富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

グレーター香港と粵港澳大湾区

農暦九月十八日。曇。香港の路線巴士アプリの進化が凄い。オンタイムでバスが何分後に来るか須磨帆で確認できるのでバス停で待つ時間を省けるのは有難い。

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但し今日は月末の金曜で昏刻は市街とんでもない渋滞。晩にネットテレビでNHKの伝心といふ番組で大和屋の「かぶき女方考」といふ番組見る。2015年の歌舞伎座、政岡での先代萩をネタにさんざん政岡の性根を語る大和屋。大和屋が政岡を演れるやうになつたのは1990年代中頃からでアタシは見てゐないが、この番組で見るだけで十分。アタシにとつての政岡は昭和の末も末、1988年師走の大成駒による政岡で弾正が播磨屋。そして1990年にアタシが香港に発つ前に見た梅幸の政岡も、これも強烈な印象あり。歌舞伎といへば昨日、歌舞伎座千穐楽松嶋屋助六を見た母から電話あり。74歳での助六とは一昔前には考へられぬ配役。高齢化社会。かつてなら無表情に揚巻演じてゐた大和屋が助六の母・満江である。文化功労者に選ばれた片岡仁左衛門https://t.co/fNYqw1Byqf 大松嶋はこの文化功労者の知らせ受けた際に助六の勉強のためにと11代目(治雄さん)の助六を記録映像で見てゐたといふ。海老さまは昭和40年に56で亡くなつてゐるのだから(最後の助六は55歳のとき、歌舞伎座)。

港珠澳大橋開業に合はせ鄧小平宜しく広東省行幸されてゐた習近平がやつと今日、北京に戻り7年ぶり訪中の晋三と会談。

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まるで、これに合はせたやうなタイミングで草間彌生村上龍の贋作展が中国で開催中。

▼さういへば今回の習近平南巡で盛んに連呼されたのが「粵港澳大湾区」。広東省珠江デルタのこの一帯は中共により何時のまにかかう呼ばれてゐたゐたのだが1990年代に「グレーター香港」と呼ばれてゐたのも記憶の彼方。当時は経済開放と近代化進める中国、殊に広東省は香港のノウハウと投資を受け入れ広東省が香港化する、といふ発想で当時の在港の日本の新聞や銀行の調査担当、総領事館の分析員等盛んに「グレーター香港」を口にしてゐたが、この予想は大きく外れ香港が広東省に呑み込まれやうとしてゐる。

▼伊吹元衆院議長:改憲へ「首相は焦燥感」派閥議員を鼓舞 - 毎日新聞 https://t.co/mIIPNMJQua

「新憲法制定を綱領で言っている党に属し、(与党で)3分の2(の議席)を持っているのに何をしてるんだ、という焦燥感が安倍晋三の腹の中にある」と自民党の伊吹某。「首相が国会に対して言うのはいいのか、という感じはした。内閣には(憲法の)決定権や提出権はない。皆さんに委ねられている」と述べ議員に奮起を促したといふが一方で石原伸晃自衛隊明記など4項目の自民党条文案について「かなり評判が芳しくない」と公言。晋三に改憲させないことだけが平成の奇跡。

毎日新聞)平成とは『象徴天皇の原点」初外遊19歳「平和の使者」(広岩近広)https://t.co/Mqkuh8LHYQ https://t.co/wqHgPHzkqh

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▼さういや今週月曜(22日)にNHKクロ現で放映された「世界で大ブレイク!日本ウヰスキー快進撃の秘密」なる番組の評判を聞き23日にネットテレビで見た。日本産ウヰスキーが美味いとして急な世界的ブームで原酒不足で供給も止まつたことで、いくつものブランド酒が供給停止となり、それで更に話題となる、これはかなり一時的なブームと思つてゐる私。生産者の努力、日本の風土と気候がウヰスキー製造に合ふ、で先駆者からの努力は評価されるべきだが日本の場合、原酒生産=大手洋酒メーカーでブローカーの不在、生産者を超えたブレンドができない。ゲストの伊集院静先生曰く、ウヰスキーにはコクと苦味(ピート臭のことか)があり、日本のウヰスキーは「まろみ」を原酒で造る、(酒は生きてゐるものだから)日本人の「生きるものに対する姿勢」と創意工夫で日本人にしかできないウヰスキーづくり、と絶賛。で実際に余市の蒸留所など紹介で番組の後半は最近のハイボールブーム。何ら秘密も何もない。もう少し面白い番組と期待したのだが。