富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

甥カールへの父性愛


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大公報も蘋果日報も一面トップで伝えるこのニュース。香港大学で副教授を解雇 「雨傘運動」提唱者の一人:朝日新聞 は確かにこの戴先生の反政府的政治運動弾圧で「香港では一般的に副教授以上の大学教員の身分は定年まで保障されており解雇は異例」なのは事実だが大学は教員の学業実績評価は当然で戴先生が学究実績に欠け大学から報酬もらいながら政治運動に批判あつたことは事実。それを放置しておいたら「大学は何ういふ方針で教員雇用してゐるのか」と批判されても致し方なし。戴先生の処分で「香港の学術自由の終焉」といふのは如何なものか。

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今朝も「みのり」のテンダーパンをいたゞく。テンダーパンというのは一般的な言ひ方なのか、柔らかいパンといふ意味なのだらうが。

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日曜日に芸術館で吉田秀和『私の好きな曲』から<第九>がなぜ素晴らしいのかを和声的分析でなるほどと思ひ何うせならちゃんとスコアもあつたらとネット通販で入手。良品の古書で価格1円+送料。いつも、この1円古書は何うやつて利益出すのか?と不思議だが送料が250円とあつても同書店に数冊同時に注文すれば実際の送料は250円×冊数より安くなるし配達会社との契約で割引もあつたりで、そこに多少なりとも収益があるのだといふ。閑話休題。この全音のスコアを読みながらカラヤン=ベルリンで<第九>を聴いたが中学生の頃に比べ自分の動体視力がどれほど落ちているか痛感。そして、このスコアブックで諸井三郎先生による曲の解説があるのだが曲以前に、この時期のベートーヴェンがどのやうな心理的状況にあつたのか、甥カールへの「父性愛」の失敗が、どのやうな人類愛になるのかの下りは「こゝまで書くか」で読んでゐて尻込みするほど。カラヤン交響曲は、そのカラヤンベルリンフィルのLP全集を中学の卒業式の帰りに母が卒業祝ひにと買つてくれて、それを母も今も覚へてゐたがアタシももう少し年をとれば2番、4番と8番も良さがわかるやうになるかしら。母がぽつりと「4番は渋い」と呟く。御意。

畏友・ヰリアム鄧達智兄が数日前に感染確証。それから入院まで80時間以上要したのは香港も感染第三波で医療機関も混雑ゆゑ。アタシの知己のなかでの感染は彼が初めて。洞察の眼力ある彼らしく入院後の状況を蘋果日報に送稿で興味深く読む。