富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

元朗衝突-渉「警黒勾結」

農暦六月廿五日。晴。これまでの香港市民デモがいずれも警察の「不反対通知書」発給での合法活動だつたのに対して本日午後の元朗は「光復元朗」デモに警察は反対通知発給。それでも721の白色テロと警察の不誠実な対応に市民の怒り。

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すわ何が起きるのか。大馬路でのデモは実施されないが個々が勝手に元朗で歩くことは自由で「光復元朗」で提示されたルートもあり付近の商店や銀行など多くが臨時休業。

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本日土曜で朝、FCCに朝食に向かふと港島線のMTRにも朝から黒衣戦士たち。よくぞこの軽装束で重装の警察と対峙するもの。

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昼に銅羅湾で外に出ると太陽は天頂から強烈。日影も自分の足元だけ。

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普通の醤油ラーメンが食べたいと思ふ。銅羅湾登龍街のラーメン屋で「とんこつ」ばかりの中で醤油ラーメンといふ看板メニュー見つけ、しかも「半ラーメン」あり、それでもHK$57(800円)もするのだが注文したら、これ。

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背脂といふのかしら、こってりでアタシが思つてゐた醤油ラーメンとは別物。このラーメン屋「旭川らーめん」の梅光軒といふ。

元朗には多くの市民集まり大馬路にまで歩行者隘れ自動車や軽鉄走行遮断され結果的に大型の市民「デモのやう」だが形上、自然にさうなつた結果。

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誰だかわからぬが発表で28万人だかが元朗に集結といふ。これまで時間許す限り市民デモの場に身を置いてきたアタシは今日は用事もあり元朗には赴かず。午後、尖沙咀でWT兄に邂逅。彼は元朗在郷の著名人。今日は元朗にはゐない?と尋ねると全く動きが見えない、知己の多くに今日は元朗を離れてゐては?といはれた、と。

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元朗といふと「老婆餅」馳名。元朗で多くの商店が臨時休業のなか今日は「国際老婆餅日」なんて勝手にされたものだから大同と恒香の老婆餅の老舗両店は平常通りで開業すれば長蛇の列で数時間で老婆餅売り切れ。

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晩は夏らしくトウモロコシ頬張り自家製コロッケ少し。

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午後5時過ぎ、警察は道路上の「市民」に道路占拠は不法行為であり、このまゝでは治安のため抗議者の排除に動き出す、市民の元朗からの離出のためにMTRは元朗発の臨時列車も運行する、と路上で通告。721の反省もあつての対応か。それに応じぬのが黒蟻の群れ。日が暮れて蠢くのを待つてゐる。昏刻となり路上不法占拠する黒蟻の群れを警察が防暴隊により排除に動きだし催涙弾など放つが市街の密集地で集合住宅や窓を開けたまゝの老人ホームなどあり。白衣の愚連隊は警察が村落守るなか蟄居。黒蟻と警察の対峙続くが晩8時過ぎに黒蟻の群れは後陣から元朗站に向かひ退去始め、さうなると動き早く今日の元朗衝突は早い時間にあっけなく、いずれにせよ恐れられてゐた騒乱もなく終はるのかと思ひ……きや、さうはさせぬは香港警察。元朗站構内に黒蟻たちが還るのを見てとつたかのやうに警察の速龍隊(特別戰術小隊、STS-Special Tactical Squad)数十名が站構内に追撃しかけ站コンコースでの混乱。すでに対立姿勢解いてゐた黒蟻たちがホームからコンコースに戻り警察に防戦。

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映像を見ての通り明らかに「仕掛けたのは警察」で黒蟻たちが防戦でソーシャルワーカーや記者までが警察の暴力の犠牲に。

