富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦正月十八日

農暦正月十八日。薄曇。朝も倦怠感あると、ついコンビニで如何はしいRed Bullなんて飲んでしまふのだけれど久々にふとチョコレート贖ふ。カヽヲは精神的にも刺激性があり疲労回復にはやはり効果的。

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税務署より納税遅延のペナルティ分還付とお知らせ届く。これまで納税通知が郵便で届き、だつたのが昨年深く考へずeGovHKなんて網上服務に登録してしまつたことに起因する納税失念で税務署より兎に角、全額とペナルティ支払ひ、その上でペナルティ還付要望の手紙を添えよ、と。eGovHK - 富柏村香港日剩これが一ヶ月で今回のご容赦。

香港の行政長官・林鄭月娥(リンテイゲツガ)は北京中央寄りの姿勢で民主派からは評判も悪いが官吏としては飛びきり優秀な人であらう。親中の土共輩のやうに浅慮でもなく、あれ以上スタンスをリベラルに取れば北京中央に厭はれる。それでも、この広東省珠江下流デルタの「大湾区」への香港の着実な譲歩など見ると、もはや香港「特別行政区」や一国両制などメッキが剥がれたと思はざるを得ず。以前も書いたが90年代など「今後、深圳など近隣地域がいかに香港化してゆくかが課題」と「グレーター香港」なんて言葉を遊んでゐた頃が懐かしい。グレーター香港どころか「大湾区」で経済発展著しい広州から東莞、深圳、珠海の大湾区に香港は呑みこまれ、いかにそこで香港の地位保つかが課題の当世。上記の記事でタイトルは“Hong Kong will not be mainlandised”つまり大湾区というコンセプトでも「香港は大陸化しない」とリンテイゲツガは宣つてゐるが(mainlandiseといふ動詞が面白い)紙の新聞では同記事は”City’s autonomy key to bay area success”で「香港の自治は大湾区成功のキーポイント」と微妙な言ひ回し。一国両制は強く主張できないが大湾区の中で香港が本土に属す他の沿岸地域と異なる特区の体制を活かすこと、それは経済や金融での利便性でしかないのだが、それがあつての大湾区の発展の鍵となる、と。なにとも腸捻転になりさうなロジックだが、これがぎりぎり。それ以上の大陸との差異化は今の香港にはもはや許されない。

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同じくSCMP紙より香港競馬の話題2つ。
① 戦後(日本統治以降)競馬のない台湾で高雄が競馬再開を検討してをり香港ジョッキークラブと連携を……と仄めかしてが香港JCは否定。そりゃ北京中央の台湾政策あるなかで香港がそんなこと勝手にしたら叱られる。だが中共での競馬展開が足踏みするなかで香港JCとしては台湾に食指伸ばしたいのも事実。
② 香港JCが広東省従化に建設して実用順延されてきたトレセンで3月23日に初のトライアルレース開催の由。記事で見るとかなり立派な施設。パドックもあつて将来的には観客席も造設可。たゞ現状では中国では競馬は非合法。事情に詳しい海外競馬評論家のT氏の話では、この従化でのトライアルはクラス編成の番組ももう決まつてゐてエキシビションと言ひながら公式成績として残るといふ話もあり、と。「問題は勝ったときのオーナーの口取りで、構造上、馬は防疫エリア、馬主は防疫エリア外なので、その辺どうするのか」とT氏が案じるので「かなり長い口どり綱で」と笑ふ。