富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦四月十四日

晴。猛暑。土曜日で朝からFCCで週末の新聞読み。午後から陋宅で沙田の競馬中継眺める。どの取り組みも5頭くらゐ迄の絞り込みできてゐるのだが馬券下手の極み。閑に任せての乱読で足穂『一千一秒物語』から表題のショートショート、「A感覚とV感覚」の後、ロラン=バルト著作集(みすず書房)第7巻『記号の国』読む。後者は多くの図版挿入されてゐるが文楽扱つた「三つのエクリチュール」にある歌舞伎役者の写真。

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これは注釈に「素顔で二人の息子に囲まれて」に訳者の[実際には両側の二人は息子ではない]とあり、昔これを読んだ時は大して気にならなかつたが今になつてきちんと見れば梅幸の両側の少年は今の梅玉魁春の兄弟。流れでDavid M. Halperin『聖フーコー』(太田出版)読み始める。昨日、台湾の同性婚合法化のことをこの日剩にも綴つたがフーコー的には性の解放目指した近代のさまざまな政治運動は他の権力政治装置と同じくセクシュアリティの統治制度と共犯関係にあり性革命は自分のセクシュアリティ表現する自由を得たののではなく自分のセクシュアリティを(無論、自由に、なのだが)表現せよと要求されるもので性革命が葬り去らうとした政治的な力をむしろ強めるもので性革命の結果、ヒトはセクシュアリティを解放したかもしれないが我々はよりセクシュアリティに拘束されることになる。自由になるといふことは、その自由のためにまた何か政治的な力に縛られることになる不条理。

晋三動静(17日)18:53 東京内神田の居酒屋「UUZU」。長谷川栄一首相補佐官、秘書官と食事。22:16 東京富ケ谷の自宅。ずいぶん久しぶりだね、昭恵夫人のUZUは。 https://t.co/SB8IQfnRrl