富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2018-02-24

農暦正月初九。官邸執務室にて週末残務処理。ふと「元気をもらった」と最初に使つた人は誰なのかしら。トランプ娘のイヴァンカが冬季五輪閉会式出席のため訪韓北朝鮮は首領が妹を遣つたと思へばレベルはどっこいどっこい。家人と晩に久々にインド料理食べたいとFCCのダインへ。インド料理にはウヰスキーが似合ふ。ハイボール頼んだらトールグラスにウヰスキーだけ注いできてソーダは別に「お好きな調合で」といふのも好き。帰宅してからマサラティーでビスケット等スイーツ頬張る。『銀座百点』誌1月号眺めてゐたらソムリエの田崎真也が言つてゐる。

「もてなし」本来、もてなす側のホストも、もてなされる側のゲストもお客さま同士。ぼくたちはホスト側のお手伝いするのが役割。日本では勘違いしている方も多いですね、両方がゲストみたいな。(略)昔は人をもてなすのは自宅なりプライベートな場所が基本だったのが、社会が豊かになって、もてなしの場が外に出て店になったことで、誰が誰をもてなすのか複雑になった。

▼その『銀座百点』1月号で山川静夫高麗屋三代襲名で新・白鸚相手にヨイショ対談。この役者がとても父さん(先代白鸚)の域に達してゐるとは思へないが面白い話を披露してゐる。

吉野川>で成駒屋のおじさん(六代目歌右衛門)が定高で僕が大判事を演つた時、初日から毎日ダメだしでした(……そうそう昭和の終はり頃だつたかアタシも見てゐるが、これはひどかった、役者の格が違ひすぎて:富柏村)。中日過ぎるころからダメが減ってきて「いくらかは腕が上がったかなあ?」と思って楽日がきた。いつものように「ちょっと、いらっしゃい」と呼ばれまして「あなたねぇ、役者ってのはね、だんだんうまくなるんじゃないのよ。だんだん下手になるのよ。うまくなったと思うのは慣れてくる錯覚よ。はい、お疲れさま」ですよ(笑)。

……って笑つて話せるやうなことぢゃないが大成駒の最期の「はい、お疲れさま」が実にいゝねぇ。
▼岩波『世界』二月号で吉見俊哉「トランプのアメリカに住む ②」で「星条旗とスポーツのあいだ」読む。国家とスポーツの関連。米式蹴球(鎧球)の選手たちがトランプの人種差別に抗議して試合前の国歌斉唱で地面に片膝つく姿。米国の対英独立戦争南北戦争そして二度の世界大戦を通じて国旗と国歌は米国に定着。つねに戦争と密接な愛国心、国旗と国歌。米国の独立かけた米英戦争では米国のアフリカ系の人々が奴隷解放求め英軍側で戦つてゐたといふ。