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712の先週の日曜に元朗の白色愚連隊がしでかしたと同じことを警察が公的暴力として再現とは。警察にしてみれば説明は「非合法活動の取締りとして必要最小限の暴力的手段」なのだらうが、ならばなぜ黒蟻の群れが道路占拠し警察と対峙してゐたときに行動に出ないのか。しかも抗議者たちが交戦体制取らぬときに出撃はこれまで皆無。香港警察は明らかに常軌逸した感あり。警察の中でも警官の間で異論ありと聞く。MTRでは721の元朗で列車をホームに止めたまゝでホーム、車両内でまで白衣愚連隊のやりたいやうにさせたことに職員の間からも抗議の声あり運転手ら数百名が連名で抗議文用意のところ、その仕掛け人とされた運転手が将軍澳の站舎で上司と口論になり興奮した上司がこの運転手に暴力。今日の元朗では白衣懇意の建制派立法会議員・何君堯が運営理事務める嶺南大学が、この大学は元朗から近い場所にあるのだが、学生らが大学での抗議集会と元朗出街呼びかけ……までは想像できるが学生らの呼びかけに学長が理事会で何君堯の進退につき協議すると認めた上で学生らが元朗に出街するのであれば学長の立場で学生の安全も含め「観察」が必要と元朗の路上を学生と歩くほど。良心の呵責に堪へ兼ね社会的立場のある方も少なからず抗議の声上げてゐる。これは逃亡犯条例改正の問題ではなく香港政府の治世管理能力への疑問であり常軌逸してゐる警察の市民に対する治安行動に対してである。

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明日は上環での抗議「集会」。市民デモは時節柄、不許可。それでも721の再来恐れ中聯辦周辺は早々に防御措置。今日の深晩に警察が元朗站で黒蟻たちを追撃して受傷者まで出したことで明日はかなりの規模の集会になること必至。明らかに愚策が愚策を招く状況にあり。

▼華南の清末からのキリスト教史や結社等に明るいKA先生が顔本で元朗について書かれてゐたこと。14Kなどのヤクザ組織の関与なども取り沙汰されてゐるが香港の任侠団体の多くは元々は三合会といふ「由緒ある結社」で太平天国でも香港界隈で活躍の記録もあり。ただ香港新界の村々はそれとは別に独自のアンダーグラウンドな力を有してゐる。村の自衛のための武装勢力清朝やそれ以前の王朝の統治時代には海賊や盗賊からの防衛や村同士の闘争を担ひ英国が新界租借の際も新界の村は連合し武力総動員して抵抗。軍と警察で英国は彼らを屈服させたが、その後は村のことには極力政府は触らず慣習を「尊重」するという特別対応で統治(土地の相続等もさうである)。よつて今も香港の「原居民」はその他の市民にはない特権有してゐたりもする。そして自衛武装組織もなくなつたわけではない。地域の治安といふ面では政府も彼らの「協力」なしに安定は図れない。表面的にどれだけ開発が進み外からの移住者が増えてもディープな村社会の力は消えてゐない。郷議局とか新界のミニバス会社とか新界の様々な組織に彼らのルーツがある。そして元朗での721の白シャツ集団出現。棒を振り回して街を闊歩し街頭でも駅でも集団で殴打。ただプロにしては目立ち過ぎで最終的には村に帰還はやっぱり主力は三合会本体とかより村単位の集団ぽい。そして何度通報しても現場に警察は来ず。白シャツ集団自身の意図はわかららぬが結果的に「統治能力を失いつつある政府と警察への挑発」ではないか、とKA先生。香港警察は都市の市民に対しては近代的な(一応の)法的根拠で権力を行使できるが村の世界に同じやうに振る舞うことはできないことを721ははつきりと示してしまつた。イギリスが百年放置した村の世界は中央権力の届かない在地勢力で共産党が一番嫌ひな存在のはずだが香港では彼らは「親中」といふことに。彼らまでが政府を見くびり始めたのだとしたら香港の統治は本当に崩れてゐるのかもしれない、と。

