富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2017-09-30

農暦八月十一日。未明から雨。朝、散髪。長年履いてゐたASICSの黒皮のフィールドウォーカーなるウォーキングシューズかなり痛み買ひ換へのところ普段はリーガル靴店のリーガルウォーカー愛用してゐて雨用にはRockportの革靴もどきも重宝。このASICSのウォーキングシューズは専ら週末用だつたが、これで走れるかといふと形状も違へば重さもあり週末にホテルとなると別にランニングシューズ持参となる。そこで今回は週末お出かけにも耐へるであらうNIKEの黒のランニングシューズ贖ふ。ジムで小一時間走る。プエルトリコの巨大台風被害に対するトランプの馬鹿な発言と対応をCNNで見る。こんなバカが米国大統領でも地球が回つてゐるとは。昼にミーティング兼ねて日本人倶楽部の食堂で食事。週末の残務処理。いたゞきもののペニンスラとスターバックスの月餅一旦陋宅に持ち帰り観塘へ。観塘は旧市街の大規模な再開発進むなか、家人と落ちあひいつもの通り裏町の「雲南風味」に往くと已に廃業の由。小ぢんまりと美味い雲南料理を供してくれてゐたが地味な食肆は次々と消えるばかり。一軒おいて隣の川滬料理「榮華川菜館」へ。ここも地味な老舗。常連が好きに飲つてゐる。フロア切り盛りする青年が無愛想だが要領かなり良く跡取りかしら。土曜晩の人混みのなか観塘から九龍湾へ。站のバスターミナルからのシャトルバスで九龍湾国際展覧中心。日本からザ=ゴルペラーズの香港初公演。ポップスで殊に日本のポップスに疎ひアタシで香港で日本のポップスは2003年の松任谷由実以来かしら。今回この公演を香港で仕切るのが知己のU氏で今ではベテランの投資家だが元々は仙台で業界筋。その関係もあり仙台よりG社のB社長も来港でお会ひするのは25年ぶりかで旧交温める。U氏から充てがはれたお席が銀座4丁目の交差点みたいな最上席で恐縮するばかり。

▼昨日に続き築地H君の政局についての見立てより。日本の政党史上でも常に相対的に「右派」の党と「左派」の党の二大勢力は存在してきたのではないか、と。しかもその右と左がかなり「目まぐるしく入れ替わってる」こと。……としてH君が挙げるのが、藩閥打破掲げた自由民権運動の指導部たる自由党がいつのまにか藩閥の首魁であるところの伊藤博文を総裁に戴く立憲政友会になったり、左派の自由党に対する右派の改進党を母体し且つ第1次憲政擁護運動に対抗して桂太郎が結成した立憲同志会がやがて憲政会→立憲民政党になり地主と在郷軍人会を基盤とする政友会に対する「軍縮自由主義」基調とする都市型リベラル政党になる。つい最近も「非自民8派連合」が普通の国をめざしたネオリベラルの右派勢力になるや、自民党ハト派を標榜し社会党と連立するなんていうことも起きた。今回、希望の党純化路線をいくなら、安倍下野後の自民党がむしろ相対的な「リベラル勢力」になるということもじゅうぶん起こり得るでしょう、と。面白い。
朝日新聞より「改憲の道理、主権者が吟味を」(高橋純子)こちら

目的のためには手段を選ばず。勝てば官軍負ければ賊軍、道理は後からついてくる……。そんな首相の政治観は、憲法を扱う手つきによく表れている。
「国民の手に憲法を取り戻す」。憲法改正の要件を引き下げる96条改正を打ち出した時、う胸を張った首相だが批判を浴びるやスッと引っ込め今度は「教育無償化」をあげて日本維新の会に秋波を送り、さらには歴代自民党政権が「合憲」としてきた自衛隊を「合憲化」するため9条に明記すると言い出した。
何でもいいからとにかく変えたい。そんな首相の情念に引きずられ今回の選挙では憲法がかつてなく重いテーマとなる。さすればまずもって自覚すべきは主権者は私たちひとりひとりであり憲法は公権力に対する私たちからの命令であるという基本だ。
それがいつの間にか回答者席に座らされ「改憲に賛成か反対か」二つの札を持たされていることの不思議。「さあどっち?」と迫られるままつい札を上げてしまうようでは、主権者としていかにも怠慢である。

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