富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦五月十一日

香港の怒れる若者たちの乱暴は昨日のうちに警察が排除して香港の治安も正常化に向かひ金鐘一帯の道路も今日は未明から自動車通行できてゐるのに何故にMTRの金鐘站は未だ封鎖。

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しかもMTRは午前6時に「始発から平常通り」と発表したのに、その後、警察からの要求で金鐘閉鎖に。午後2時閉鎖解除。また香港“市役所”は公務員に向けて早朝に今日と明日は市役所総部閉鎖で出勤不要と指示。金鐘の現場はどう見ても公務員が出勤できぬやうな混乱一切なし。

[行政署通知] 基於保安理由,今日和明日(6月13日及14日)政府總部暫停開放。同事無需返回政府總部工作,並應按照所屬決策局或部門的應變計劃工作。所有訪客活動亦會延期或取消。

「乱暴」対応が大袈裟すぎないか? かうした「反抗者の暴動」により市民の日常生活にどれだけの影響あるか……の宣伝とすら思へなくもなし。大公報も「どうだ!」とばかりに正義心で乱暴を報道。

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今日の人民日報〈海外版〉にも香港暴動批判。暴力祸港者不会得逞--港澳--人民网 当然この論評は同じ人民日報でも国内版には出ておらず。中共に「法治」だのといはれたくはない。それでも興味深いのは大陸の若者たちの間でSNSで(といつでも国内ではなく香港や日本のSNSに対してだが)香港の不法分子たちは厳正に取り締まられるべきといふ主張少なからず。これが「官製」の声と窺ふこともできるが天安門事件より後に中共で生まれ育つた若者たちには彼らなりの安定や自由に対する価値観が育まれてゐるのかもしれない。それに対して香港の反対派の若者たちの運動もお粗末で示威變招癱港鐵 上班族鬧爆

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反送中に抗議する若者たち、金鐘での道路占拠に失敗すると今度は一部の若者たちが将軍澳線のMTR站のホームで車両との隙間に足がはさまったと大騒ぎしてみたり、電車の閉まるドアに手をはさんで痛がってみたり、卒倒して心臓マッサージしてみたり……この「地下鉄邪魔作戦」は稚拙すぎ、呆れて言葉もなし……。

通りかゝり、香港警察総部の前で人ごみは何かと思へば親中土共団体の警察慰問。

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警察にしてみたら感謝でも忙しく疲労困憊の時に対応面倒でせうね……別に親中土共を「真の同胞」とは思つてもゐないはず。

數十人圖經中信天橋往立法會 警方設防線阻止 - RTHK

(11:30am )民陣の岑子杰君が警察のバリケードの前で黒衣青年たちに不要な衝突は避けるため「ここは一旦退却を」と求め、警察にも抗議者に武力制圧しないよう求めている。この理性的な動きは動乱期待の権力にとっては困つたところか……。(午後)金鐘站から香港“市役所”に渡る陸橋も公民広場も怒れ者たち失せてしまひ平静そのもの。これは困ったぞ……か中聯辦。


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24時間前と今。


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 友人と徒党も組まず「金鐘の現場」には独り独りの若者少なからず。自分の目で何かを見て何かを考へ自分の意思での行動は立派。

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このあと大雨となる。燈刻、FCCで報道チャンネルの生中継見てゐると香港警察トップが記者会見。

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昨日夕方からの反対派の道路占拠一掃につき市民生活に重大な影響与へる違法活動に対して最低限の武力行使が必要、その実行前に「警察の指示に従わぬ場合は」と警告してをり……と釈明。それでも数時間で放たれた催涙弾は150発で雨傘運動での数を上回りプラスチック弾や散弾銃から布袋弾=ビーンバッグ(小さな鉄玉を満たしたナイロンバッグ)が撃たれ81人(内警官22人)が受傷で、記者にまで鎮圧行為が行われ、すでに抵抗してをらぬ者を警棒や盾で「これでもか」と痛めつけ、行政長官リンテイゲツガが約束した「徹底した捜査」は怪我人が運ばれた病院での治療中から大学宿舎の家宅捜査まで形振り構はず。

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昨日のFCCは特派員らは金鐘での反対派一掃の現場取材に忙しいか閑散としてゐたが今晩は悪天候のなか普段にない賑はひは一先ず取材も小休止か。S氏夫妻と家人とで印度料理頬張りつゝ四方山話。帰宅すると夜半に大雨雷雨。