富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

広島原爆75年


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広島への原爆投下から75年。今朝その時間に自分は何をしてゐたか?アタシはコンビニで100円のコーヒーを飲んでゐた。

「立場の異なる国々の橋渡しに努め各国の対話や行動を粘り強く促すことで核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取り組みをリードしていく」 と宣ふ晋三。アンタが一番立場が微妙で世界の常識と異なってるだらうに。核兵器禁止条約に批准せず「核兵器のない世界の実現を」と言葉踊る。

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逃げてゐるのは核兵器からだけではない。新型コロナについて中村文則が実に見事に、この国の防疫対策の稚拙さを指摘してゐる。中村文則「コロナから逃げる政権」毎日新聞

台湾が7人、韓国が31人、日本が1,534人。この原稿を書いている8月1日に発表された新型コロナウイルスの1日の新規感染者数である。台湾の7人中6人、韓国の31人中23人は海外からの渡航者で実質は台湾は1人、韓国は8人だ。タイは2人で2人とも海外からの渡航者。同じ島国のニュージーランドも2人。新型コロナウイルスの猛威は地域差があり東アジアの日本は被害は少なく済んだ可能性が高かったが近隣国で言えばフィリピンと同様に失敗した。
最大の景気対策は感染者数を減らすことではないだろうか。感染者数が激減すればマインドも変わり景気も当然上がる。日本が失敗したのはオリンピックを気にするあまり緊急事態宣言を出すのが遅れたこと、その解除がやや早かったことだろうけど、その後の失敗もなかなか凄いものがある。
緊急事態宣言で感染者数が格段に減った後、ホストクラブやキャバクラなど接客業が集まる地域で徐々にクラスター(感染者集団)が発生した。何とあの時、行政は感染者が出た店しかほぼ検査をしていなかったという。まだ感染者が少なかったあの時に多くの専門家が言ったように東京の幾つかの繁華街の接客業の全員検査をしていれば恐らくこんなことにはならなかった。そうしていれば接客業の人たちも安心して(対策は取りながら)営業できたし偏見なども消えお客も安心して行けたはず。その他の業種でも同様に、感染者が出たら濃厚接触者などを自宅待機ではなく――これだと無症状でも家庭内で感染しさらに広げてしまう――どんどん検査し軽症者はホテルへ移動してもらっていればよかった。感染者が格段に減ったあの時がチャンスだった。だが現在では感染者はあらゆる場所に既に広がっており、もう数が多過ぎて今更遅い。
検査費用がかかる、との意見には、後に伝説となるだろうあのアベノマスクの莫大な予算があれば、余裕で可能だったと言わざるを得ない。そんな数の検査はできないとの意見には、諸外国では可能だしやっていると言わざるを得ない。
代わりにしたのがGoToキャンペーンというのは愚策を通り越しもう狂気に近い。やるなら幾人かの首長が言ったように県内な、移動範囲を限定し行うべき政策だった。旅行者は地元の魅力を再発見する契機になり業者も新たな顧客の獲得になったかもしれない。地元の観光地にはいつでも行けると思い意外と機会がないと行かないものだ。
緊急事態宣言を補償とセットでもう一度出し今度こそやり直すしかないんだろうけど現在の検査姿勢ではやっても同じになる。とうとう外国ができる当然のことができない国になった。得意なのは予算の中抜きくらいだろうか。
「政治なんて関係ない」という人は大勢いたと思うし、その気持ちは実はよくわかる。そして結果こうなってしまったのだが、では日本はこれで変わるかというと恐らく変わらない。
上手くいっている国を手本にし自国を改善するのではなく上手くいっていない国を見て安心する方を選ぶ。目の前の危機を見るのではなくコロナなど大したことはないと言う方を選ぶ。検査体制の不備から目を逸らすため、まるで国民に非があるかのように日本ではそれほど効果もない罰則とかを強化しようとする。データの細かい改竄まで始めるかもしれない。
政権はコロナから逃げ続け一部マスコミもそんな愚かな政権に未だに忖度し続け、このままだと行き着くところまでいくだろう。残念で仕方ない。政権に忖度するマスコミ関係者が減るほど日本は救われると思えてならない。

口説いけれど三度、大阪の吉村知事ヨード液会見について。都内でも「うがい薬は売り切れ」一夜にして店頭から消えた「吉村知事会見」を考える - 毎日新聞

「いやいやひどいもんです。ただのウケ狙いですわ。おもろくも何ともないですが」とあきれ果てるのが生粋の大阪人にして街文化に関わる多くの著書を持つ関西の名物編集者、江弘毅さん(61)である。「言い方はアレですが、テキ屋みたいなもん、と考えたら分かりやすい。お祭りなんかで『このバナナ、今朝台湾から持ってきて……』なんてやっているあれです。バナナのたたき売りみたいに、おもろいことを言えば喜ばれる、と。吉村知事というより、『大阪維新の会』の手法がそうなんです。いつも何かおもろいこと言うたれって。大阪人は、『おもろい』ことを重視します。特に目に見えるもん、手で触れるもんについて、人の言えへんことを言う。それを『おもろい』と感じる」

そういえば、うがい薬も身近に目に見えるものだった。吉村知事の先輩で「維新旋風」の立役者、橋下徹元府知事がそうだった。公務員や役所、新聞など「目に見えるもん」を「敵」に仕立てて市民の関心をひき、徹底的に「敵」をやり込める政治手法である。しかし、その「おもろさ」は、大阪の街が育んできた人と人とのコミュニケーションを包み込む大阪人本来の「おもろさ」、江さんが言う「街場のおもろさ」とは違うのだ、という。「それはテレビタレント的なおもろさに過ぎません。20年ぐらい前から、芸人がずらっとコメンテーターを務めて、政治からタイガースまで過激なことをしゃべるバラエティー番組が大阪でも増えました。そしておもろさが変質した。大阪本来の『街場』のおもろさではなく、メディア的なおもろさになった。橋下さんもそういう番組で有名になって政治家になった」

メディア受けすることを言う。「敵」は過激にやり込める。それを「おもろい」と感じる人が増えた、ということか。「おもろさ」とは違うけれど、今回のコロナ禍では、大阪府の感染者数は東京に次いで全国ワースト2位にもかかわらず、毎日新聞世論調査(5月23日)などで、「コロナ対応を最も評価する政治家」に吉村知事の名前が挙がるのも不思議である。「テレビによく出て、それこそ『おもろい』ことを言うからでしょう。あの会見も同じです。うがい薬を手に入れようと、多くの人の混乱を招くことが分かっていながら、『おもろい』からやってまう。会見をそのまま流したメディアもひど過ぎます」

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New York Times, August 6, 2020