富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

武漢肺炎 法定伝染病に


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昨日、中联办で骆惠寜・新主任の初記者会見あり。通常、敷地内の屋外で記者会見するが西環は強風だつたさうで蘋果日報は立場新聞など建制派も目の敵とする反権力紙も含めマスコミを中联办建物内に招き入れ記者会見の遅れに飲料まで供したのだといふ。骆主任がかつて省党委書記務めた安徽省政府から送られたといふ〈黄山迎客松〉と大した水墨画を屏風にした記者会見で骆主任は冒頭、マスコミの報道に対して「勤奮敬業」と労を犒ひ一国両制の維持で香港社会安定に尽力と述べるに止まるのも稍鬆の策か。「止暴制亂」の四文字も挙げず。前任の王志民はよくわからない人物だつたがゐなくなつてみれば悪口散々で建制派集めた会議での講話は数時間に及び「お山の対象」そのもの、大公報など左紙には中联办と自らの言動に関して記事の扱ひや内容に厳しく翌日の朝刊に掲載する記事の内容審査が夜中三時に及ぶこともあつたといふ。王志民更迭を実は喜んでゐるのは建制派と左派紙だといふ揶揄あり。

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武漢肺炎につき香港市役所が今日になつてやつと法定伝染病扱ひ。政府將刊憲將「嚴重新型傳染性病原體呼吸系統病」納入《預防及控制疾病條例》下法定須呈報傳染病 すでに香港での感染例は20数名に及び12月中旬に武漢で発病あつた後もつと早くに武漢からの旅客に対する検査等の措置しておくべきだつたが、このテの対応はいつも後手。

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武漢肺炎措置伝える大公報(1月8日)

《立場新聞》に警察退官したCannanといふ青年のインタビュー記事「被昔日同袍割席絕交痛如失戀」あり興味深く読む。《立場新聞》被昔日同袍割席絕交痛如失戀 前警員:他們不信抗爭者為公義犧牲「咁戇居」 今では抗議方の活動家。督察(警部)の上級職が当たり前の大卒で、この青年は珍しい員佐級の巡査。督察なら大卒の待遇が勤続20年の員佐級より上の格差社会。命令と服従、恨み辛みにゴマスリ。

  • 這半年來政府及警隊不斷呼籲社會各界與「暴力」割蓆,卻似乎不得其門而入。另一邊廂,「和理非」與「勇武派」相互支持「和勇不分」,大部分市民與警隊處於對立面,社會撕裂日益嚴重,警隊與抗爭者彷彿身處平行時空,互不理解。
  • 大部分警員並不相信抗爭者會為追求公義而自我犧牲,「佢哋覺得示威者點會為咗公義、為咗無錢賺嘅嘢,犧牲咁多時間、前途、甚至自己條命去行出嚟,大部分警察都唔會信有咁戇居嘅人,好多警員嘅價值觀都係利益為先、賺錢為先、安定繁榮為先」。Canaan 眼中閃過一絲無奈,「我諗呢個都係其中一個原因,導致示威者同警察或者藍絲,思想上有咁大分歧。
  • 更多的現任警員,對自己的工作並沒有多加思考,「只係覺得自己維持治安,就係英雄」,部份警員甚至很喜歡「打仗」又或是槍械愛好者,覺得處理前線衝突「幾刺激,幾好玩」。
  • 但不少警員卻認為是「示威者搞事先,用武力去制服係好正常」,有些警員則覺得要展示威信,絕對地制服示威者,「當然有部份係控制唔到自己情緒,因為呢半年佢哋精神壓力都好大,好多警員被起底,被身邊朋友完全 isolate(孤立),所以佢哋要在這些場合發洩出嚟」。

香港警察がもはや常軌を逸し狂気の世界なのは自明のこと。これを正常化するには独立調査委設置と組織の抜本的改革しかないのだが。

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▲香港で「日本男児」……「中国男児」だときつと勇武派の打毀し対象だが。何うせなら「香港男児」が時節柄ウケるのでは。この「燈屋美装」というのが気になつたら、なんと香港でデコトラ好きだった!(こちら)。

▼久しぶりに本をちゃんと一冊読む。といつても肩が凝らないところで柳家小三治『ま・く・ら』(講談社文庫)。小三治師匠といへば噺のまくら面白いことは定評あり。30年くらゐ前からだから師匠50代で脂ののつた頃。上野鈴本での独演会はちゃんと音源ありだつたが他に博多での定例会や横浜労音など「記録用」で主催者側が録音してゐたものが素材。講談社の川俣さんといふ編集者が小三治に「まくらだけ集めた本を作りたい」と、これは妙案。だがアドリブであつての「まくら」であるし何れだけ長くなつても寄席の高座だからの面白さで文字起こししてしまふと、多少くどいところもあり。小三治といふと昭和のアタシにとつてはまだ中堅なのだが師匠ももう卒寿とは。

ま・く・ら (講談社文庫)

ま・く・ら (講談社文庫)

 

▼一昨日、築地ならぬ豊洲の初競り。すしざんまいの社長が大間のマグロを1.9億円で競り落とし。

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この競りで、すしざんまいと香港の(当時、絶好調だつた)板前寿司のリッキー鄭威濤が競つてゐた頃が懐かしい。リッキーは2008年と2009年に競り勝つたが10年前で963万円だつたと思うと、その後の高騰は何なのだ……アベノミクスか(笑) 


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▼晋三動静(6日)。新年で伊勢神宮参拝。伊勢の神宮司庁で念頭記者会見。「私の手で憲法を変えるという考えは揺るがない」とか「改憲の内容はここでは差し控えますが、憲法は時代にそぐわない。憲法は国の方向性を示すもの。令和の時代にふさわしい憲法にしようではありませんか」とバカ丸出し。

憲法のなんたるかを全くわかっていない。「私の手で」勝手に変えてもらったら困るんです。憲法はあなたの手を縛るためにあるのです。憲法をもう一度読み直し顔を洗って出直しなさい。(市田忠義

アベノミクスの成長戦略はことごとく失敗して残ったのはカジノだけ」(前川喜平)である。厚顔無恥とはまさに晋三。こんなバカが7年も首相してゐても国が潰れないのは考へ方によつては日本の民度はかなり高いのか。それにしても伊勢神宮ご参拝から東京に戻り阿佐ヶ谷の焼肉屋って……。

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