農暦九月初九。快晴。朝九時からデザイナーT氏と打合せでFCCのつもりが行つたら開いてをらず守衛に「十時からですよ」といはれ「はぁ?」と思つたら今日は普通の土曜ではなく重陽節で祝日。打合せのあと蘭桂坊に下ると昨晩はハロウィンといふ名の下に異教の蛮族狂乱も夢の後。警察が置いた鉄柵がいくつも並んでゐる。昼に黄枝記の肉絲湯伊麺。やはりこの麺のコシは大したものだが、それにしても麺一杯がHK$64でサ込でHK$70超え(1,000円)はないだらう。午後官邸で書類整理。旺角に来月のグラスホッパーズのコンサートチケット受け取りに行く。内輪の予約なので前から6列目のかなり上席のチケット渡される。久々の旺角はかなりの人出。西洋菜街あたりの歩行者天国で若者らのパフォーマンスや演奏などの騒音かなり深刻化。帰宅して韓国風に焼肉。晩にNHK-FM「クラシックの迷宮」で1960年代の音楽歌劇『波と笛』を聴く。入野義朗作曲、森正の指揮で東京フィル。主役のオンド=マルトノは本荘玲子で、何といつても重要なのはリチョウ役の平幹二朗。このNHKアーカイブスの録音の放送が平幹二朗の一周忌に合はせたものと番組で片山杜秀は語らず。
▼The Economist誌が衆院選での安倍自民党圧勝につき少しは批判的なことも書くのかと思つたら“Abe’s next act”といふ巻頭記事(こちら)で、これだけ政権が安定するのなら自衛隊がいつまでも違憲とされるやうな状況を改憲できちんと自衛権をもつ正規の軍隊として明記すべきとまで提案。日本のような先進国で民主主義体制も安定してゐるのだから……といふのだが全うな政権と与党できちんと国会で議論され国民の大部分が賛成できるやうなプロセスで憲法に自衛権とそのための軍力の保持を明記することになるのなら、それは大方問題のない話。ただ、それを晋三にさせることのリスクをエコノミスト誌はわかつてゐるのかしら。記事では日本でこれほどまでに安定した長期政権はないのだからといふが民主党による政権交代失敗こそ晋三の幸運で、それを差し引いて考へるべき。そもそも今回の自民党の勝利で国会での野党の質問時間の削減検討など平気でするほどの浅はかさが晋三その人。側近の暑苦しい萩生田に「これだけの民意を頂いた。我々(自民党)の発言内容にも国民が注目しているので、機会をきちんと確保していこう」と指示し官房長官スガ某も「議席数に応じた質問時間の配分を行うべきだという主張は国民からすればもっともな意見だ」と。これは「国民からすれば」じゃなくて「首相からすれば」だろ。
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