農暦三月初九。毎朝習慣でRTHK Radio4でJonathan Douglasがキャスターする朝のクラシック音楽番組を聴いてゐる。正当な英国英語で柔らかい彼の声が朝に心地よい。そのジョナサン＝ダグラスが4月10日で引退なのだといふ。
1980年代から30年余のRadio4での仕事だが公共放送で定年退職の年齢。世界でも珍しいクラシック専門の公共放送で1987年までClive Simpsonが仕切り、お手本はBBCのRadio３、それの後継がダグラス氏。英国女王よりMBE勲章も授けられたほど。先日の香港特区行政長官選挙では３人の候補者をぜひ、彼の朝の音楽番組に招き音楽談義をしてみたい（SCMP “Hong Kong music host issues classical challenge to chief executive contenders” こちら）とコメントするなど何とも知的。これから朝がとても寂しくなる。寂しいといへばポロ/ラルフローレンが売り上げ不信で紐育五番街の旗艦店閉鎖だといふ。1990年代に紐育でこの店舗で購入のトラッドなネクタイあり。昔はアタシもシャツもパンツもこのブランドだつたがシャツは誂へになりパンツはユニクロになつてしまつた。値段は３分の１で汚れても痛みも気にせず、素材も改良につぐ改良で穿いてゐても楽なのだから。
郷里の母からEMSで荷物届く。いつも忝いかぎり。その中に新潮社のPR誌『波』あり。山下洋輔氏の連載を母はアタシに見せたかったもので、そこに長野でのライブコンサートの前夜祭の盛り上がりや『仙波山』の曲についての記述。その話に長野の畏友Ｈ氏やＴ氏、工芸家のＳ氏が登場。１月に母と長野に遊んだおりＨ氏とＴ氏に牟礼の菊寿司に連れて行つてもらつたが、そこで食事中にＨ氏の携帯にいきなり山下洋輔さんから電話あり。山下御大が『波』の連載の原稿書いてる最中で文中に出てくる皆さんの名前の確認なのであつた。晩にNHKオンディマンドで『鶴瓶の家族に乾杯』で水戸を見る。先に見てゐた家人から「団子屋でラーメンも出している」といはれ「伊勢屋だ」とわかるのは郷里ゆゑ。茨城県北舞台にした連続テレビ小説のPRで俳優の沢村一樹がゲスト。下市から鶴瓶師匠は三の丸に歩き弘道館からアタシの母校水戸二中前から（受験で不合格だった）水戸一高、水戸駅前の母も確か客だつた美容室へ。沢村はアタシが育つた五軒町で水戸芸術館（旧五軒小学校がアタシの母校）から旧鉄炮町の蕎麦屋「のだて屋」に寄り（隣に千代の湯があつて、その隣は同級生のＡ君の祖父が営む紳士服テーラーだつた）、それから標準的な茨城弁を求め大洗へ。
▼どこの新聞だつたか都民調査で小池知事支持74％、自民党支持層でも78％で来たる都議選は小池派の雪崩的大勝利確実。日本新党、民主党への政権交代、石原への数百万票……何か起爆剤になるが、その結果の惨憺ぶり。今回はどうなのかしら。
