富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2017-02-10

農暦正月十四日。曇。朝の気温は摂氏11度。昨晩の痛飲で宿酔ひはないが体力消耗甚し。晩に何気にテレビつけるとMTRで列車で日が燃え尖沙咀站構内が煙充満のなか火傷した乗客の救出で何かと思へば還暦の気狂ひ男が晩七時半だか金鐘を出た荃湾往きのMTR車内で虚妄癖から自分も死ぬからオマエらも道連れにとシンナーだか撒き散らし付近の乗客が止めようとするなかライターで火をつけ焚身に乗客も類焼でパニックのなか列車は尖沙咀まで急ぎ、そこで救援活動。自焚のこの男と巻き添への女性数名が重症危篤の由。キチガイは本当に怖いが自分がいつ、いとも簡単に何も前触れなくともキチガイになる可能性もあることが一番怖い。テロリストとて同様。
南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊の日報で現地の「戦闘」が報告されてゐた問題に絡み防衛相稲田某女が衆院予算委で「戦闘行為」の有無につき「事実行為としての殺傷行為はあつたが法的な意味での戦闘行為ではない」「国会答弁する場合には戦闘といふ憲法9条上で問題になる言葉は使うべきではないことから武力衝突といふ言葉を使つてゐる」と馬鹿正直答弁。馬鹿といへば法相でまともな国会答弁できず。それを言へば答弁屢々はぐらかす晋三も晋三。以下、築地H君の指摘引用。

大臣が食言して平気になったのは小泉以降か。小泉によって「自衛隊の行くところが非戦闘地域」「人生いろいろ、会社もいろいろ」といった適当な答弁が通るようになったわけだが、そういう発言をしているときの小泉はニヤニヤ笑みを浮かべて「いま、オレ面白いこと言ってるだろ?」と言いたげな得意顔。逆に言えば「アホな発言をしながらもそのアホを言って無理を通している自分を俯瞰するような距離感」がまだしもあった。それが今では首相筆頭に大臣が「自分がいかに適当な答弁をしているか」という認識すら欠ける。法相、防衛相の今回のような発言が前世紀であれば直ちに国会審議はストップし大臣更迭はやむなくなる事態。戦後ではない。戦前でさえ浜田国松代議士と寺内寿一陸相の「割腹問答」で廣田内閣は総辞職。1937年といえば、すでに現職の総理やら大蔵大臣が軍人や右翼に何人も殺されている時代だが、それでも議会ではここまでガチの対決。現在の状況に関して「メディアの追及が甘い、メディアが悪い」というのは間違いではないが、直接には野党の力量不足が最大の要因、野党に力を与えないのは有権者の責任でもあり。戦前の斎藤隆夫の「反軍演説」においても除名された斎藤を地元選挙区の有権者はその次の選挙ではトップ当選で再び議会に送り込む(しかも大政翼賛会の非推薦候補)。130年にならんとするわが国憲政史上において今は(東条内閣時代の数年間を除けば)議会機能がもっとも低下した時代ではないか。「そんな与党に支持率で大差をつけられているではないか」と野党や野党支持者を揶揄し冷笑する意見も(ネットでは)まま見られるが、それほど弱体化した野党に対して与党内で現内閣以外に政権を担おうとする勢力が現れない人材不足はより深刻。