本当に苦労してきたのは、あるいはこれから苦労するのは、やっぱり安倍首相ではなく私たち国民のほうではないでしょうか。それゆえ私は「ご苦労様」「お疲れ様」という言葉を口にすることに抵抗を感じるのです。

せめて、これまでの政策や政治判断を検証し誤りがあれば正していくということでしか、この国の道はないように思えます。でも、ここまで記して思い出しました。森友・加計学園問題や「桜を見る会」で明らかになったようにあなたの政権は公文書も満足に残さないのでしたね。

まずは、お体をいたわってください。できるならば、国会などで、これまで説明されていない数々の問題について、お話しされることを望みます。ではそれまで。敬具

傘寿の母が菅立候補は石破潰しだね、と。御意。最終的に官房長官の菅某にならなくとも票を割れば良い……と思つてゐたら自民党内で兵卒らの徒党が相次ぎ菅支持表明。結局、首相になる器の政治家もをらず石破だとダメなので菅かよ。悪夢。菅某、宰相のニンでないことは明らかだが所詮、ダメなんでせうね。静六を師匠といふが茨城の田舎出の静六の方がまだ人間的に面白みあり。静六だって田中の真紀子に凡人の小渕、変人の小泉と並び「軍人」と評されましたが一筋通るところあり。ところで倅の弘志(経産相)はポスト安倍で何うなるのかしら。

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ローソンでつい買つてしまふ「あんずっしりどら焼き」。とても雑なラッピングで餡もどれも微妙に「偏心」で「その辺の菓子屋製」と思ふと実は山崎製パンで地元の下請けに出して適当に売つてゐるかのやう。これがレヂあたりにさりげに籠に入つておいてある。実は甘党の消費者の琴線に何う触れるか周到に計算された商品なのだらう。よく売れる。

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豊島園閉園。練馬城址北豊島郡上練馬村で大正15年の開業当時は東京の郊外。北豊島郡上練馬村であった。子どもの頃に眺めてゐた戦前の東京案内のやうなグラフィック誌に豊島園のウォーターシュートが印象的。

大人になつてからも回転木馬「カルーセルエルドラド」に乗りに家人と出かけた思ひ出。家人は小学生のころにこの近くに住んでゐて日曜の朝だか付近の住民に園内開放されてゐた由。この回転木馬は1907年のドイツ製で欧州のカーニバル巡業したが第一次世界大戦でこの回転木馬は紐育に移設され、その遊園地も1960年代に閉園で豊島園が買い取つたのだといふ。

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