富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

敵の敵と敵の敵の敵との連合

fookpaktsuen2017-09-28

農暦八月初九。国会解散。あの「万歳〜!」はどうにかならないものか。海外メディアであれを見るとまさに「近代以前で大政翼賛的に映るから怖い。その場面、晋三は解散の悪魔の首謀者だから万歳しないにしても「なぜ野田聖子が粛々としてゐる」のか。もはや次は自分のつもりで何かが野田聖子に憑いてゐるのかしら。もはやカルト政治。ジムのトレッドミルで走らうと思つたらNHKのラジオ第1の晩7時のニュースの時間で(香港時間午後6時)それを聞きながら走ったが足がもたつく。小田嶋隆先生曰く

  • 敵の敵が味方だというぐらいのところまではなんとか理解できるのだが、敵の敵と敵の敵の敵が手を組んだ連合軍が味方なのかどうかは、残念だが、オレには判断がつかない。

なのだから走るときに、このニュースは危ない。もともと日本にとつてかなり危ない選挙なのだが。帰宅して気分は初秋で栗の炊き込みご飯。TBSラジオ荻上チキのセッション22を聞く。
▼突然「政局」が動き出したが民進党がまさかそこまで、の潔さ(といふか何といふか)。何よりも前原代表の共産嫌ひのなせる技で、共産と組むのなら民進党を崩してまで中身全くわからぬ「希望」に無理やりの足入れ婚も辞さぬ、と。新聞各紙の見出しが面白い。読売「民進分裂へ」と野党第一党の崩壊を傍観。日経は「民進、希望に合流へ」とするが朝日の「民進の「希望」合流 提案へ」はこの動きに多少疑問を残すニュアンス。それに対して毎日の「民進事実上解党」が一番あからさま。毎日新聞世論調査比例代表制の投票先は自民29%に対して希望18%、安倍内閣支持率は36%(3ポイント減)、不支持は42%(6ポイント増)と逆転と民進党がなくなつても自民一強崩すことに力点を置く。この前原の動きに民主党時代からシンパである山口二郎先生は「民進党はここまで自らを安売りするのか、今まで苦労して運営してきたのは何だったのか」と嘆く。このところ政局分析が最も冷静な石破先生曰く

  • 自民党に代わる保守が出てくればそちらに支持が行く現象だ。与党が長くなり我々にそのつもりがなくても国民は「奢り」を見ている。小池氏を侮るな、国民をナメるな、ということだ。

御意。それにしてもつかみきれぬ小池新党。党の理念につき「ベースにあるのは伝統や文化、日本のこころを守る保守の精神だ」といふが本来の保守とはこれまで培つてきた知恵や経験を重んじる立場であつて伝統や文化、日本のこころなんてものを政治的に主張することは保守ではないのだが、この人のかうした浅慮で国政が動くと思ふと怖い。民進党の傍流に置かれたリベラル派がどう動くのか、党内でも左派的な北海道など親共産で地域政党立ち上げなんて噂も。民進党議員にしてみれば民進のまゝではさらに議員数減は確実で藁にもすがる希望への押しかけ婚、晋三自民にとつては目論見崩れる民進解体希望合流、つらい立場は共産党民進党は協力できても希望は選挙協力も難しく、このまゝでは野党乱立になりかねず漁夫の利得るのは自民となることだけは避けたい。共産が鼻をつまんでも晋三退陣のために希望にどこまで歩み寄るか、かしら。……で衆院解散の本日といへば小沢一郎先生のまぁ力の抜けた「小池への同調容認」発言、この人(小沢)はもう終はつた。その小池は衆院出馬否定し都政への専念、都政から日本を変へると宣ふが、もはやどこか「日本のアウン=サン=スーチー」的。晋三は街頭演説で「北朝鮮の脅威*1少子化といふ深刻な問題に直面し」と嘯くが2つは全く次元の違ふ話。それで国民の不安煽つてのペテン政治。公明党の山口は晋三と並んだ街頭演説で今までより何歩も踏み込んだ晋三べったりの姿勢を強調し野党をボロクソで、あれぢゃ創価学会の信者さんも退くだろ。不気味なほどの焦り。山口にとつても今回の選挙は自らの公明党での政治生命(といふほどのものでもないが)を賭けたことになる。

▲日本版『プレイボーイ』誌創刊の頃に当時の中学生にとつてはお宝雑誌であつたが中学生にとつても、あの肝心な部分がつるんとした修正は性欲もげんなりするほどだつたか。エロ雑誌のやうで実はモハメド=アリがジョージ=フォアマン破った「キンシャサの奇跡」描いたノーマン=メイラーの『ザ・ファイト』のドキュメンタリーであるとか、ピーター=フォンダとか相手の大人のインタビュー記事が中学生が大人になるなかで実は大変面白かつた。

*1:(安倍首相は)北朝鮮への不安を煽り支持を高めたいのだろうが戦争の具体的な前兆もなく日本を狙ってミサイルが発射される状況でもない。(柳澤協二)