富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

疫禍帰国


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昨日の林鄭裁定にて卡拉OK、竹館つまり雀荘と夜店は14日の営業停止となりHSBCは創立以来初めて配当取り消しの由。

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中環から朝のAirport Expressに乗れば車両見渡しても乗客余の他にないことも3月上旬の時と同じで今更驚かぬが空港でCXのカウンターエリアに参ればF&CMarco Polo Clubの一角には旅客一人として見かけず。 

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今日のフライトは、これだけあるだけでも逆に驚きだが30便ほど。これは平時なら1時間半くらゐだらう。成田行きのCX520は飛ぶか何うかも不確かでYで押さへてゐてチェックインでアップグレード尋ねると規定で1級以上はダメですよってんでPYに昇級してもらふ。出境せば食堂も1軒くらゐは開けてゐるのかAmexのラウンヂに行かふと無人運転の高速シャトルに乗らうとすれば運休で辛うじてイミグレ直近のPriority Loungeが開いてゐて魚蛋米粉を啜り腹を満たす。

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疫埠のごとき空港でシャトルも走つてゐないのにアタシの飛行機は35番ゲートで随分と動く歩道を進むとYの字の枝先は閉鎖で突き当たり。成田行きには40人くらゐは乗客がゐたかしら。Y席も閑古鳥なので下手にPY席に昇級してもらふよりYの後部でも1列占拠で横になつた方が楽かもしれないが今日は預け荷物40kgもありチェックイン の際にYで超過料金10kg分をマイルで払ふよか1万哩でPYにして荷物の超過は免除で如何です?「PYでお隣の空いてゐる席ご用意できますから」と機転の利く職員にお任せ。機内食も疫禍で負担削減の最中に卵ペーストのコールドサンドと温かいピツァタルトが意外と美味。こんなものでも高カロリーは時節柄ありがたい加茂。機内の映画で〈男はつらいよ〉で昨年の〈お帰りとらさん〉見る。昔の名場面につい涙腺も緩むが(太地喜和子演じる「ぼたん」贔屓のアタシ)それを除けば満男と泉(後藤久美子)の後日談にさして興味もなし。


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成田に到着。成田も閑散としたもの。 第二ターミナルで延々と歩かされたのは無人シャトルがなくなつて動く歩道になつてヰたためと後でわかる。先ず検疫。検疫深刻地区からの渡航者かPCRテスト待ちなのか距離置いた席にポツン/\と座る姿が廊下の向かふに眺めつ検疫場所へ。何だか係官だけたくさんゐるが共通認識もあれこれとれてゐないやうで上司らしきオヤヂが若い検疫官を人前で叱つてゐたのが醜悪。予め機内で記入した健康カード提出すると「これぢゃダメなんです、これ以前のやつで」といはれ確かに健康カードに「過去2週間に武漢市、湖南省に滞在しましたか?」から始まり「今更これかよ?」と呆れたがCXが積んでゐた、このカードは古いものらしく(何週間前だ?)武漢湖南省だけでなく欧州だの米国だの記載したカード示され追加事項に質問受けるが香港は中共とはいへ湖北省浙江省以外なので「14日間は自宅なりで「待機」してください」。その上で検疫官から「買ひ物とか外出する場合も公共交通機関は使はないやうにお願いします」といはれる。隔離なら隔離の方がわかりやすい。この「待機」としつゝ「外出する場合は」がよくわからない。書類に追加記入だの「要請書」に合意の署名だの(そも/\要請にどれだけ法的な拘束力もたせるのかも疑問だが)署名も鉛筆でさせられ検疫官も付け焼き刃での措置で大変なのだらうが思はず「あの鉛筆で署名って……」と口走れば「いえ、この鉛筆は使ひ捨てで感染防止に」といふから「いや、さうぢゃなくて場合によつては法的措置の証拠となる書類に鉛筆で署名といふのは……」と伝へたがどこまで意図伝はつたかしら。結果的に今日のこのフライトになつたが二転三転あり二週間前だつたか最初に押さへたのはSQで当時は新加坡経由が香港→新加坡→東京が最も確実といはれ、これを4月1日で押さへたら翌日、新加坡が乗り継ぎも含め外国人来星禁止でその翌日に両フライトとも運休決定。次に押さへたのは経営も危うい香港航空で数日に1便飛んでゐて1日(昨日)の予定がこれも運休。で今日の、このフライトになつた次第(いずれも後日、返金で助かつたたが)。それが昨日既に外務省「日本における水際対策強化(新たな措置)」 といふ指針出たことによつて今日24時以降に到着のフライトについては入国拒否対象国・地域も拡大され対象国・地域からの入国者につきPCR検査の実施対象。香港も含む中共全域もこれの対象でぎり/\の駆け込み入境となつたのだが。(翌日付記)そのはずがアップデートの情報を見ると水際対策で新型コロナウイルス感染症に関する注意喚起について(4月3日) | 成田国際空港 こんなPCR検査を空港で各々やつてゐるのか不明。

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書かされた要請書(この下部に鉛筆で署名済み)を後になつて読んでみると日本文と英文で先ず日本語にある14日間の待機が英文になく日本語で「公共交通機関を利用しない」には次項で「使用は控える」と婉曲な表現ある(これは上述の「買ひ物とか外出する場合も公共交通機関は使はないやうにお願いします」につながるのだらう)のに英文では“Don't use pubilic trasportation”なのである。とにかく「やってゐる感」以外の何ものでもなしの矛盾ばかり。
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千葉より利根川渡り茨城では北浦の豊かな流れを眺める。晩は自宅にて母がたけのこご飯を用意してくれてゐた。