溽暑。連日、香港についてさま/\な言説が流れてゐる。アタシも書いてゐる一人だが日曜の沙田騒動など日本のFNNでは学生らが「ショッピングセンターを占拠した」なんて報じられたり「はぁ?」少なからず。警察もひどいが呟板でこんな書き込みも驚く。
体制に対して何かしらのダメージ与へやうと意図的に狙つた言動なのかもしれないが。兎に角、冷静に。今日の信報の社説 慎防本地政客特朗普化 - 社評 - 信報網站 hkej.com
我們認為,特區政府最低限度必須作出兩項實際行動予以紓緩,其一是正式撤回修例,其二是成立獨立調查委員會,至於示威者的其他訴求則從長計議,透過建立溝通平台商量。示威者的口號之一是「不撤不散」,正式撤回修例是政府釋出善意的第一步。
その通りだと思ふ。その信報で林行止をもう四半世紀以上読んでゐるが常に冷静で知性溢れ社会の見方偏らず不偏不党の香港第一筆が林鄭市長にまことに手厳しいことは特筆に値する。
「高分低能」とは「雖然學生其各方面綜合能力很弱(尤其是情緒控制),但學業成績優異。高分低能現象的出現是錯誤、欠缺成效的教育制度所引致,一般會用此字眼映射中國大陸和香港教育制度的應試教育」確かに学生時分思ひ出すと特に何か優点あるわけぢゃなく情緒不安定だつたりとか何かしら不具なのだが成績だけはとても良く「なぜ、あいつが?」と思ふが進級、進学から就職まで大したもので大人になつてもやはりどこか欠陥のある、さういふ輩は少なくないが林鄭はまさにそれ、で市役所の小役人ならまだ良かつたが行政長官といふ政治力必要なトップとなり政治力どころか政治常識の欠如あり、と。
それに対して台湾への評価。台湾といへば台湾代表する文化人の詹宏志が「香港自由夢」と題して書いた一文が香港で読んでゐて実に悲しいところ。
【片刻凝視】香港自由夢 - 詹宏志 | 蘋果日報 | 果籽 | 飲食 | 20190718
那是年輕的我對香港的深刻印象,她代表的就是自由的空氣,比台灣,比其他華人組成的社會都更自由,如果她將失去自由,我們的夢想與嚮往要投向何處?我們曾想像有一天我們能夠成為香港,我們想的就是那種可以沒有禁忌的思想和議論;不料三十五年過去,台灣社會已經大致忘記自己曾經不自由的時代(她現在是百無禁忌了),但香港卻要為她極可能失去的自由保障走向街頭。香港,那個曾經最燦爛、最光明的東方之珠,如今面臨一場拒絕沉淪的抗爭,做為曾經愛慕香港的一份子,我的內心感到無比沉重。
台湾といへば香港民意研の調査によると香港で「台湾独立賛成」44%越へで年初に比べ9p上昇。反対も44%(同6p下落)で、この賛成が反対と均衡にまでなつたのは1993年の調査開始以来初の由。また台湾の民意基金会調査で台湾で香港の反送中に共鳴は71%に上り台独賛成は49.7%(昨年12月比で15p↑)、前回まで「両岸統一賛成」だつた内の175万人が統一か独立か?の二者選択で「その他」に退いたといふ。逃亡犯条例がこゝまで政治的に大きな影響与へるとは。
この台湾の民意といへば画期的なのは台湾の総統選候補者選定で国民党は信用度高い民間リサーチ会社5社に委託して1万5干人のサンプルから支持率を求め代表候補者を決定したのだといふ。選挙では「党員以外からの得票も重要なので」のこの選出方法はすばらしい。自民党にこれができるか? これをやったら晋三は勝てるか?
ん? このデモは「銀髪族黙静遊行」で「声を荒げず」が主題。確かにQueensway横断のあたり渋滞で苛々して「林鄭下台!」とスローガン叫んでゐる参加者もゐるにはゐたが先頭の代表者たちや「シュプレヒコールといへば」の梁「長毛」國雄君ですら沈黙で行進してゐた。全体としては無言デモであつたはず。
それでも朝日新聞の益満特派員は香港のことをよく伝えてゐる。
今日の最後に、信報で林行止引退なら後を襲ふのでは?といはれたが林行止の「難しい内容を読みやすく」の筆致に比べ「読んでも読んでも六ッかしい」 練乙錚のこれ。
反送中正改變世界輿論 抗爭升呢方可血債票償 - 練乙錚 | 蘋果日報 | 要聞港聞 | 20190718
顔本の「富柏村」にテキストあり。要点まとめておくと
国内で何か民主的な要求が通じない場合、これまでも外国に訴へることはいくらでもあるが原則は、その行動が非暴力で平和的であること、そして外交問題とせぬため、その国からの独立を求めないこと。これで成功してゐるのがチベットのダライ=ラマでノーベル平和賞まで獲つてしまつた。それが香港では港独が叫ばれ実力行使も生じて、それにNY Timesなどが共鳴した論説。
西側国家がなぜ、この条例改正を杞憂するかといへば条例で保障された西側法治国家の犯人引渡し協定の原則を無視して中共追従としたことで西側国家の国民も香港から中共に引き渡されるやうにしたこと。そして、この条例改正は林鄭市長による提案とされてゐるが犯人引渡しの対象が外国人である場合、それは外交マターとなるので外交権のない香港特区にその権限はなく北京となるのだから、この条例改正は北京の認証なしには不可なわけで林鄭の個人的スタンドプレーであるはずがない。
建制派ですら、この条例改正で「港人港審」を提案してゐたのに林鄭は北京中央の意を酌み「中共送り」にしてしまつたのが瑕疵であり財界までの反発を招き北京が条例の一部改正を願つた(だけの)立法化が「壽終正寢」で廃案となつたこと。
……他にも重要な指摘列挙されてゐるので原文ご参照あれ。