富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

林鄭訪日

農暦九月廿三日。晴。先週、テレビつけたら神保町は「田村書店のおじさん」(ご店主に非ず)が出てゐて「ん?」と思つたら俳優・市村正親の高校時代の親友だつたのださうで、そのテレ朝〈あいつ今何してる?〉を改めてネットのストリーミングで見る。この島崎氏が川越の高校時代に演劇部の演出のやうなことをしてゐて正親さんに主演役をしないかと声をかけたのが大市村が芝居を始めるきっかけになつたさう。高校を出て島崎さんは家業の青果店を継ぎ演劇の道に進んだ正親さんを随分と応援。島崎さんは還暦前に家業を閉じ田村書店に入られてゐたのだといふ。

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昨日の〈九龍大遊行〉は民陣申請が警察の反対受け民陣幹部ら個人で遊行となり十万市民が呼応。重慶マンション前では南亜裔が抗議活動に好意的で「我ら香港市民」と叫び……そこ迄は和理非で黒蟻団現れ狼藉を始め警察が鎮圧……といつもならそのパターンとなるところ警察の「まさか」の清真寺への色水放水で話題の主役となる。本当に予想外の展開が興味深い。

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明日の日本天皇即位祝賀に赴日するらしい林鄭が本日、昼前に警察処長連れ尖沙咀の清真寺に参り在港の回教幹部らと面会し昨日の寺門前での褻瀆を謝罪。

f:id:fookpaktsuen:20191021144056j:image何度考へても昨夕の清真寺放水はワケがわからぬが偶然の事故とは思へず警察の現場の指揮系統を何処まで警察内で幹部が抑へられてゐるのか疑問(林鄭の管轄下で動いてゐないことだけは確かだが)。林鄭も警察処長も現場の警官を叱りたいところだらうが「林鄭政府唯一の抑止力」に叱責など能はず。現場も過剰行動が不問であること承知での狼藉。


警察への信頼など地に堕ちたどころか地獄行きで8月の建制土共による〈守護香港〉に香港の少数民族代表で登壇し香港政府と警察への信頼と支持表明した香港印度協会のMohan Chugani氏が昨日、偶然にもこの色水攻撃で被害に遭ふ。警察の清真寺への放水は意図的なもの、もう香港警察は絶対に信用しないと怒り心頭(日本語字幕つき)。まさか香港の回教徒や印度人社会まで敵に回すとは。当然のやうに中共ウイグル弾圧、対印対立も彼らにとつては念頭にあるわけで香港の反送中から逆権運動が米国、印度からイスラム世界!まで含めた大きな問題の中に入つてしまつた。関係ないのは日本くらゐか。その日本に諸悪の根源、千古罪人の林鄭が今日本当に出かけたのだらうか。それこそ黒蟻団は林鄭訪日阻止とかやつてくれゝばいゝのに。

香港でもあまり話題にならぬ林鄭訪日。ジャパンタイムズが溜飲が下がるやうなきちんとした記事にしてゐる。

Lam was set to leave Monday for Tokyo to attend the enthronement ceremonies and will return Tuesday evening, the Hong Kong government said in a statement. It was not immediately clear if Lam had been on the initial guest list, which includes Chinese Vice President Wang Qishan, who will represent his country, or if Lam will be part of Wang’s delegation. 

ありがたいことに180余の国や国際機関から参列なのださうだが香港は国としては中共で国連やEUなどの国際期間の他、パレスチナ暫定自治政府など国に準じて参加だが香港と澳門の特区市長などさうした代表の面々からは格下であくまで中共代表団の一員扱ひの由。その明日の天皇即位礼につき今日のNHKのNW9で京都の法衣店・井筒での取材で、この店に黄櫨染御袍のレプリカあり。その説明は平成の即位礼で装束の着付けを担当の衣紋方で今回も携わる元宮内庁京都事務所職員の岡本さん。黄櫨染御袍を「これが、天皇が着る……」とあまりに説明が平易。宮内庁の職員など「お上がお召しになる」くらゐ言ひさうだが意外とこんなものなのかも。

▼台湾での香港男女間での殺人事件で加害者男子が台湾に出向き自首といふ話、林鄭は本人の誠意尊重で猶予図る旨述べてゐたが台湾当局が香港居民間での殺人であり加害者が香港で所在も確かなのだから何故に香港で警察、司法当局がこれを扱はぬのか裁かぬのかと見解。台湾当局はその捜査と司法手続きに十分協力する用意があると。香港側は台湾に送つてしまへば、だつたが台湾側は逃亡犯引渡しは双方の従法での手続きによるものであり本人が単独で自首に来るなど笑止千万、香港政府の逃亡犯条例改正の判断の浅慮を見事に突いたやうなもの……だが民進党政権のかなり政治的な思索でもあり。また、この男子が入獄中に基督教に帰依し今回この「自首」を主導したといふ神父が実は中共系の基督教団体の所属で、この判断に中共が関与といふ噂もあり。それで台湾側の判断も慎重といふ。