富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2017-09-01

農暦七月十一日。週末に向け、また熱帯性低気圧が近づきつゝあり。今回は香港と汕頭の間あたりに上陸の模様。台風の影響で大気汚染ひどい。今日は九月一日で学校が新年度迎へ、かつてはこの日の朝の路線バスの混乱、渋滞など風物詩だつたが今では八月のうちに前倒しで始まる学校も多く昔に比べると大した混乱もない。朝、北角のバスターミナルで学校の多いブレーマーヒルに向かふ27系統のバスがバス停に並びきれずターミナルの後方に毅然と並ぶ。この数日の疲れで晩九時すぎには精神安定剤服して寝てしまふ。
朝日新聞佐伯啓思先生が登場しただけで「朝日の変節?」とすらいはれもしたが佐伯先生、ときどき首を傾げざるを得ぬ突拍子もない時もあるが保守の大切さを体現できる思想があるのは事実。今回はあくまでシュペングラーの紹介(こちら)だが、この文明論は全く否定できず。ヨーロッパで誕生した「文明」は近代社会の礎となり、それば米国に移植され普遍化され世界に拡張。現代文明。それは世界を豊かに、幸せにするべきはず。だが「文明の世界化」こそが文明の没落の始まり。風土に根ざした文化との対立。競争原理。金融市場による支配。文化の破壊。民主主義とて「民主主義とは貨幣と政治権力との結合の完成である」といはれると否定できぬところあり。結局、数のおしきり。成熟した民主主義において「成り上がり者」の政治は大都市の投機的事業のもっとも汚らしい部分と結びつく……米国の今日の態。さうした文明に対するアンチテーゼとしての悲しきテロリズム