深夜に警察が理工大に突入。警察はこれを事実否定、あくまで路上での抗議活動鎮圧とする。学長が未明に大学に立て籠る勇武派の学生に対して「警察と協議の上、学生の抗議活動停止と学外への退去に猶予を確認したので安全に撤退すること」と求める。学生らはこれに応じようとしたが警察と何らかの小競り合ひあれば警察はそれを理由に催涙弾等で強硬な鎮圧を再開し収拾に至らず。
中継を見れば正面玄関前にまるでキャンプファイヤーの残り火のやうに炎上が続く。「催涙弾放題」といふ見出しも異様だが「放題」は日本語の「食べ放題」定着して「放題」だけが「名詞+放題」で「無制限」の意味で使はれる。
マスク禁止法につき民主派議員らが求めた司法審査でマスク禁止法は「一部、香港基本方に抵触で違法*1」と香港高裁。司法の意地。中共的には政府決定を裁判所が覆すなど野蛮も野蛮か……なーんて嗤つてゐられないのは日本。環境権や「一票の格差」みたいなこと除けば自民党政権に異見は表せぬ司法。晋三の「桜を見る会」も晋三に突っ込んでバカなコメントとつたり国会で予算委審議云々とやつてゐるなら、このやうな司法審査でも出来れば手っ取り早いのだが。
昼休みの中環での抗議活動の定着と持続。Lunch TimeならぬLaunch Timeの如し。症状に入つてみれば 暴徒は商場内まで星巴珈琲を「改修」に来ないと思ふのだが商場内の星巴も臨時休業。美心集団系の大家樂が暴徒の打毀しに遭ふなか競合する大快活は商売繁盛。
昨日、理工大付近で勇武派が放つたアーチェリーの矢で脹脛負傷した警官を林鄭が慰問。暴力行動を非難。「林鄭による反送中条例によつて」負傷した市民は絶対に見舞ひしもせぬのに。どこかでこれほど嫌悪されようか。
理工大学鎮圧で九龍振るひあちこちで抗議活動。道路閉鎖。尖沙咀と油麻地のMTR站は午後から閉鎖。百聞は一見に如かずで出かけてみる。佐敦でMTR站を出ると催涙弾はないが埃もひどく異臭あり。そんななか自動車通行も不自由ななか結婚の披露宴に向かふ若者たち。
理工大には近づけず警察が封鎖する前線は静か。
このやうななかで昌記酒荘も健気に営業中。エロ系サウナも卑猥にやつてゐる。世の中は強か。
尖沙咀側から警察がNathan Rd上で催涙弾撃ちながら北上。勇武派も旺角側へ撤退。催涙弾で直撃されてゐないから症状は軽いが喉が痛み涙が出て鼻水が止まらず。それでも油麻地の果物市場は開いてゐて油麻地の街娼も路上で客引きを続けてゐる。
若者がゴーグルにマスクで厳重な催涙弾対策をして撤退で走るなか一本裏の街場に普通に佇む年寄りたち。彼らは咽びもせず小さな公園でカードで賭け事してゐたり新聞読んでゐたり。呼吸が浅いのか神経が敏感じゃないのか目も普段から涙目で催涙弾も気にならないのか……日本の侵略や国共内戦、文革など混乱のなかで難民だつた過去もあらう彼ら年寄りの何にも動ぜぬ、この強さ。さすが世界一の長寿誇る香港である。
警察午後4時の記者会見で催涙弾を数へるとき「何枚」なのが気になる。
日本語だと紙とかシーツは何枚ですが、これは中国語では「張」。「枚」は名詞で「木の幹」。なるほど催涙弾の弾筒は木の幹を短く切つた形。これなら何枚か。反送中、逆権運動といふ貴重な体験で林鄭はさまざまなことを私たちに教へてくれる。
午後十時の住宅から外に向かつての抗議の叫びはいつにもまして今晩は半時間経つても続いてゐた。理工大ロックアウトしてゐた学生+部外者は周囲が幹線道路に囲まれ視界もよいなか警察に睨まれ大学から脱出するにも能はず。紅磡站との歩道橋の高所から自動車道に縄で降りて救助のオートバイに乗せてもらふ決死の逃亡もあり。
理工大構内には中学生も百名以上が抗議活動に加担して籠城。民建聯の元代表で立法会議長も務め最近は微妙に建制派から距離を置く曾鈺成が香港大学の法学者・張達明らと理工大に近い香港消防本部に陣取り理工大の混乱収拾に警察との協議など進める。中学校校長も多く集まり18歳以下の学生については警察は本人確認するだけ身柄拘束せず校長同伴での離開に合意となり深夜、 曾鈺成と張達明を筆頭に校長らが理工大敷地内に入り未成年を保護始める。曾鈺成、それにしても任侠のやうな雰囲気で何を企んでゐるのか。
新聞で写真だけ見て香港か?と思つたらボリビアであつた。