富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦五月初八

曇。燈刻にジムで運動。北角の食料品店で安いウヰスキーと馴染みの新聞スタンドで明後日の競馬予想誌贖ひ帰宅すると大風でひどい驟雨。久々に陋宅ハイボール飲んだところ先々週金曜の銀座さんぼあの、あんなに見た目粗く見えるお作法の角ハイが何故にあれほど美味いのかしら、とたゞ嘆くしかなし。
▼未明まで続いたといふ香港“市役所”付近での若者と警察機動部隊との小競り合ひ、かりに、の話だが昨晩の100万市民デモお終ひの時点で民陣(民間人權陣線)率ゐる若き岑子杰であるとか、朱耀明牧師、陳日君元枢機卿或ひは梁“長毛”國雄君が香港役場前で怒れる若者たちを前に「今日の示威は成功裡に終はりを迎へる、若者たちよ、今日の怒りを明日の糧に、さぁお帰りなさい」と語り、若者たちがそれに従ひ“Les Misérables”の「民衆の歌」でも歌ひながら涙ながらに帰路についたら昨日の運動は更に世界に「香港は平和を望む」と、とんでもない成果を示したことだらう。だが「民衆運動は失敗しなければならない」のが権力のテーゼで大団円は期待されてゐないから「やはり」本来の目的から外れた破天荒な混乱で、それが権力により収拾されなければいけないのかしら。今日の大公報はこのデモの後に香港市役所攻撃がどれだけ暴動であつたか、を懸命に伝へてゐる。

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市民運動を「暴動」とすることが天安門事件でもさうだつたが中共のいつものお作法。香港でマスコミ関係や研究者で香港民族党が何うも怪しいといふ声少なからず。雨傘で突然発生し最も敏感で過激な議論しかけ運動から一般市民、リベラル層を乖離させていつたが今回のデモ終了後の騒動でも誰が何をしかけてゐるのか、は「無間道」の世界、まさに不明、不明。

中共の外交部スポークスマンは香港の市民デモの人数について正確なものではない、数字に根拠はない、としつゝ「香港政府の逃犯条例を支持する市民の署名は80万人に達しており」と、それこそ親中団体が何うやつて集めたのかもわからぬ署名で根拠ないこと明らかなのだが。数字は上手いやうに使はれる。

香港市民にとつての政治デモをじつによく見つめてゐるSCMPの記事。