富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

中大抗争者撤退


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「暴大」の抗議活動が一先ず撤収に向かふらしい。 暴大の学生会は抗議継続の方針であつたが二號橋の前線に陣取る勇武派が撤退を表明。学生会は前線の意思、決定を尊重する、と。かうした運動では運動方針の対立や内部闘争で運動が失敗に向かふものだがリーダー不在で、この多様性はいつたい何なのだらう。これで今週の月曜に西湾河で勇武派の若者が交通警官に撃たれてからの抗議過激化は収まるのか、と思つたら暴大の温度低下に反比例するかのやうに港大がPok Fu Lam Rdに大学から雑物投下で道路封鎖し理工大の抗議活動が激化。だが過激な抗議活動が大学に収斂されてゐる。これであと一週間何うにか保てば区議会選となる。


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それなのにMTRは14日から22時終電。中環站は破壊されてもゐない出入り口が封鎖されたまゝ。市民に不便強いることで「蔓延する反政府暴動」が印象づけられてゆく。 


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秋晴れの土曜日。香港同志遊行は警察の遊行実施許可下りず中環のエヂンバラ廣場での集会開催のみとなる。台北や曼谷に比べると香港のこのゲイプライドは本当に地味なのである。先月、暴漢に襲はれ頭部負傷の民陣前召集人・岑子杰君も元気さうな姿を見せてゐる。香港郵政総部の壁に香港のこの抗争で命落とした人たち追悼といふ壁書きあり。


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早晩にFCCで競馬やもろもろの記事書き手であるT氏と会ひ香港の状況についていろ/\お話しする。某週刊誌の記事執筆のための取材の一環。まとめて話さうにも本当にまとまらなくて申し訳ないほど。

  • 一国両制は「社会主義国家が資本主義体制の香港を維持する」ではなく「人権も民主主義もなき一党独裁国家が自由主義、人権、民主主義を標榜し普選も実現しようとする香港を統治する」といふ明らかな矛盾に満ちた実験であつて、そこに解決できない矛盾があることは当初から明確。それでも何うにか繕ふこと、さうしてゐる間に中国も体制が変はつてゆくであらうといふ認識。香港が変はる必要はないといふ前提。
  • 逃亡犯条例は林鄭は台湾での事件解決のためには善意。難航する23条立法に向けての意図はなく逃亡犯条例で政治犯を扱ふ意思もなかつた?たゞ23条立法を求める中央政府に何らかのゼスチャーになるといふ意識はあつたか。
  • 市民の逃亡犯条例反対の意識が予想以上に高かつた。銅羅湾書店事件など異見者が香港で身柄拘束され大陸に連れ去れれる恐怖。習近平政権になつてからの締め付け。雨傘の時との状況の違い。
  • 逃亡犯条例改正は困難と判断したが「撤回せず」は中央政府の判断か。「立法化無期限延期」など曖昧な対応は失敗。
  • 警察の暴力化。この変貌の理由は。雨傘にせよ抗議活動に対する政府の軟弱な姿勢。それの鎮圧は警察で強度な鎮圧手段がとれず、そのジレンマ。抗議方市民の警察敵視(七刑案もあり)。林鄭は警察の暴走を抑えきれず。唯一の味方。独立調査委の設置は警察が認めず、これを強行した場合の警察の士気低下は林鄭にとつてリスク。
  • 区議会選に向けての抗議方と建制派、政府や警察とのバランスゲーム。

大学での勇武派による抗議行動は「暴動」のはずなのだが何だか学生キャンプに見えてしまふ。バリケードを気づき城を建てゝ敵を迎へ撃つ鍛錬をしての集団生活。


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The New York Times "Can Hong Kong heal?"


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今日の蘋果日報で陶傑先生の「勿把主席拖下水」は傑作。習近平巴西に外遊してまで香港について声明を発表。香港政府が法に基づき香港の安定に努めることを期待、中央政府の一国両制についての方針は些かも変はらず」と。この声明に基づけば情勢不安定は林鄭、特区政府と香港警察の「小三位一体」つまり「小三」の失態であり党中央、中央軍委と国務院政府の「大三位」つまり「大三」には落ち度もなく方針にブレもない、と。確かに。

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