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26日の台湾の新聞「自由時報」に掲載された香港からの政治広告「保衛台湾重奪香港」。香港が英国領となつた南京条約は清が英国と締結し清朝の対外条約等は中華民国が継承したのだか南京条約を有してゐるのは中華民国(台湾)と英国であり英国から香港を奪つたのが中共。その上、中共は中英合意も踏みにじり香港の一国両制を壊さうとしてゐる。そこで「台湾を守り、香港を奪還せよ」となる。香港が崩壊しても台湾の人々が自分たちの国を守り民主と自由を受け継いでゆくことを祈る。もし我々香港人がひいに敗れ血の海に倒れるとしても台湾と文明世界の全ての人たちが共に立ち上がり香港に再び光をもたらしてくれることを心より望む……。

向為香港人保存了《南京條約》的臺灣人致謝
我們是一群香港人,有幸通過文字在本報章向臺灣人表達感激之情,希望各位不會介意花點時間閱讀。
今天我們之所以有緣以文相會,緣於1842年清國與英國所簽訂的南京條約。後來清朝滅亡,南京條約的正本,就由臺灣人繼承至今。正如臺灣前民選總統李登輝先生曾經指出,在法理上,如果英國想要把香港歸還,那合法的繼承者,自然就是南京條約的繼承者。
對,你們臺灣人著實掌握了南京條約這條香港命運的根源,你們讓它靜靜的保存在臺灣。你們沒有因此向我們要求任何東西,沒有命令我們做任何事,細心而莊嚴地為香港人保管這重要的歷史文件。雖然你們不妄談功勞恩德,但我們反而感受到臺灣人尊重香港人對香港的主權。
相比之下,中國政府為了奪取香港,無所不用其極,包括:把我們從聯合國殖民地名單除名,繼而失去國際自決權利;派間諜組織滲透香港製造內戰;不惜威脅毀滅香港逼迫英國交出香港主權與治權,最終成功威迫英國簽下「中英聯合聲明」,把與中共政權毫無歷史交集的香港交給了北京政府手上。
香港淪陷自此開始。不公平的選舉制度讓議會失去代議功能;他們連年濫用基本法「解釋權」,直接干擾香港的立法和司法制度,破壞香港法治;他們每年單向決定從中國向香港殖民五萬人,消耗香港的公共資源幾至極限;他們不斷羞辱港人,更恐嚇以武力鎮壓,或斷水斷糧斷能源;我們曾經引以為傲的皇家警察,也被他們洗腦成只懂得無差別開槍的軍隊。他們肆意綁架奉公守法的香港市民;不斷的清洗我們的文化、語言、文明與歷史,不斷竭力奪走我們的自由。
中國政府既不尊重《南京條約》,也不尊重《中英聯合聲明》,正如英國外交及聯邦事務大臣 Philip Anthony Hammond 指出,中國已經嚴重違犯了《中英聯合聲明》的莊嚴承諾。
由中國外交部發言人聲稱「中英聯合聲明作為一個歷史文件,不具有任何現實意義,對中國中央政府政府對香港特區的管理也不具備任何約束力」,便可見中國政府的態度與尊重契約精神的臺灣完全對立,他們從不打算尊重與遵守任何承諾,相反卻會單方面以協議約束他人。香港人曾經以世界文明標準天真相信中國政府會信守承諾,結果現在整個香港也得付出沉重的代價。
今天我們僅能以自身為事例,告訴臺灣人與文明世界的所有人,不要相信中國政府的任何承諾,不要相信他們簽署的任何協議。不論《南京條約》與《中英聯合聲明》,對他們而言都只是欺世的廢紙。他們會不斷以承諾欺騙更多人,建立更巨大的霸權 —— 你們必須當心。
我們無以答謝臺灣人對香港的尊重及關懷,但求在此略述港人慘痛的教訓,希望臺灣朋友接納港人勸諫,引以為戒。
我們祝福臺灣人能好好保衛你們的國家,把你們的民主、自由承傳下去。假如香港人以死相搏,浴血奮戰而敗,我們希冀台灣會與文明世界的所有人一起挺身而出,重光香港。