富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

映画「カメラを止めるな!」

農暦九月廿一日。快晴。昨日までは大気が多少淀んでゐたが今日は遠くの山まで眺望もよく、やつと香港の一年で一番過ごし易い秋の到来。気温は朝は摂氏21度で湿度が40%以下。鼻腔乾きむず痒く脛も肌荒れ。晩に自宅で夕食のあと家人と太古城の映画館で上田慎一郎監督の映画『カメラを止めるな!』見る。間違つても「ハロウィンに合はせて」これを見たのではない、念の為。

f:id:fookpaktsuen:20181030144843j:plain

日本で自主上映の低予算映画が海外でも多くの受賞あり今年に入り全国公開の話題作。香港でも前評判上々だつたが(蘋果日報)先週木曜からの上映で週末も閑古鳥。1週間で打ち切り?の恐れもあり慌てゝ。まさにB級ホラー映画は「ゾンビ映画の撮影現場」といふ設定でスタッフがゾンビ化し出演者を襲ふといふ内容でリアルな演技求める狂人的な監督が「カメラを止めるな」と。これが30数分で終はり次の展開は、このB級ホラー映画の制作から撮影に至る前置きの話となる。こゝで、この作品がゾンビチャンネルなるケーブルテレビ局の開幕作品で30分生放送で1台のカメラ回しっ放しといふことがわかる。そして白眉が、その撮影放送当日の朝からのハプニングで、そのB級ホラー映画の撮影現場でのドタバタが更に物語のメインの筋立てとなり、これに大笑ひ。エンディングロールでは、その映画を撮影してゐる本当の制作スタッフのロケ場面もドキュメント風に映る。つまり一つのストーリーが3回、撮影されてゐるわけで、それを見事な脚本でまとめてしまつた上田監督の奇才に唯々脱帽。このゾンビ映画の撮影場所となつた廃墟、昭和モダンの廃墟で旧日本軍の秘密施設で毒ガスのやうなもの製造されてをり、こゝに凄惨な怖い昔話もあり、といふ設定。これがエンディングロールで水戸市フィルムコミッションとあり。確認すると那珂川近くの平地にある芦山浄水場跡。

f:id:fookpaktsuen:20181030144944j:plain
f:id:fookpaktsuen:20181030144948j:plain
水戸市の旧・芦山浄水場

アタシが小学生の頃の社会科見学は開江浄水場で、この芦山浄水場は今日まで存在すら寡聞にして知らず。茨城大学の北側の段丘を下ると、こゝなのだが市街から手前の愛宕山古墳や万葉集でも

三栗の那賀に向へる曝井の絶えず通はむそこに妻もが

と謳はれる曝井までは小学生の頃から仲間のJ君(地元で私立高校の社会科教諭)やA君(地元の県立高校校長)らと小学校の郷土歴史クラブで遠征してゐたが当時は現役で作動してゐた芦山浄水場は全く意識になかつた。