富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2017-07-19

農暦六月廿六日。やつと長雨が歇む。今月は今日まで17日間の雨量が368mmで一ヶ月の平均雨量超へたとか。早晩に上環。ハリウッドロードから皇后大道西に下るあたりはお洒落なショップ並び閑静で良い雰囲気。昔は東華三院と道教寺院の町だつたが。安半。二旬も年下だがずいぶんと落ち着いてみえるS氏と納涼で会食。
▼中国の民権運動家劉暁波氏死去で中共が墓建立認めず遺灰は海に。世界各地で劉暁波氏追悼の集会あり予想通り沿岸で海に祈ることに。遺灰をば海に撒かせた中共の高配はむしろ賞賛されるべき。
▼誠品書店創業者の吳清友逝去(蘋果)。持病の心臓病。享年六十六。台北で誠品書店が大型の敦南店開業し24時間営業は画期的。書店業が斜陽のなか誠品「文化」とさへ称される雰囲気づくりに成功。香港にも出店したが中共意識しチベット関連の書籍販売避けたり政治的配慮で、結果、大陸で蘇州に初の開業にこぎつける。圧倒的支持を受け台湾で成功し黒字化達成したが書籍部門は別としてもアタシには生活雑貨売り場のショップのテイストや品揃へは今ひとつ。実際に平日など(台湾でも)客もまばらで経営的には心配。創業者の死去でこれからどうなるかしら。

1989年の天安門事件のあと当時アパレルチェーン「ジョルダーノ」老闆の黎智英が創刊した週刊誌『壱週刊』は黎智英が巻頭エッセイで「バカの李鵬」と書き香港の人口に膾炙し売上げ増。黎智英は日刊紙『蘋果日報』も創刊し香港のメディア王に。反中共のスタンスでジョルダーノの大陸進出能はず黎は同社売却。中共のほか李嘉誠など香港財閥にも容赦ないゴシップ報道で大手や中共に気兼ねする企業が広告を避け新聞雑誌の売上げに頼り台湾に活路見出すが読者の活字離れも著しく苦戦続くのは事実。そのなかで創刊から27年の『壱週刊』の売却。中共は虎視眈々と黎智英の凋落願ふなか唯一の反共巨大メディアは今後どうなるのか。物言へば唇寒し黎智英。手元に1990年3月の創刊号あり。