富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

盼年輕人能夠體諒大局(李嘉誠)


f:id:fookpaktsuen:20190910090148j:image

f:id:fookpaktsuen:20190910090152j:image

831の太子站騒乱にて警察暴力で数名の死者ありといふ話、警察と消防は否定するが反送中側では実しやかに語られ太子站出口に祭壇まで設けられ弔花手向けられる。大公報はこれに噛みつき「死者」がゐるなら親友が登場し作証せよ、と。それも一理あり。だがマレーシア航空機失踪のやうに何事とて抹消は可。如何なる疑ひも晴れず。蘋果日報は「宿敵」李嘉誠に好意的な一面トップ。李嘉誠が自ら建立の大埔慈山寺での「慈悲大愛傳燈法會」の場で初めて反送中に言及。「希望能夠和和平平,因為香港很多年很多年,除了二次世界大戰外,今次是最大最大的衝擊,如果現在這樣繼續下去,是非常不好」と擔心を語り説教。

香港人能夠渡過這個難關,盼年輕人能夠體諒大局,而執政者亦能對未來主人翁網開一面,雖然法律和人情有衝突,但是任何事在政治問題,都要兩方面,大家能夠為對方諗一諗,就好多大事可以化為小事。

(英訳)I wish Hong Kong people can get through this difficult times together. I hope the younger generation will comprehend the bigger picture, and the government will give the future owners of Hong Kong a way out. Although there might be conflict between law and humanity, I hope both parties can put themselves in each other's shoes and figure out a better solution.

本日、農暦八月初十。晴。昼にFCCにて来港中の香港政治専門・K教授ご夫妻と家人とで昼食。K先生は干炒牛河(Deep Fried Cow River)大好物でK先生が東京で香港問題分析で疲労の極みとFacebookに書かれた時、アタシがFCCで昼に干炒牛河を食べて「せめて画像だけでも」と送つたら「目の毒」といはれ次回来港の際はご馳走しますと約束で今日。さすが中共に香港内政干渉する外国勢力基地と叱られるFCCならではの美味と喜んでいたゞく。晩に理工大学にて某研究会ありテーマは「反送中問題」で末席を汚す。この会合の中で反送中に賛同する若い方から雨傘運動の失敗あり今回の反送中が香港にとつて一国両制と香港の人権や自由を維持する最後のチャンスの運動であり、もう後がないといふ発言あり。それは〈絶対的な中共〉との対峙。だが2047年まで中共が今の体制を何う維持するのか、そこにも何らかの変化あるわけで習近平体制の〈今〉が本当に最後の機会なのか?と今日の話し手からもコメントがあつたが、それでも反送中の若者たちにとつては我々の世代よりも深刻な憂慮あり。

f:id:fookpaktsuen:20190911130351j:plain

 今日の朝日は香港についての詳しい記事が三本。香港デモ、分断と疲弊 抗議拡大3カ月 は警察官の父と抗議者側の娘といふ家族の葛藤、観光客減と消費低迷の小売業主の反送中への思ひ、警察の拘束に怯えつゝ学校生活送る学生といつた社会の姿。そしてアンソン陳方安生、倉田徹教授による現状の分析。

<解説>香港、若者闘う背景は 中国向いた行政に反発

アンソン陳方安生の指摘は正論。だが正論が中共を前には通らない現実。倉田教授の語るところは、まさに上述の研究会での若者の心情を見事に理解されてゐる。倉田先生が指摘してゐる今回の抗議運動の下地となつた内地からの急速な人やカネの流入による香港の生活経済基盤の不安定化。それの更に前章には香港の官商勾結といふ地元財界が政府に強い影響を与へる構造があり、それに対しての中資流入による構造変化があつたわけで(反送中の現状ではそれどころではないのだが)本来さうした点から香港の社会問題を考へなければならない。

f:id:fookpaktsuen:20190911134216j:plain

そして三本目が(インタビュー)香港、自由への闘い周保松・香港中文大学副教授

香港は世界の民主運動の中にあって、冷戦期のベルリンのような位置で重要な経験をしています。ここは中国共産党全体主義勢力と対峙する最前線なのです。世界に大きな影響を与え、覇権を握るかもしれない国を相手に、香港は自由の闘いをしている。これは中国がどの方向に行くかを決める闘いであり、中国本土市民の自由のための闘いでもあり、各国にも影響する。

送中の側からの現状認識と卓越した前向きな展望。「経済人だった香港人が政治人に転換」これはまさに全盛期の香港変換前どころか天安門事件前から香港を知る者にとつてはまさに感慨。この周保松につき(偶然だが)今日の林行止専欄が取り上げてゐる。

少年意氣有理造反 人以群分同胞分類? - 林行止 - 信報網站 hkej.com

アンソン陳方安生主宰の公民實踐培育基金で先週、周教授が《自由之夏》と題しての講演。

提及這場沒有大台的反修例運動,指出「每一個香港人都改變了自己,不再是經濟人而是政治人,關心香港政治社群的共同利益。」又說經此一役,香港人「不再以賺錢為上,實現更高更遠的人生價值」。是鞭辟入裏的中肯之言。這場持續已近三個月的抗爭運動,無可置疑地改變了香港和香港人的命運。

寡聞にして知らず、であつたが〈灼見名家〉といふ論壇サイトに講演の全文掲載あり。それにしても林行止先生、高齢病身にあつて、その知識欲に敬服の至り。

今晩、銅羅湾に突然、赤シャツの若者たち集結の由。何かと思へば蹴球世界盃カタール大会のアジア2次予選で今晩、香港スタヂアムで香港対伊朗。この香港チーム応援は即ち反送中。

f:id:fookpaktsuen:20190911085310j:plain

Chinese national anthem booed and human chain formed at Hong Kong v Iran World Cup soccer qualifier as protests enter the sporting arena | South China Morning Post

試合前の国歌吹奏で中国国歌に背を向けブーイング。

f:id:fookpaktsuen:20190911080236j:plain

Protesters’ newest theme song, ‘Glory to Hong Kong’, echoes through city’s shopping malls as crowds gather for peaceful rallies | South China Morning Post 

そして昨晩の太古城に続き香港各地の商場で市民集まりシュプレヒコールと〈願榮光歸香港〉の大合唱。この歌が反送中の主題歌となつた。

f:id:fookpaktsuen:20190911161356j:plain


香港に栄光あれ《願榮光歸香港》抗爭者進行曲【香港9月8日】 Glory to Hong Kong

この歌の誕生についての記事:「香港之歌」誕生? 《願榮光歸香港》音樂是凝聚人心最強武器 | 立場新聞

f:id:fookpaktsuen:20190910102210j:image

この尊子の4コマ漫画、中文でも広東語なので解説すると

  1. 警察「デモ隊の群衆、すぐにこの場を離れろ」
  2. 警察「こら、逃げるな」
  3. 市民「すみません、あっちでは離れろといい、こっちで逃げるなで、どうすりゃいい」
  4. 警察「ったく、こいつらみたいにすりゃいいんだよ」地べたを這ふマスコミ、地産商、金融界と航空会社